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04/16 16:43 標的と同盟国、明暗分ける シリア、ヨルダンの指導者 共同
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投稿者 倉田佳典 日時 2003 年 4 月 16 日 18:23:19:eahs5MlcSyO0.

04/16 16:43 標的と同盟国、明暗分ける シリア、ヨルダンの指導者

 【アンマン16日共同=近藤順夫】イラク戦争をめぐり、シリア
のアサド大統領(37)はイラクを支持、ヨルダンのアブドラ国王
(41)は対米協調路線を選んだ。ともにイラクの隣国でありなが
ら、米国の「標的」となったシリアと「同盟国」となったヨルダン
。「若き指導者の決断」(外交筋)が明暗を分けたといえる。
 アサド大統領は二○○○年七月、父親ハフェズ・アサド大統領の
死去に伴い、中東最年少の指導者となった。しかし、イラク支持で
シリアはテロ支援国家掃討作戦を進める米国の「次の標的」に浮上
。イラク指導部の国外逃亡支援や化学兵器保有の疑いがかけられて
いる。
 イラクを支持した理由については諸説あるが、シリアのシャラ外
相は「戦争ではイラクが勝つ」と言明。こうした分析が大統領の決
断に影響を与えたとの指摘もあれば「父親譲りのアラブ強硬派の意
地を示した」(アラブ筋)との見方も。
 外交筋は「シリアは歴史的にフランスやロシアと近い。国連安全
保障理事会でも反戦でこの二カ国と連携。アサド大統領は国際世論
が反米に流れると読んだ」と語る。
 一九九九年二月にフセイン国王の死去に伴い即位したアブドラ国
王は「ヨルダン・ファースト」(ヨルダンの国益最優先)を行動指
針とし「開戦前からイラクの早期敗北を予想」(アラブ筋)。米特
殊部隊の国内駐留を認めるなど、米英寄りの姿勢を鮮明にしている

 「父親の轍(てつ)は踏まない」。外交筋によると、これがアブ
ドラ国王の決意だった。一九九一年の湾岸戦争で、故フセイン国王
はパレスチナ問題の解決を訴えたイラクを支持。欧米や湾岸産油国
からの援助が途絶え、経済が悪化した。国際的にも孤立した苦い経
験が、国王の脳裏から離れないという。
 逆に、湾岸戦争で、故ハフェズ・アサド大統領は、イラクのフセ
イン大統領との個人的な確執もあり、米主導の多国籍軍にシリア軍
を派遣した。
 その意味で、二人の息子たちは、今回のイラク戦争でそれぞれ父
親と正反対の対応を示したことになる。
 ただ、米国の「敵視」で窮地に立つアサド大統領とは対照的に「
勝ち馬」に乗ったアブドラ国王も、安泰というわけではない。
 国民の約七割をパレスチナ系が占めるヨルダンの世論はイラク支
持。政府の親米路線に強い反感がある。六月に実施が予定されてい
るヨルダン総選挙でも、国民の反米機運に後押しされたイスラム勢
力が大躍進すれば、国内が不安定化し、王制が揺らぐ可能性がある

(了)
[2003-04-16-16:43]
nifty共同通信ニュース速報

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