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そして大量破壊兵器は?
これは戦争の目的だった。まだ誰もそれを見つけていない。
ジャン=ドミニク・メルシェ記
2003年4月10日 木曜日
これが戦争のモチーフだったのに、今のところ、米英同盟軍はいかなる大量破壊兵器も手に入れていない。イラク政府は、最終的な防禦に追い込まれても、それを一切使用しなかった。「もし米国が禁止兵器を手に入れるのに失敗したら、すでに外国人の間にかなり広がっている戦争の動機に関する疑惑をさらに補強するであろう」と、火曜日、アメリカの新保守主義の中心に近い新聞であるウォールストリート・ジャーナルは認めた。昨日、国連の査察団長ハンス・ブリクスは「それを見つけるかどうか本当に知りたいものだ」と、スペインの日刊紙エル・パイスのインタビューで語った。
地上では、特別部隊のスタッフが、検査資料と移動実験室を用意して、いつでも仕事に取りかかれる体制をとっているが、今のところ成功していない。ただし何度も緊急情報は与えられた。こうした情報として、第101空挺機動部隊の米兵士が、日曜日、化学工場に隣接する軍のキャンプの中で酒樽を発見している。検査は矛盾した結果をもたらした。神経性有毒ガスVXなのかただの農薬なのかである。補足的な分析が行なわれている。翌日、米軍はナジャフ地域でマスタードガスに汚染されたと疑われる5つのケースを追いかけた。------------しかし誤報だった。
それに代わって、化学兵器や生物兵器について詳しく説明しているテロリストのマニュアルが、アンサール・アル・イスラムのキャンプで、ドイツの週刊誌ステルスの記者によって発見された。このキャンプはイランとの国境、イラクのクルド人地区に位置し、アルカイダの組織に近いイスラム急進派によって占拠されていた所である。彼らとサダム政権との結びつきは決して証明されていない。週刊誌が引用した参考資料によれば、死に至らせるような実験が動物と、また人間に対しても行なわれ、ホスゲンと亜砒酸水素をベースにしたガス状混合物が使われた。それに対して、マスタードガスと神経性ガスVXの製造の試みは失敗したはずである。
もし彼らが化学または生物兵器を見つけ出すならば、アメリカはそれを知らせるに当たって真の問題にぶち当たることになる。つまり、それが後から戦争を正当化するために《でっち上げた》証拠ではないことを、どうやって証明するのだろうか。査察団がイラクに呼び戻されるだろう。「すべての発見は、必要な条件を満たす信憑性を付与するために、国連の組織によって事実と確認されねばならない」と、昨日、国際原子力機関のモハムド・エルバラダイ事務局長は示唆した。
http://www.liberation.fr/page.php?Article=102624