現在地 HOME > 掲示板
> 戦争３１ > 141.html
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
> 戦争３１ > 141.html
★阿修羅♪
|
|
政府は、７日の米軍によるバグダッド中心部への進攻で、イラク戦争が最終局面に近づきつつあると見て、戦争終了後のイラク復興支援策の具体的検討を急ぐ方針だ。政府は復興支援に自衛隊を活用するための「イラク復興支援法案」（仮称）の今国会提出を検討しているが、戦後の統治形態や治安の状態などが不明確なため、結論を早急に出すのは難しい情勢だ。
■見えない「戦後」■
小泉首相は７日夜、イラクの戦後復興の進め方について、「日本としては米英が国際協調体制をとれるように行くべきだという方向を伝えている」と記者団に強調した。ただ、どの時点から「戦後」が始まるか問われると、首相はにわかに歯切れが悪くなった。
「どういうふうに終わるのかね。終わりを見てみないと。フセイン政権が降伏しないと武装解除できないでしょう」
復興支援について、政府は資金・物資協力に加え、自衛隊派遣を中心とした人的協力を検討している。しかし、国連平和維持活動（ＰＫＯ）協力法に基づくなら停戦合意を必要とするなど、現行法では制約が多いうえに、戦争終了後の統治形態にも左右される。
たとえば、戦闘終了後の初期段階は米英軍主導となると見られ、「戦争を行っている当事者への支援は、憲法の禁じる『武力行使』と一体化すると見なされる」（政府筋）との判断から、自衛隊の派遣は困難だ。
その後、イラク人主体の「暫定政権」に移行する見通しだが、暫定政権への支援も、停戦状態であることが明確であることが必要。政府が検討するイラク復興支援法案も、武力行使との「一体化」の観点で戦争終結が前提となる点はＰＫＯ協力法と同様だ。
「復興に関する国連決議が採択されれば、それを根拠に戦争終結とみなし、自衛隊派遣が可能になる」（政府筋）として、政府が国連決議の採択に全力を注ぐのも、こうした事情があるためだ。
ただ、戦後復興の構想は、米政府内でも一致しているとは言えない状態だ。ウォルフォウィッツ米国防副長官は「暫定政権の発足には約半年かかる」と語っている。仮に復興支援法が成立し、自衛隊の派遣が可能になったとしても、米英軍主体の段階が長引けば、自衛隊による支援は困難と見られている。
７日、防衛庁でクラウチ米国防次官補と会談した石破防衛長官も「イラクの復旧・復興段階で何をなし得るか、あらゆる角度から検討中だ」と述べるのが精いっぱいだった。
■結局は「新法」■
外務省は７日、高橋文明イラク復興支援調整担当大使を座長とする「イラク復旧・復興タスクフォース（作業部会）」を発足させた。具体的な復興支援策を検討すると同時に、復興支援に自衛隊派遣を可能とするイラク復興支援法案の策定作業にもあたる予定だ。
政府が検討している復興支援策は、〈１〉イラクと周辺国への経済的支援〈２〉道路や橋などの補修、地雷処理などの民政・復興支援〈３〉被災民救援や医療などの人道支援〈４〉国際機関が行う大量破壊兵器処理への協力〈５〉機雷掃海――の５項目からなる。内閣官房で作成したもので、文書の形で７日までに与党側に提示した。
この文書のポイントは、「現行法上、可能」なのは、イラク新体制が確立した時点でしか実施できない政府開発援助（ＯＤＡ）や、国際機関や民間活動団体（ＮＧＯ）への資金協力といった「カネの協力」がほとんどだという点だ。人的貢献の項目は「新規立法が必要」の文字が並ぶ。
外務省幹部は、この文書の意味を説明する。
「首相の指示なので可能な限り現行法で検討するが、人的貢献も必要だ、そのためには危険なところに民間人を出すわけにいかない、自衛隊を活用すべきだ……という議論に必ずなる。その時点でやはり新法が必要だとなってくる」
明石康・元国連事務次長は「当面のイラク支援とは別に、今後、日本人が現地に行って汗をかくタイプの国際貢献活動として一般立法を考えていく必要がある」と指摘する。
(2003/4/8/02:08 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20030407ia27.htm
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。