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今日発売された『ニューズウイーク日本版4・16』のなかに、イラク侵略戦争の「戦後」を予測した記事がある。
戦闘で勝利し一時的に占領支配が確立させたとしても、米英はイラクから放逐されると書いてきた。
そして、その戦いは、現在のアフガニスタンのようにイラク(アラブ)人同士の殺し合いを含む悲劇的なものになると考えている。
簡単に言えば、シャッポがフセイン氏から米英に変わった現イラク軍事機構構成員とムスリム戦士の戦いになる可能性が高いと思っている。
南部シーア派などが、フセイン政権よりも強力な米英を後ろ盾とした“新フセイン軍事機構”から「テロ組織」として狩られることになるという悪夢である。
だからこそ、アラブ諸国及びイラク(アラブ)人は、一丸となって米英侵略軍と戦い、そのようなふざけた事態が生み出されないよう、米英軍をこの「イラク侵略戦争」の段階で撃退しなければならないのである。
米英侵略軍はとんでもない思い違いを前提に作戦を立案しているから、それが十分可能である。
これについては、末尾に添付する参照書き込みリストを参照して欲しい。
『「戦後」に訪れるテロの嵐』 P.29
− イスラム世界:アメリカがイラク戦争で勝利を収めてもアラブ人から憎悪が消えない限り反米テロも続く −
『<前略>
アメリカ人の関心は、米兵に迫る危険や苦難に集まっている。だがアメリカ人がテレビで見る戦争と、アメリカ人以外で目にする戦争はまるで別ものだ。
アメリカのテレビ局が流すのは「勝利」の映像だが、アラブ系テレビが映し出すのは犠牲者。それも子供の犠牲者で、手足を失った子供など悲惨な映像が流される。
そのために善意までもが、そうはみえなくなっている。「米兵が子供にキャンディーをあげている場面を見ると、屈辱的な気分になる」と、ヨルダンに住むハラフ・ハッダディンは言う。「イラクの人々は(クッキーなど)いらない。彼らが望むのは、子供たちを殺すのをやめることだ」
イラク侵攻が中東の安定化と民主化をもたらすというブッシュ政権の話を信じるアメリカ人もいるだろう。だがイスラム世界では、誰もそんな話を信じていない。イスラム指導者は自爆テロ攻撃を呼びかけ、過激派も戦争に対する怒りを利用しようとする。
レバノンの過激派組織ヒズボラの精神的指導者モハマド・フセイン・ファドララーは、「この戦争はイスラム世界を反米で団結させた」と、本誌に語った。「(米軍による)大量殺戮や占領がさらに続けば、テロの波を止めることは誰にもできなくなるだろう」
親米派のイスラム指導者も、心穏やかではない。「こんなことはもう過去の話だと思っていた」と、ヨルダンのある当局者は言う。
「67年も73年も82年のときも、私の世代は戦争の話をして育った。だが、今の子供たちにはその必要はないと思っていた。それなのにあなたがたは、またやってしまった。アラブの新しい世代の心を踏みにじってしまったのだ」
この怒りは、大きな禍根を残すだろうか。
ブッシュ政権は、イラク戦争をアメリカの「善意」の象徴にしたいと考えている。だがアラブ側からすれば、それは歴史の教訓を無視した考えだ。
イラクの人々は、イギリスが占領・統治していた1916〜21年の時代を苦々しく思っている。イスラエルのパレスチナ占拠も、大半のイスラム教徒は受け入れていないし、許してもいない。
「小さな子供が撃たれるのを見ると、じっとしていられなくなる」と、ヨルダンのキリスト教学校に通う9歳の女の子ヤラは言う。「この戦争に(イラクが)勝ってほしいと心から思うし、彼らを助けてあげるべきだと思う」
ではヤラは、アメリカ人についてはどう思っているのか。「よその国に来て、大事なものを取っていくなんてひどい。人々を力で怖がらさせて、他の国の偉い人に『味方になります』と言わせる。そして、自分の思いどおりにする」
戦争が早く終われば、1年後にはすべて忘れてしまうのではないのか。「心に刻まれたことは忘れない」と、彼女の級友で10歳のニビンは言う。
イスラム世界の親米派は、非難にさらされている。過激派の聖職者たちは、パキスタンのパリベズ・ムシャラフ大統領に対する大規模なデモを組織している。ヨルダンのアブドラ・ビン・フセイン国王は先週、自国の領土をイラク攻撃に使わせることはないと再度表明しなければならなかった。
エジプトのホスニ・ムバラク大統領は、暗い時代の到来を警告する。「この戦争が終わったら、もし終わったらだが、恐ろしい結果が生じる」と、ムバラクは先週、兵士の前で言った。「この戦争は100人の新たなウサマ・ビンラディンを生むだろう」
今回の戦争は、一つの政権がもたらす脅威に終止符を打つために始められた。だが戦争が終わる日は、イスラム世界の子供たちの憎悪が消えるまで来ないだろう。
』
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※ 参照書き込みリスト
『イスラーム通貨構想ではなく利息取得の“罪悪”を説くことがイスラムの使命』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/757.html )
『日本やドイツで成功した占領政策が通用せず、勝利できない戦争に足を突っ込むのは愚か − 米国に勝手にやらせればいい −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/405.html )
『産油国の「近代化」には失敗し、ブッシュ政権には“悪の烙印”が押され、「近代」は終焉に向かいます』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/375.html )
『【国際情勢を考える手掛かり】 {(近代産業主義 Vs. 近代金融主義) Vs. (イスラム近代派 Vs. イスラム利権派)}という対立図式 − 日本が立っている歴史的岐路 −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/632.html )
『【国際情勢を見る手掛かり】 世界の対立構図は今後どのように変容するのか』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/638.html )