現在地 HOME > 掲示板 > 戦争31 > 389.html ★阿修羅♪ |
|
今日発売された『ニューズウイーク日本版4・16』のなかに、イラク侵略戦争をめぐる欧州メディアの報道状況を扱った特集記事がある。
日本のアホ丸だしメディアやわずか60年足らず前に米軍から受けた仕打ちを忘れがちな日本人との対比という意味で紹介する。
(日本のメディアは、米国“大本営発表”を垂れ流すだけではなく、欧州事情などもきちんと報じて欲しい。そうしないと、米英ともども日本も世界の“孤児”になってしまう)
「欧州メディアは怒りの反米報道」 P.30
− マスコミ:「ブッシュ帝国」への反発は強まるばかり アメリカ発の情報も誰も信じなくなってきた −
『
開戦から14日目、スペインの新聞には恐ろしげな見出しが並んだ。
「増える民間人の犠牲」−マドリードのABC紙
「女性と子供の死者多数」−マドリードのパイス紙
「連日続くイラクの虐殺」−バルセロナのペリオディコ紙
マドリードの国営テレビ局TVEで夜のニュースの準備を進めるジャーナリストの何人かは、反戦バッジをつけていた。労働組合が掲げた「戦争反対」の横断幕も見える。イラク戦争を支持する政府の傘下にある国営テレビでも、こんな具合だ。
<中略>
アメリカからみて、戦局は一気に好転しつつある。それでも、米政府と米軍が支持と信頼を失ったという事実は消えない。
<中略>
その結果、ヨーロッパでは「怒りの報道」に火がついた。ドイツの有力誌シュピーゲルは、ドレスデンに対する第2次世界大戦のじゅうたん爆撃とイラク空爆を比較する特集記事を掲載。ギリシャのエレフエテロティピア紙は、「連続殺人鬼」という見出しを1面に掲載した。
<中略>
ベトナム戦争当時、信頼性に欠ける米国防総省の記者会見は「5時の茶番劇」と呼ばれ、人々の間に根深い不信感を植えつけた。それを米政府と米軍が払拭するまでに、数十年の時間を要した。
しかし今、アメリカは振り出しに戻ってしまったのかもしれない。
「人々は何を信じていいのかわからなくなっている」と、スペインのムンド紙のコラムニスト、フェリペ・サアダンは言う。「わかっているのは、アメリカは信用できないということだけだ」
こうした欧州メディアの報道姿勢は、すでに深刻なレベルに達していた反米感情に拍車をかけ、ジョージ・W・ブッシュ大統領の動機と知性、能力に対する人々の疑念を強めている。
同時に、過去の古傷もうずきだしている。たとえばギリシャ人は、米政府が数十年前に抑圧的な軍事政権を支援したときの記憶をよみがえらせた。
映画監督のニコス・クンドゥロスは先週、テレビのトークショーでこう断言した。「アメリカ人は野獣だ。アメリカ人の精神年齢が13歳で止まっていることは統計的に証明されている」
ヨーロッパの人々が態度を硬化させているのは明らかだ。しかも、この現象は一時的なものではない可能性がある。先週、ルモンド紙が実施した世論調査によると、フランス国民の3分の1はアメリカではなくサダム・フセインの勝利を望んでいる。
ことによると、西ヨーロッパの主要国で最も反米的な傾向が強いのはスペインだ。エルカノ王立研究所の調査によると、スペイン国民の57%は、アメリカの価値観や思想、習慣が広まるのは世界にとって有害だと考えている。
<中略>
アメリカの力がどれほど強大でも、この世論の流れはどうしようもないものだ。従軍取材を許可する外国人記者を増やしても、イラク国内で行なっている大規模な人道支援を宣伝しても焼け石に水だ。
実際、米政府はフランスやドイツなどの世論を変えるのを「断念した」と、ヨーロッパ駐在のある有力な米外交筋は述べている。代わって「友好国に力を入れる」そうだが、この外交筋によると、スペインも友好国の一つらしい。
<中略>
ホセ・マリア・アスナール首相が、強固なアメリカ支持を打ち出したせいで苦しい立場に追い込まれているからだ。
現にスペインでは先週、米政府の「支援」のおかけで戦争反対派が90%を超え、過去最高を記録した。米政府にとっては、どう考えても望ましい状況とはいえない。
』