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参照までにこれまでのリンクも貼っておきます。
イラクの戦争・さまざまな考え 1 翻訳 [iraqwar.ru]
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/147.html
イラクの戦争・さまざまな考え 2 [iraqwar.ru]
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/243.html
イラクの戦争・さまざまな考え 3 [iraqwar.ru]
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/483.html
イラクの戦争・さまざまな考え 4.埋め込まれたプロパガンダ [iraqwar.ru]
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/826.html
イラクの戦争 さまざまな考え 5 米・イラクの取引について [iraqwar.ru]
http://www.asyura.com/0304/war33/msg/102.html
イラクの戦争 さまざまな考え 5(後半) イラク空軍の再利用 [iraqwar.ru]
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イラク軍はいまだに行方不明
4月の第三週にオーストラリア軍が、“イラク西部の主要なイラク空軍基地”に隠されていたがオーストラリア特殊部隊によって発見されたイラクのMiG-25(http://www.aeronautics.ru/img/img006/iraq_mig-25pu_australians_003small.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)の数十枚の写真を公表した。MiG-25(http://www.aeronautics.ru/archive/vvs/mig25-01.htm?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)は比較的珍しい航空機だ。ロシア以外ではほんの少数の国がこの航空機を少数使用している。ミコヤンMiG-25(http://www.aeronautics.ru/mikoyan/mig25_31/index.htm?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)(NATOの呼称:“フォックスバット”、最初のプロトタイプは1964年に飛行)は超音速高空迎撃機で、そもそもアメリカのXB-70ワルキューレ(http://www.flygplan.info/images/XB-70_800.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)大陸間超音速爆撃計画に対抗するために開発された。迎撃機という役割に加えて、MiG-25は爆撃機にもなるがその長所は偵察の役割にある。
MiG-25を“戦闘機”というのは少し言いすぎになるだろう。この航空機は他の戦闘機との接近戦のためには設計されていない。現在のロシアの内外でMiG-25が担っている主な役割は戦略的な偵察である。この航空機の速度、高空航行性能や電子制御の報復装置(electronic countermeasure suit)は、最先端の対空防衛システムからの回避を可能にする。過去数年の間、イラクのMiG-25は、イラク北部や南部の飛行禁止区域を巡回する英国やアメリカの戦闘機を脅かしてきた。団子軍の戦闘機はただの一度も、“フォックスバット”に迎撃に値するようなことができなかった。
爆撃機としてのMiG-25は核兵器の搭載が可能であると考えられており、したがって戦略的に重要な兵器としてとらえることができる。この航空機は高速展開用に特別デザインされた爆弾を運ぶことができる。MiG-25はマッハ2以上の速度で一般的なHE爆弾を配備できることがしられている。1970年代のイスラエル上空での航行で最高速度マッハ3.1を記録した。1991年の湾岸戦争時には団子軍の空軍に対する空対空の戦闘における勝利が一機のイラクMiG-25によってもたらされ、米海軍のAAM(?)を搭載したF/Aホーネット一機(http://www.saunalahti.fi/~fta/f-18-gulf.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)が撃墜された。
なぜこれに意味があるのか?いくつかの理由がある:まずMiG-25の偵察機としての能力と、核兵器を送り出す効果的な発射台としての可能性が、さまざまな外国情報機関や米軍の最も重要なターゲットとして特別な感心を持たれる理由になる。イラクが持っている弾道ミサイルの有効射程距離は100キロ強にすぎない:この核弾頭をトヨタのトランクにつんで砂漠を一時間かけて横切ることもできるかもしれない −迎撃される可能性は少なく、攻撃目標を見つける可能性は高い。一方、5300リットルの外付け燃料タンクを装備したMiG-25は2トンから5トンの500キロ爆弾を搭載して2100Km以上を超音速で航行できる。MiG-25には座標が判明している標的に対する精密超音速攻撃を上空20キロメートルから可能にする自動爆撃装置が装備されている −これはライセオン社のMIN-104パトリオット(http://www.hellas.org/military/air_force/images/mim104-1.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)の最高高度のほぼ限界であり、F-15が操航可能な高度15Kmよりも十分高い。MiG-25は29の世界記録を残しており、1977年の絶対高度の記録(37650m)も含まれる ‐うち14の記録は1993年になってもそのまま世界記録だった。高速で高空を飛ぶMiG-25を迎撃することは、些細な任務というには程遠い。
核兵器ないし生物化学兵器を持っているとあなたが思う国を、あなたが攻撃するとしよう。そして、この国にはこれらの兵器を長距離運ぶ手段にかけていると認めている。MiG-25だけが、これらの兵器を配備するための残された有効な手段である。そしてあなたはMiG-25を他のさまざまなイラクの航空機、たとえば1987年に37人の米海軍兵員を殺し、ペルシャ湾のペリー級フリゲート艦USSスターク(http://www.aeronautics.ru/img/img006/uss_stark_pg_1987_001.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)を二発のAM39エクソセット()でほぼ沈没させたミラージュF1(http://www.highgallery.com/Frisian-Flag-Mirage-F-1-010a.JPG?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)と共に完全に無視する。あなたはMiG-23(http://www.aeronautics.ru/archive/vvs/mig23-01.htm?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)やSu-25(http://www.aeronautics.ru/archive/vvs/su25-01.htm?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)、いずれも有能な対地攻撃機で、大量破壊兵器を含めた空対地兵器の膨大なひと揃いを運ぶ能力を持ち、対空防衛レーダーの下にもぐりこむことを可能にする優れた低空飛行能力をもつこれらの航空機も無視する。これらの脅威をあなたが無視するのは、それが存在する場所を特定できないからではなく(あなたは航空基地を攻撃しようともしない)、あなたはそれらが使われないことをなんらかの理由で知っているからである。
オーストラリア人が発見したMiG-25は数々の疑問を浮かび上がらせる。オーストラリア軍が公表した航空機の写真には二人乗りの練習機MiG-25PU(NATOの“フォックスバットーC”)が写っていた。イラクがこの機を所有していたことは知られていない。PUは“Perekhvatchik Uchebnyj”の略で、迎撃練習を意味する。練習機としての役割に加えて、MiG-25PUはクルーズミサイルを運ぶことができるように設計されている。MiG-25PUはイラクに売却されたことは一度もなく、イラクが買ったのは20機のMiG-25だけだった −12機の輸出用MiG-25PD改良型迎撃機と8機のMiG-25RB(偵察/爆撃)。これはソビエトのVVSパイロット、ベレンコが日本にMiG-25に乗って逃亡し、その結果この機種のソビエトの輸出規制が厳しくなったことによる。ロシア以外でこのRUモデルを運航していることが知られているのはインドで、シリアもこの機種を持っていると思われている。オーストラリア軍は、発見された51機のMiGのうちの一機がMiG-25だったという。オーストラリア人によれば、このMiG-25は明かすことのできない場所にある“イラク西部の主要な航空基地”で発見された。
問題はイラク西部に“主要なイラク空軍の航空基地”(http://www.aeronautics.ru/map/iraq_002a.gif?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)が存在しないことである。唯一の例外は(そしてそれを主要な航空基地と呼ぶのはかなり誇大である)アダマーの近くの航空基地(http://www.aeronautics.ru/map/iraq_002.gif?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)で、バクダットとヨルダンを結び、アル・ラマディとアル・ルトゥバを抜ける高速道路からそう遠くないところにある。イラクの主要な航空基地はそのすべてがイランとの国境に沿った東部にある(明白な理由である)。航行可能なイラクの6機の一人乗りMiG-25Pは第96飛行中隊に属し、イスマイル・アル・シェイクス長官とアメール・シャヒーン航空司令旅団長官(Air Wing Commander Brig. Gen.)の司令下にあるアル・クアディシア航空基地を基地としている。MiG-21戦闘・練習機(http://www.aeronautics.ru/mikoyan/mig25_31/mig-25pd-006-ukraine.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)は同じ航空基地にあり、モハメド・モンスール旅団長(Brig.)の司令下にある。アル・クアディシア航空基地はバクダットの南200Km、アン・ナジャフとアン・ナシリアの間のユーフラテス川沿いに位置する。ここはペンタゴンによれば数週間前に団子軍によって滅茶苦茶に占領された場所である。ということは、再びこの戦争の主たるイベントらしきものがそこにある −51機のミグが発見されたとする‐そしてまたもう一度、答えよりも多くの疑問が生じてくる。なぜ捕獲されたイラク機を我々はもっとたくさん見ないのだろうか?なぜ空爆作戦の際に、飛行機は破壊されなかったのか?なぜ公表されたイラクのMiGの写真は、イラクが持っていない機種だけなのか?写真はどこで撮影され、なぜ場所を公表できないのか?
結局オーストラリアのSASは占領した航空基地の名前を明かした:アル・アサッド(http://www.aeronautics.ru/map/iraq_009.gif?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)。150人のオーストラリアSAS部隊が事実上すべてのイラク空軍を見つけ、捕獲したと主張している −“57機のMiG、ヘリコプター、対空砲列、790万キロの弾薬と砲”(“SASは彼らが闘った戦争を明らかにした”、イラク、SAS第一連隊埋め込みのトム・アラード記者。シドニー・モーニング・ヘラルド、2003年4月24日 http://www.smh.com.au/?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en/articles/2003/04/24/1050777363885.html?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)。当然なことに、そしていつものことだが、これらの装備はすべて無傷で“‘自由イラク軍’の基盤を形成する”(トム・アラード)。なんて便利なのだろうか。アル・アサッド航空基地は砂を舗装しただけの小さな一区画でシリア砂漠のへりにあり、ユーフラテス川近くのハウィアット・アルバン鉄道駅のすぐ西側にあるということをここでお知らせする価値はあるだろう。一番よく言ってもこれは小さな修理施設(http://www.aeronautics.ru/img/img006/iraq_mig-25pu_australians_004small.jpg?sesid=ddf164cf56b7989085edfeb219e1ee90&lang=en&lang=en)がいくつかあるだけの支援用の飛行場で、目立った格納庫もない。57機のMiGと790万キロの弾薬?実に便利だ!