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April 10,2003
バグダッド市民たちが、手をふり、アメリカ国旗をふりながらアメリカ兵たちを迎える映像がくり返し流されている。銅像も倒された。むろん、独裁者の銅像が倒されるのは喜ばしいことだが、そうした映像はメディア戦略として流されているとしか思えない。
アフガニスタンでは、庶民たちは、タリバンの旗と、北部同盟の旗を、両方、隠し持っていて、その時、その時、勝者としてやってきた側の旗をふっていたそうだ。それが庶民の知恵だと、ぼくは思う。
500万人が暮らしているバグダッドで、あの広場や、大通りで手をふっている人たちは、わずか数百人程度だという。1パーセントで5万人だから、広場に集まっているのは、0.0何パーセントの人たちにすぎない。
その、0.0何パーセントの、ごく一握りの人たちを見て、イラクの大多数がアメリカを歓迎していると思いこむのは、愚かな早とちりだろう。映像の背景は、がらがらだ。通りは人影もまばらで、閑散としているではないか。メディア戦略に踊らされないほうがいい。
それに、イラク人がどうしてアメリカ国旗を入手したのだろう。監視の厳しいフセイン政権下で、敵国アメリカの小旗などが、普通の店で売られていたとは思えない。アメリカの諜報部隊は、すでに開戦前から、バグダッドに潜入して工作活動を始めていたことも忘れないほうがいい。
むろん、独裁が終わったこと、戦争が終わったことは跳び上がるほどうれしいにちがいない。あの1945年8月15日、戦争が終わったことが、ただひたすらうれしかったという父母や、祖父母たちの思い出を、みんな聞いたことがあるはずだ。
これから先、アメリカ軍に協力するイラク人たちは、たくさん現れてくるだろう。チョコレートを欲しがるように、おこぼれや、利権にありつこうとして。どの国にも、いつの時代にも、そのような人たちはいる。
では普通の人たちは、いまどうしているのか。爆撃のさ中もそうしていたように、家の中でひっそりと身を寄せあっているはずだ。イラクの家々に、いま、悲嘆の声が満ち満ちているだろう。両手を失った少年の母が泣いているにちがいない。全身火傷を負った少女の父が、身をふるわせているにちがいない。