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★次の標的は北朝鮮?★
イラクでの戦争がとりあえずほぼ終結したのを見計らったように、北朝鮮をめぐる交渉が動き出した。中国が仲介して米中朝の3国間協議が北京で行われることになったのである(直前になって北朝鮮が使用済み核燃料の再処理をしていると明らかにしたため、アメリカが態度を硬化させて一時は協議が開催されるかどうか危ぶまれたが)。
それにしても金正日総書記は、アメリカに侵略させないためには核兵器が必要だと本気で信じ込んでいるのだろうか。イラクのフセイン政権が打倒されたのは、国連に核査察を許したからであるとも公言している。だから核武装しなければ、自国の安全保障はないといわんばかりである。
しかし、北朝鮮が核兵器を保有すれば、韓国やひょっとすると日本も核武装するかもしれない、と思わないのだろうか。使われない核ではなく、実際に使われるかもしれない核が存在するようになったら、東アジアはとんでもなく不安定な状況になってしまう。実際、中国はそれをいちばん恐れている(だからこそ米朝2国間協議に固執する北朝鮮を口説いて、米中朝3国間協議を認めさせた)。
核兵器が地球上から消えてなくなるのがいちばん望ましいとは思うが、もしそれが(少なくとも当面)無理なら、核保有国が増えることだけは防がなければならない。核保有国が増えれば「恐怖の均衡」が崩れる。バランスが崩れれば、核兵器が実際に使われる可能性が高まるのである。実際、領土問題をめぐって対立しているインドとパキスタンの両国が核武装しているために、世界の安全という意味ではきわめて危険な火薬庫となっている。
したがって北朝鮮に絶対に核武装を許してはならないのだが、「核の魔力」に取り憑かれた金正日に核武装を放棄させる有効な手段はなさそうだ。イラクと違って経済的にはほとんど破綻している国であるのに、これまで経済的な圧力に屈する様子は見せなかった。国民が飢えていても軍事力を維持するばかりか、核開発やミサイル開発を進めようとしているのを見れば、仮に厳しい経済制裁を課してもそれで金正日が「心変わり」するとは思えない。
今の状態では、北朝鮮が望むようにアメリカと「不可侵条約」を結んだとしても、それで金正日が核開発を放棄することにはならないだろう。アメリカを譲歩させたのは核を開発しているからだという「力の論理」がますます強まるだけだ。ましてイラク攻撃が「成功」したことで、アメリカ国内でネオコンと呼ばれるタカ派が勢いを増しているとなれば、金正日が警戒感を強めても不思議はない。
かといって軍事的な圧力をかければ、いつ暴発するかわからない怖さがある。実戦に使える核兵器はないとされているが、通常兵力でも少なくとも韓国には大きな打撃を与えられるだろう。在韓米軍3万の兵士やその家族にも相当な被害が及ぶことになると思われるだけに、米軍もうかつには手を出せまい。皮肉なことに在韓米軍が北朝鮮にとって「人間の盾」になっている。こうした状況では、日本にできることはそう多くはない。北朝鮮とアメリカの出方を固唾を飲んで見守ることしか残されていないとすれば、情けない話だ。(藤田)