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04/16 16:43 標的と同盟国、明暗分ける シリア、ヨルダンの指導者
【アンマン16日共同=近藤順夫】イラク戦争をめぐり、シリア
のアサド大統領(37)はイラクを支持、ヨルダンのアブドラ国王
(41)は対米協調路線を選んだ。ともにイラクの隣国でありなが
ら、米国の「標的」となったシリアと「同盟国」となったヨルダン
。「若き指導者の決断」(外交筋)が明暗を分けたといえる。
アサド大統領は二○○○年七月、父親ハフェズ・アサド大統領の
死去に伴い、中東最年少の指導者となった。しかし、イラク支持で
シリアはテロ支援国家掃討作戦を進める米国の「次の標的」に浮上
。イラク指導部の国外逃亡支援や化学兵器保有の疑いがかけられて
いる。
イラクを支持した理由については諸説あるが、シリアのシャラ外
相は「戦争ではイラクが勝つ」と言明。こうした分析が大統領の決
断に影響を与えたとの指摘もあれば「父親譲りのアラブ強硬派の意
地を示した」(アラブ筋)との見方も。
外交筋は「シリアは歴史的にフランスやロシアと近い。国連安全
保障理事会でも反戦でこの二カ国と連携。アサド大統領は国際世論
が反米に流れると読んだ」と語る。
一九九九年二月にフセイン国王の死去に伴い即位したアブドラ国
王は「ヨルダン・ファースト」(ヨルダンの国益最優先)を行動指
針とし「開戦前からイラクの早期敗北を予想」(アラブ筋)。米特
殊部隊の国内駐留を認めるなど、米英寄りの姿勢を鮮明にしている
。
「父親の轍(てつ)は踏まない」。外交筋によると、これがアブ
ドラ国王の決意だった。一九九一年の湾岸戦争で、故フセイン国王
はパレスチナ問題の解決を訴えたイラクを支持。欧米や湾岸産油国
からの援助が途絶え、経済が悪化した。国際的にも孤立した苦い経
験が、国王の脳裏から離れないという。
逆に、湾岸戦争で、故ハフェズ・アサド大統領は、イラクのフセ
イン大統領との個人的な確執もあり、米主導の多国籍軍にシリア軍
を派遣した。
その意味で、二人の息子たちは、今回のイラク戦争でそれぞれ父
親と正反対の対応を示したことになる。
ただ、米国の「敵視」で窮地に立つアサド大統領とは対照的に「
勝ち馬」に乗ったアブドラ国王も、安泰というわけではない。
国民の約七割をパレスチナ系が占めるヨルダンの世論はイラク支
持。政府の親米路線に強い反感がある。六月に実施が予定されてい
るヨルダン総選挙でも、国民の反米機運に後押しされたイスラム勢
力が大躍進すれば、国内が不安定化し、王制が揺らぐ可能性がある
。
(了)
[2003-04-16-16:43]
nifty共同通信ニュース速報