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イラク報道では超反動極悪新聞(ゴミ新聞)の読売に比べて、まだ救いになるのが「毎日」。マスコミの腐敗振りは海外メディアも含めて目をおおいたくなるほどの現状に、さすがに報道のありかたが問う声もあるのだろう。
以下、古臭くなりますが、昨日の毎日のオンラインを引用します。
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http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/today/index.html
2003-04-14
■イラク戦争報道に視聴者の厳しい目 「第3の情報源」ネットも台頭
過剰アクセスによって見られない状態が続いていたアルジャジーラの英語サイト
イラク情勢をめぐる報道は情報戦の色彩が強い。真実はどこにあるのか。各局とも多様な映像を駆使して「中立公平」な報道づくりに苦心しているが、視聴者の目も12年前の湾岸戦争時と比べ格段に厳しくなっている。背景には、インターネットによる情報網の発達がある。(中島みゆき、荻野祥三)
■■大手マスコミに不信抱く人々が増加
米英軍によるイラク攻撃が始まった3月20日、NHKには視聴者から5991件の電話があった。7〜8割が「おしん」の放送日変更など番組変更に関する問い合わせだったが、武力行使についても「賛否両論の意見があった」という。この日を境に、インターネットの掲示板やメーリングリスト(ML)にも、テレビ報道に関する書き込みや投稿が増えている。
「報道は映像のフレーミングも含めて編集されてから届く。その結果、複数の『事実』が生まれる。『真実』は人為的に作られていく場合もあるということに、もっと注意をはらわねばならない」。あるMLに投げ込まれたメッセージだ。
「ニュースは戦局情報がほとんど。戦車や砲撃場面ばかりでうんざり」「川口順子外相が自身の空襲体験を語っていたが、攻撃を支持しながら人間味のある発言をしたところで、だまされない」など、報道内容に関する指摘も相次いでいる。
そうした書き込みの背景にあるのは、インターネットの普及によって、テレビ報道を「情報源の一つ」として見るようになった人や、受け手の立場に合わないニュースを流す「大手メディア」に不信を抱いてパソコンに向かう人が増えていることが挙げられる。
中東カタールの衛星テレビネットワーク「アルジャジーラ」には、開戦以来アクセスが急増している。英語サイトも、先月24日に開設されたが、過剰アクセスによって約1週間にわたって見られない状態が続いた。
日本語で見られるものでは、インターネット新聞「日刊ベリタ」や、インターネットメディア「ホットワイアード」日本版などに、独自の視点によるニュースが掲載されている。また、NGOの日本国際ボランティアセンター、オックスファムなどのホームページでも、難民キャンプの様子などが伝えられている。
このほか、反戦デモ「ワールド・ピース・ナウ」実行委員会のホームページの情報コーナーには、イラクで取材してきたフリージャーナリスト、久保田弘信さんの日記や、米国や英国の市民がイラクの民間人の死者を集計している「イラクボディーカウント」、元大量破壊兵器査察官による「米国は負ける」との分析など、さまざまなサイトに入っていけるようリンクが張られている。
■■「真実」求め積極的な参加
NHKの海老沢勝二会長は3日、イラク報道について「一部分だけを見て論評されるのはいかがなものか。1日24時間、まとまったところで判断してほしい」と述べた。テレビに対する視聴者の目も厳しくなった。
情報戦の中では、何が真実か即座には判断しづらい。ネット上には不確かな情報やプロパガンダも多い。しかし、時空を超えてリアルタイムに情報を伝えるネットは、「第3のメディア」として着実に力をつけている。視点を共有する者同士の情報交換や連携も広がっている。イラク攻撃を機に、見る側が積極的に情報を集め、判断し、オーダーメードの「真実」を組み立てる努力が、定着しようとしている。
■■「歴史の流れや文明論からの論議を」拓殖大学教授・重村智計さん
長期化する報道の中で、これからどんな視点が必要なのか。重村智計拓殖大学教授(国際政治)に聞いた。
国際政治的に戦争は最後の手段で、良くないことは明白。そうならないために指導者や外交官がいるのだから、戦争になったこと自体が彼らの失敗である。この戦争について、「どちらが正しいか」という議論をしがちだが、どちらにも正義はない。しかしそれぞれの立場と状況はあり、それを理解してほしい。
米軍の空爆で死亡したアルジャジーラ記者の所属するヨルダンタイムズ社の庭での抗議集会では「ジャーナリストの死」を象徴するテレビカメラが運ばれた=アンマンで4月9日
米国は、独立戦争以来、第一次、第二次大戦、朝鮮戦争、湾岸戦争など、ベトナム戦争以外はすべて勝利し、歴史が変わっている。国民には、「正義の戦争」を戦ったという自負心がある。米国は、「戦争は悪としても、やらなければいけない時がある」という考え方の国だ。イラクをはじめ中東の人たちには、サダム・フセインは嫌いだが、米国も嫌だという感情があった。
一方、日本やヨーロッパでは多くの戦争は指導者の野心と誤りによって起こされたとの教訓がある。この歴史認識が異なるのだ。
この戦争後に、歴史の大きな流れがどこに向かうのかを考えてほしい。米国が勝利するだろうが、その後の中東がどうなるか。米国経済は回復するのか、低迷するか。それらによって世界がますます一極集中構造になるか、多極化するのか。そこでどういう立場を取るかで日本の将来が決まる。国民とメディアが「戦争反対」と言うのは当然だが、同時に冷静な目で歴史の行方を見据えることが重要だ。
政府は米国支持の理由として、「北朝鮮の脅威」をあげた。しかし、必ずしも、「北朝鮮の攻撃は日米安保条約の対象となる」とは明言してこなかった。北朝鮮に気兼ねしたのか。米国を信用出来なかったのだろうか。説明してほしい。
戦争報道では双方の情報が食い違う。戦時中の検証は困難で、「すぐには信用しない」と考えるしかない。テレビのイラク戦争報道は、そうした制約の中では、相当考えてやっている。しかし、個々の戦闘や兵器の解説だけでなく、歴史の流れや文明論の視点からの論議がもっと必要だろう。
【関連サイト】
[アルジャジーラ]
http://www.aljazeera.net/
[アルジャジーラ:英語サイト]
http://english.aljazeera.net/
[日刊ベリタ]
http://www.nikkanberita.com/
[ホットワイアード:日本語版]
http://www.hotwired.co.jp/
[日本国際ボランティアセンター]
http://www1.jca.apc.org/jvc/
[オックスファム]
http://www.oxfam.org/japan
[ワールド・ピース・ナウ]
http://www.worldpeacenow.jp