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(回答先: 北「核保有」表明、韓国「今の段階では判断早い」 [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 25 日 14:48:51)
【ワシントン中島哲夫】北京での米朝中3カ国協議で北朝鮮の李根(リグン)米州局副局長がケリー米国務次官補に「核兵器保有」や「使用済み核燃料棒の再処理ほぼ完了」などを明らかにしたとされる問題は、不透明な部分が極めて大きく、真偽を即断できない。しかし、こうした発言をしたとすれば、内容が事実かどうかは別にして「瀬戸際外交」の極限に近い作戦と言える。
北朝鮮の核問題の最大の難点は、国際原子力機関(IAEA)の査察官が北朝鮮におらず、米国の偵察衛星による情報にも限界がある中で、北朝鮮が何を言っても真偽の検証が極めて困難だという点だ。
しかも米メディアによれば、李副局長はケリー次官補を代表団席から引き離したうえで「核を持っている」「物理的に立証するか移転するかは米国次第だ」などと伝えた。その言い方は「素早く、断定的で、明らかに(発言原稿が)用意されていた」(米当局者)という。
米政府高官によると、この発言は議事録には残されていない。二人が席から離れたためだ。「席から引き離して話す」という戦術は、94年の米朝枠組み合意に至る交渉過程で姜錫柱(カンソクチュ)第1外務次官が当時のガルーチ米代表に用いたことがある。北朝鮮は「紙に書いて示す」という手法を取ることもある。いずれも「そんなことは言っていない」と主張できる。
また逆に、相手方が内容を誇張したり、変更することも可能だ。米政府の特に強硬派は、北朝鮮の濃縮ウラン計画問題の発端になった昨年10月の米朝対話についても、少々強引な解釈をした疑いがあり、今回の経緯についても韓国などで疑念が浮上する可能性がある。
ともあれ北朝鮮が「瀬戸際外交」特有の強烈な攻勢に出たとすれば、その狙いは相手の混乱を誘い、利益を引き出すことにある。
米政府内でタカ派が激しく反発するのは確実だが、米国が3カ国協議の枠組みを壊すのは難しい。中国が北朝鮮を説得して実現した経緯があるからだ。この枠組みが維持される限り、北朝鮮への軍事攻撃はない。
タカ派が声を高め、仮に武力対応論が強まっても、「戦争絶対不可」を譲れない日韓などとの亀裂が深まるだけだ。ここに北朝鮮が付け入るスキができる。
ただ、3カ国協議そのものが白紙化され、米国が直接対話拒否を貫くとすれば、現在の緊張局面は危機局面に変わりかねない。至上命題である金正日(キムジョンイル)総書記体制の固守のために、あえて危機局面に突入するという奇策を選んだとすれば、周辺国にとっては危険極まりない。
[毎日新聞4月25日] ( 2003-04-25-14:15 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030425k0000e030068000c.html