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合作説:サダムはいずれ米英に殺される事を覚悟した上でなら分からないではないが、そうでないなら、単純合作説は慎重な検討が必要。
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/479.html
投稿者 うに 日時 2003 年 4 月 20 日 04:36:35:

「我々が市民と共に居たら、不信心者は我々を滅ぼし、そして我々の市民をも滅ぼす。
だから撤退する。」

この判断・現実認識はあまりに正しい。


「しかし、これは政治的には敗北を意味するだろう。
トラボラに優るものを見つけた我々が撤退した唯一の理由はこれである。」

政治的には敗北、この認識も正しい。


問題は地下要塞のことだ。わたしの一貫した疑問のひとつは、これだ。つまり、例の地下100メートルにあり、核兵器でも壊す事ができない、と建築にあたった、ユーゴや西ドイツの設計者がその堅牢さをNATO要塞と同水準と発表しているあれである。

ここは完璧なコミュニケーションシステムがあり、水の施設、食料貯蔵含め半年から3年は戦える、と阿修羅投稿情報でもあった。

バクダッド空爆の際、サダムはじめ,司令部は、地上のどこかに、いただろうか。空爆が激しさを増すとともに、当然、指令本部を地下要塞に完全に移行させるのではないか。なんのための地下要塞なのだ。こんなときにこそ使うように巨大な資金を投入して作ったんではないのか。

いいかえれば、この要塞は、サダムが米英と敵対関係に入りそれが固まった事がハッキリしたからこそ、作ったものなのではないか。ユーゴによる建設は70年代だが、90年頃、西ドイツが別のものを作っているようだ。ユーゴ製と西ドイツ製は深度が全く事なっており、また、最新技術を投入する必要から、西ドイツ製は、別の場所にあらためて作ったものだろう。90年前後のものなら、相当高度なインフラが整備されている要塞だ。

80年代末期から90年にかけて、つまり湾岸戦争前後で、サダムと米英の関係は蜜の時から毒の時に確実な反転をおこしたのではないか。サダムはやがて、用が済めば、自分は米英から裏切られ、捨てられることは当然予期し、イラクが米英の侵略対象になる事を明らかに悟ったのではないか。サダムが米英の仲間なら、西ドイツ製最新型地下100メートルの要塞を作るのは馬鹿げているのではないか。

サダムは1959年からつまりかれが20才ちょっとのときから米国のエージェントとして使われてきていた事は最近判明している。しかし、彼も馬鹿ではない。20才そこそこでは分からなかったかもしれないが、それから遅くとも20年も経てば、これが非常に危険なゲームであって、自分がいいように利用されていること、米当局に使われ、用がすめば、口封じのため、最終的には殺害される事は、十分分かってきていたであろう。

サダムはゲームの構造をよく理解し、米国のエージェントを通じ、個人的財産を築き、その意味で自分の権勢拡大のため米国を徹底利用する。一方で、いつか自分が殺られる事から、どう身を守るか、徹底して考え、実行してきたはずだ。
合作というより、きつねとたぬきの馬鹿し合い、というのが真実に近いのではないか。サダムが自分が利用される事を認識し、受容、しかし、それで、自分の権勢拡大を図る。

しかし、やがて、その馬鹿し合いの妙なるバランスが崩れる時間がくる。サダムは80年代後半から湾岸戦争前後でこの崩れを確実に認識したのではないか。

駐クエートの米国女性大使が、サダムのクエートへの介入に大し、どうぞご自由にのサインを出した。それなのに、米国はイラクに牙を向いた。これで、切れたのではないか。サダムはこのときをもって、米英がイラクを侵略し、かつ自分の生命を狙っている、殺すつもりであることを最終的に確信し、馬鹿し合いの蜜月にたいし、終止符を打ったのではないか。

今一度考えなければならないのは、米英のエージェントはいずれ殺される運命にあり、今回、サダムが米英の手引きでどこかに逃れたとしても、サダムがいずれ密かに殺されることになるのは当然理解しているはずだ。サダムが後日、すべてを暴露する人生回顧の本の出版などされては米英としてはかなわないのだ。

大統領であるサダムは、毎日ねぐらをかえるほどケチクサイ逃げ隠れの名手である。人間というものを全く信じていない、歩くさい疑心といってもよいほどある意味小心だ。アメリカの操作でいつ暗殺されるかわからない、そんな疑心で一杯だったのではないか。このさい疑心の塊り男が、米英に協力すれば、命までは奪わないとは、年端のいかない少女じゃあるまいし、考えていなかったであろう。


もう一度。例の地下要塞の話を米英は一切していない。通常は,そこに中枢部が隠れているのではないか、とだれしも考えるのだ。米英が地下要塞を発見したというはなしも聞かない.米英側はなぜ沈黙なのか。地下要塞を発見できていないのではないか。


市街地のレストランにのこのこ現われ食事をしていたとか、18日に、民衆の前に姿をあらわしたという話しを信じろという方が無理である。地下要塞はなんのためなのだ。


100メートル深度の地下要塞は米英への彼のさい疑心と不信、徹底抗戦の精神構造を象徴している以外の何ものでもないのではないか。

地下要塞はなんのためだったのか。
それはどこにあるんだ。
米英は発見していないではないか(発見すれば、公表し、ドイツや欧州がこれを手伝ったなどと政治カードとするだろう)。


サダムが米英の保護下に完全に移行することを了承した、というなら、それは彼が死ぬ事を従容として覚悟したことを意味する(いずれ殺される事は確実なのだから)。それでは何のための取り引きなのだ。


地下要塞が発見されるか否か。あるいはメディアでそれがどう扱われるか、ここにかかっている。いや、実は発見済みだが、米英自分たちが地下基地を利用のため,公開しないのだ、いや、いずれ中東の軍事戦略基地にするため米英がサダムに90年前後これを作らせたのだ、などといいだすなら、その合作説はもはや妄想領域であり、合作説のための合作説ということになろう。


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