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神浦さんの分析。
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イラク軍と北朝鮮軍 の比較 (4月15日)
[コメント]数日前から、私のところにマスコミ各社から、「イラク軍と北朝鮮軍 を比較してくれ」「もし米軍と北朝鮮軍が戦ったら、どんな戦争になるか教えて くれ」「米軍が5月にも北朝鮮攻撃を始めるという情報があるが」といった問い合わせの電話が殺到しています。
そこにはイラクの次は北朝鮮という認識があるようです。しかしアメリカ軍は北朝鮮を攻めることはありません。私は断言します。米軍は北朝鮮を攻めることができないのです。第一の理由は、北朝鮮は中国と軍事同盟を結んでいます。北朝鮮を攻撃することは中国との戦争を覚悟しなくてはいけません。そんな危険なことをアメリカはやりません。次に北朝鮮は生物・化学兵器を搭載したミサイル(フロッグ7とスカッドC)を38度線近くに配備(地下陣地)しています。それもいつでも発射できる状態で維持しています。これを使えば、ソウルや在韓米軍を含む韓国の南部は生物・化学兵器の脅威に曝されています。ですから韓国は、北朝鮮を追い詰める政策をとることができないのです。太陽政策はそのための対北朝鮮政策です。
北朝鮮が軍事暴走を始めることもないでしょう。イラク軍の兵器は80年代の最新兵器です。80年代に戦ったイラン・イラク戦争で、アメリカやサウジの援助で配備した兵器です。しかし北朝鮮軍は60年代の兵器と言っていいと思います。ごく一部にMIGー29戦闘機が配備していますが、パイロットの訓練飛行時間は通常の飛行訓練が出来ぬほど短時間です。北朝鮮軍では米軍のGPS爆弾(JDAM)やバンカーバスターに対抗することはできません。
北朝鮮が「米軍と戦争だ」と言っているのは、あくまで国内に向けた心理戦で、国民の緊張を高め、自壊しないようにしているのです。
それから米軍が北朝鮮の核施設を空爆することはありません。稼動中の核施設の攻撃は人類に対する犯罪行為で、いくらアメリカであっても正当化はできません。今までに稼動中の核施設が軍事攻撃された例は存在しません。イラクで行なった99年の「砂漠のキツネ作戦」のときも、アメリカ軍はIAEAと緊密に連絡をとり、空爆の対象に核施設がないか厳密な調査をして空爆を行なっています。
また独裁者の金正日が自暴自棄になって、米韓軍に大量破壊兵器を使用する可能性ですが、歴史的に見て使えないことが2例存在します。ひとつはヒットラーです。彼はノルマンジー上陸作戦やベルリン攻防戦でも、サリンやVXを使わないで自殺しました。もうひとつはイラクのフセイン大統領です。彼も支配体制が自壊させられるとき、大量破壊兵器を使用しませんでした。この例からいえることは、大量破壊兵器の使用は敵が自分より強く、相手が大報復手段を持っている場合は使えないということです。北朝鮮の金正日が自暴自棄で大量破壊兵器を使わないという論理は、イラクのフセインの実例でより確証が高くなりました。
そのあたりの話を、自著 「北朝鮮 消滅」に詳しく書いています。
ここで結論を言えば、だから北朝鮮とアメリカ軍が戦争を始めるとか、米軍が北朝鮮を間もなく攻撃するなんて話を考えないでください。
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