現在地 HOME > 掲示板 > 戦争32 > 556.html ★阿修羅♪ |
|
イラク全土で治安確保が急務となる中、イラク人で構成する「自由イラク軍」(FIF)の存在に注目が集まっている。もともと米国の法律に基づき結成された亡命イラク人を中心とする組織で、暫定行政機構(IIA)の中核を狙う親米勢力「イラク国民会議」(INC)軍事部門の色合いを強めている。なぞの部分も多いFIFの実態を追った。(イラク南部ナシリヤで 貞広 貴志)
◇
ナシリヤ市街から南西に約20キロ、イラク軍の旧防空レーダー基地に「自由イラク軍」と記された手書きのベニヤ板看板があった。そこが今月初旬、米軍輸送機でイラク南部入りしたFIFの最初の本部だった。
今月12日に訪れたFIF本部では、真新しい制服に身を包んだ約700人が、米特殊部隊との合同訓練を行っていた。敷地内には、INCのアハマド・チャラビ代表の居住棟もあった。
「違いを明確にした」(米国防総省)という制服は、米軍のものと比べ迷彩の茶色が濃く、「FIF」の肩章が縫いつけられている。主要な武器は、イラク軍から徴収したり、クルド人自治区から持ち込んだカラシニコフAK―47銃だ。平均年齢38歳。腹の出た人も目立つ。
「我々には、アラビア語で住民から情報を集めたり、サダム残党に投降をうながせるという、米軍にはない強みがある」。士官と思われる男性が、誇らし気に言う。米軍も、人道支援活動などでFIFの通訳と助言が役立っていることを認める。
「米イラク解放法」(1998年制定)に基づき創設され、米軍の作戦補助を任務とするFIFは、米国防総省が後押しするINCの軍事部門の性格を急速に強めつつある。たとえば、チャラビ代表の首都入城ではFIF兵120人がわきを固め、さる18日の記者会見でもFIF旗が背景を飾った。
兵員は、米国などに亡命したイラク人が中心のはずだが、英語を話せる人はあまりいない。「亡命組と現地採用組が半々ぐらい」(INC筋)とされるが、実際には部隊のイラク入り後に志願してきた現地住民を大量に受け入れ、兵力増強をはかっている模様だ。違法滞在のためレバノンで拘留されていたイラク人を、経緯を説明しないまま連れて来たとの報道すらある。
その後バグダッド南部マンスール地区に本部を移動したFIFの将来の役割について、チャラビ代表の政治顧問フランシス・ブロック氏は「クルド人自治区の軍事組織とも連携を深め、新イラク軍の中核にすえる」と言う。だが、現時点で反フセイン勢力の一派に過ぎないINCが軍事的に突出すれば、他派の強い反発も予想される。
(2003/4/21/00:46 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030420id21.htm