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【キルクーク(イラク北部)藤生竹志】イラク北部のクルド人勢力は10日、米軍の支援を受けて、北部油田地帯の主要都市キルクークを制圧した。モスル陥落も時間の問題とされ、クルド人支配地域のアルビルなどから約30万人のクルド人がキルクークへ移動を始めたとの情報もある。トルコはクルド人勢力のキルクークなどへの進出をけん制してきただけに、双方の緊張が高まっている。米政府は同日、「米軍がキルクークを統治する」と述べ、クルド人のキルクーク支配には反対する意向を明確にした。
各種情報によると、クルド人勢力はクルド愛国同盟(PUK)と、クルド民主党(KDP)双方の旗を掲げているが、PUKが主体とみられる。KDPのスポークスマンは「クルド兵は米特殊部隊とともに市内へ入った。兵士らは市内を問題なく歩き回っているようだ」と語った。
未確認情報によると、クルド住民が数千台のバスや車を連ねてアルビルからキルクークへ向かいつつあり、その途中では、キルクーク陥落の情報を聞いたクルド人たちが歌い、踊っているという。スレイマニヤからもクルド人が流入し、イラク軍が撤収したキルクークの政府施設などで略奪しているという。
キルクークはバグダッドや南部のバスラに次ぐ主要都市で、クルド人のほかトルクメン人、アラブ人など多様な民族が住んでいる。石油資源が豊富なこともあり、フセイン政権は「アラブ化政策」を推進、多くのクルド人を追放したが、クルド側は自治確立後の「首都」と位置付けていた。
一方、トルコはクルド人がキルクークやモスルを制すれば、石油収入を得て独立機運を強めるのは必至とみて、両市への進軍自制を呼び掛けていた。トルコ政府高官は10日、AFP通信に対し、クルド人がキルクークを恒久的に支配することは容認できないと語った。
トルコがイラク領内に駐留させる兵力は約2万人とされ、石油利権を抱えたキルクーク、モスルへのクルド人の移動に対して、トルコが軍事的に対応する可能性も指摘されている。
一方、米軍は同日、フセイン大統領の故郷ティクリート攻略作戦を続けたが、イラク指導部の行方は依然分かっていない。米軍スポークスマンは10日、ティクリート攻略作戦について、イラクの共和国防衛隊がティクリートやモスルに兵力を集結させており、引き続き激しい戦闘が起きるとの見通しを示した。
[毎日新聞4月11日] ( 2003-04-11-01:40 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030411k0000m030146000c.html