現在地 HOME > 掲示板 > 戦争33 > 1011.html ★阿修羅♪ |
|
乗員70人全員が死亡した中国海軍の明(ミン)級通常型潜水艦「361号」の事故は、エンジン作動時に外気を吸入できず艦内が酸欠状態に陥ったのが原因、と香港紙などが相次ぎ報じた。事実なら「信じられない練度の低さ」(軍事筋)だ。不利を承知で軍の事故を公表し、国家と軍のトップがそろって事故艦を視察するなど「異例ずくめ」の事後処理に、軍首脳部の責任回避か新技術の導入か、と様々な見方が出ている。
中国軍は通常、事故を公表しない。まして潜水艦は最も機密度が高い。軍事筋は「シュノーケル(吸排気パイプ)を開けずにエンジンを動かすなんて普通はない。予備の酸素もあるはずだ」。バッテリーの劣化部分に艦内で使う海水がかかって塩素ガスが発生し、中毒死に至った可能性も考えられる、と指摘する。
中国が、軍に不利な報道をされるのを承知で公表したのは「事故艦を曳航(えいこう)すれば軍関係者以外の目につくし、不満を持つ遺族が外部に話す可能性もある。軍自身が隠し通せないと判断した」と複数の外交・軍事筋はみる。軍病院が新型肺炎SARSで「情報隠し」と批判を受けた教訓もある、との見方も強い。
江沢民(チアン・ツォーミン)・中央軍事委主席と胡錦涛(フー・チンタオ)・同副主席(国家主席)は3日、361号が収容された遼寧省の旅順基地を訪問。翌日は艦内を視察し、5日は近くの大連で遺族代表と会うなど「軍の事故では考えられない対応」(中国筋)を見せた。
軍首脳や海軍幹部の更迭は伝えられていない。その多くは江氏が引き立てた。「責任を問えば江氏本人に飛び火するので手をつけられない。手厚い対応は、軍の現場や遺族の不満を和らげるため」と見る向きもある。
同時に、江、胡両氏の「科学的精神で教訓をくみ取り、軍の現代化へ努力すべきだ」との発言や、殉職者を英雄視する動きなどから、事故は潜航時間を長くする新型バッテリーなど新技術の導入試験中に起きた、という推測もされている。
361号の乗員は、通常57人。香港メディアはこれ以外の13人を、青島の海軍潜水艦学院の研修生だと報じた。だが「新装備をチェックする技術者だった可能性」(軍事筋)も捨てきれない。 (05/12 00:34)
http://www.asahi.com/international/update/0512/002.html