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今日の主要メディアの「ティクリート侵攻報道」を読み、今回の「イラク侵略戦争報道」全体を覆う霧を見た気持ちになった。
『【「イラク侵略戦争」のこれまで】 「ブッシュ−フセイン合作」の“戦争劇”は終わった − その1 −』( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/865.html − その2 −はレス形態)を書き込んだのは4月12日未明だが、イラク政権と米英侵略軍という対立構図での戦争は、フセイン政権中枢が「敵前逃亡」した時点(4・10頃)で終わったことになる。
米侵略軍特殊部隊がクルド人一部勢力を傭兵化して連れ歩いたイラク北部地域は、アルカイダとのつながりを安保理(2・5)でパウエル国務長官が声高に叫んだアンサール・イスラムの掃討作戦以外、地上戦はほとんど行なわれていない。
居住地域空爆も、アンサール・イスラムの影響地域とアルジャジーラが映像を流したある町には激しく行なわれたが、主要都市については規模が不明というものである。
(モスルやキルクークの街は、最近流された映像で空爆被害は映し出されていない。ティリートの街は、最近の映像そのものが流れていない)
二つの猛空爆を除けば、クルド人一部勢力やBBC通訳など18名が死んだとされる“誤爆”が際立つ空爆である。
南部のバスラやアシリアそしてナジャフは、激しい地上戦と激しい空爆が映像でも流れたことと比較すると、北部は総じて“穏やかな”戦争だったことになる。
言葉は悪いが、米侵略軍特殊部隊がクルド人一部勢力を傭兵化して連れ歩いていたイラク北部地域の映像を見ている限り、“ピクニック”なのである。
報道もされていたが、米侵略軍特殊部隊がクルド人一部勢力が南方向に進めば、イラク側も南方向に後退するというかたちになり、戦線が確立されないまま推移していったのが北部地域である。
フセイン政権と米英政権という対立構図であった「イラク侵略戦争初期」がどういう性格のものであったかを検証する手段として、イラク全土の主要都市の空爆被害状況やイラク側の戦力配置状況が重要な情報だと思われる。
「イラク侵略戦争初期」は、そう広く考えられていると思われるフセイン政権 Vs. 米英という戦いではなく、米英侵略軍 Vs. 南部シーア派の「イラク南部虐殺戦争」と呼べるものだと思っている。
『ブッシュ−フセイン合作戦争劇』であるかどうかにこだわるのは、それが、今後進行するイラク情勢を読み解くキーになると考えるからである。
バグダッドやバスラでは、フセイン政権の警察機構が米英侵略軍とタイアップするかたちで“復活”している。
また、秘密警察の膨大な個人情報ファイルが残されていたという報道もされている。
米国政権は、開戦前からイラク新国軍の創設をうたっている。その新国軍がモスルで組織的に投降した第5軍を中核にして編成される可能性もある。
そして、より重要なことは、英米侵略軍に立ち向かう勢力が「フセイン支持者の残党」という呼び方で虐殺される事態が続く可能性である。
フセイン派は米英侵略者の“雇われ人”になる一方で、反フセイン&反侵略者の勢力が、「フセイン支持者の残党」として扱われて狩られ、世界が“フセインの残党はやっつけても当然だ”とそれを許容するというとんでもない状況になる恐れが強いのである。
その状況は、米英侵略者に雇われたフセイン派が、「フセイン支持者の残党」とレッテルを貼られた反フセイン&反侵略者の勢力を殺したり拘束するというものでもある。
最後に残された牙城ティリートは、昨日投稿した『“究極の牙城”ティクリートには「共和国防衛隊」の影も形もなかった [CNNニュース]』( http://www.asyura.com/0304/war31/msg/1015.html )の状況であったにも関わらず、添付したような戦況報道が行なわれている。
今日の昼頃放送された「CNNニュース」は、昨日ティリート入りしたCNN記者の取材レポートと米海兵隊に“埋め込み”のカナダメディアの記者のレポートを伝えた。
CNN記者は、ティクリートの防衛態勢や戦闘車両の状況を中心に映像付きで次のように説明した。
● ティクリートの周囲には戦車部隊を中心とした強固な防御態勢が敷かれていた
盛り土で三方を囲まれた臨戦態勢の戦車の画像が流れた。
● 錆びが出た戦車の残骸の映像
いつ頃破壊されたものなのだろうかと思わせる車体に錆びが出ている戦車の残骸(2台)が流れた。
● 戦車数十輛が整然と並んでいる映像
野ざらしの状態で画面いっぱいに戦車数十輛が整然と並んでいる映像が流れた。
● 空爆を受けた保管建物らしき場所に戦闘車輛が転がっている映像
格納庫のような建物が破壊され、そこにやはり数十台と見られる戦闘車輛が転がっている映像が流れた。
“埋め込み”のカナダメディアの記者は、「ティクリートには正規部隊や共和国防衛隊はいないが少数の抵抗勢力がいる。今日も、米軍による空爆が行なわれたが、標的がどういう性格のものであるかは言えない」とレポートした。
このような「CNNニュース」の報道を総合すると、ティクリートの共和国防衛隊や国軍はかたちだけの防衛態勢を整えたが、本格的な戦闘する気がそれほどなかったことが窺い知れる。
そして、重要な点は、カモフラージュもされていない戦闘配置状態の戦車や野ざらしで大量に並んでいる戦車がありながら、米軍から空爆されていないことである。
破壊された戦闘車両の映像は、錆びが出た戦車の残骸だから3月20日以降に破壊されたものとは考えられないものと3月20日以降に破壊された可能性もある格納庫にしまわれていた戦闘車両である。
(整然と並んだ野ざらしの戦車が無傷で、屋根付きの建物に置かれていた戦闘車両が破壊されたというのも妙な話である)
昨日から今日にかけて戦闘があったとしたら、ティクリートのなかの「フセイン派(米英受容)とフセイン派(米英排撃)の戦闘」や「フセイン派と反フセイン派(米英排撃)の戦闘」か、「米軍と米英排撃勢力の戦闘」といったものと推測される。
カナダの記者が、「米軍による空爆が行なわれたが、標的がどういう性格のものであるかは言えない」と説明しているのも、フセイン派 Vs. 米軍ではない可能性が高いことを示唆している。
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米軍、ティクリートに侵攻 [CNN]
2003.04.14
Web posted at: 14:04 JST
- CNN
(CNN) フランクス米中央軍司令官は13日、CNNに出演し、フセイン大統領の出身地ティクリートに米軍が侵攻したと述べた。司令官はティクリートを「支配下に置きたい最後の主要都市」と位置づけ、制圧には至っていないことを示した。
海兵隊第1遠征軍に同行しているカナダのナショナル・ポスト紙のマシュー・フィッシャー記者によると、海兵隊はコブラ攻撃ヘリコプターや装甲車250両でティクリート中心部に侵攻。イラク兵とは、約5〜10分間の銃撃の後に1時間近く沈黙すると言った散発的な戦闘を繰り返している。
フィッシャー記者によるとティクリート市内には、イラク国軍と共和国防衛隊の残存勢力と思われる兵約2500人が市内中央に集結しつつあり、海兵隊との大規模な市街戦に向けて準備を進めている模様だという。
http://www.cnn.co.jp/top/K2003041400794.html
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イラク戦争はまだ終わっていない=米中央軍司令官 [ロイター]
[アッサイリヤ米軍基地(カタール) 13日 ロイター] フランクス米中央軍司令官は、イラクの残存勢力による局地的な抵抗を制圧するまでは、イラク戦争は終結しないとの見方を示した。
カタールの米中央軍司令部で、米CNNテレビとのインタビューで述べたもの。
フランクス司令官は「準軍事的組織からフセイン大統領に忠誠を誓う民兵てい身隊のサダム・フェダイーンまで、残存勢力が局地的に抵抗をしている点を認識している」と言明。「イラク国内に外国人による戦闘組織が抵抗を続けていることも認識している」とし、「それらの勢力をすべて制圧したという感覚が得られるまでは、われわれは当初の軍事局面が完了し、イラク政権が完全に崩壊したと特徴づけることはないだろう」と述べた。
フランクス司令官は、バグダッドの北方の主要都市ティクリートに進攻した米軍が、同市内で抵抗を受けていないことも明らかにした。
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml?type=topnews&StoryID=2558029
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ティクリット市内に進撃=激しい砲声響く−米軍、イラク全域を制圧へ [時事通信]
【カイロ13日時事】米海兵隊部隊は13日、イラクの首都バグダッドの北方約170キロに位置するティクリット市内へ進撃した。AFP通信が現地の目撃者の話として伝えたところによると、激しい砲声がとどろいており、激戦になっているもようだ。フセイン政権の最後の根拠地であるティクリットが陥落すれば、米英軍はイラクのほぼ全域の制圧に成功することになる。
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米英軍はティクリートで交戦中、戦争は終わっていない−米軍司令官 [ブルームバーグ]
シドニー 4月14日(ブルームバーグ):米中央軍によると、米英軍は14 日、イラクのフセイン大統領の故郷ティクリートで交戦している。米中央軍司令官らは、イラクの平和を取り戻す前に行うべき作業があるとの見解を示している。
米CNN放送が従軍記者の情報として伝えたところによると、イラク主要都市で米英軍の最後の攻略目標となったティクリートでは、イラク兵約2500人が、ヘリで援護された米地上軍から攻撃を受けている。フランクス米中央軍司令官は 13日の米ABC放送の番組で、「フセイン政権の指揮下にいる兵は残っていない」と述べたうえで、「しかし、人道支援や法や秩序の必要性、イラク人に自治の機会を与える問題などを考えると、行うべき作業は多く残っている」との見解を示した。
フランクス司令官はまた、米英軍が依然、フセイン大統領に忠誠を誓う民兵や決死隊などから一部抵抗を受けていることを明らかにし、イラクには「最後まで」戦う決意の外国人もいると述べた。同司令官はさらに、全面的に制圧するまでは「軍事行動の初期の段階が完了し、フセイン政権が完全に消滅したとはみなさない」と言明した。
米英軍はイラク主要都市の法秩序の回復を目指しており、首都バグダッドと2位の都市バスラでは、略奪や不法行為に歯止めをかけるため、イラクの警察当局と合同で巡回を開始している。
ワシントン Roger Runningen 東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo
Last Updated: April 13, 2003 23:19 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=agfiY0uOsLmQ&refer=top_kaigai
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最後の拠点で戦闘続く [産経新聞]
フセイン大統領の出身地でイラク最後の拠点となったティクリートに入った米第1海兵師団は13日、市中心部に向けて進撃、共和国防衛隊の残存部隊とみられるイラク軍と交戦を続けた。ラムズフェルド米国防長官は「もう組織的な抵抗はない」と説明。イラク側の抵抗は散発的で、米軍の早期制圧は確実な情勢とみられる。
最後まで残されていたフセイン大統領の故郷を占拠すれば、米英軍はイラク全土を掌握。今後は首都バグダッドや一部の地域で散発的にゲリラ戦を展開するフセイン大統領派の部隊の鎮圧に全力を挙げる方針。
また、ブッシュ米大統領は13日、シリアがイラク政府幹部の逃亡先になっているだけでなく、大量破壊兵器の開発を継続しているとして、強く批判した。
米CNNテレビがティクリートに入った海兵隊に従軍しているカナダ紙記者の話として伝えたところによると、攻撃ヘリコプターなどが空から攻撃を加え、約250両の海兵隊戦闘車両が市内に進撃した。共和国防衛隊や民兵組織サダム・フェダイーンの兵士とみられる約2500人が、散発的な抵抗を続けているという。
一方、ロイター通信はカタールの衛星テレビ、アルジャジーラの記者の話として、ティクリートに住んでいる部族長らが米軍と停戦交渉に入ったと伝えた。住民は米軍を受け入れる用意があるが、クルド人からの攻撃に備えるために武装していると話しているという。
また同通信は、米政府当局者がフセイン大統領の異父弟、イブラヒム元内相を米軍がシリア国境付近で拘束したことを確認したと伝えた。(共同)
http://www.sankei.co.jp/news/030414/0414kok030.htm
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ティクリートで停戦交渉 [読売新聞]【反フセイン&反米英勢力をフセイン派残党として虐殺する動き】
【ワシントン=大内佐紀】フセイン大統領の故郷ティクリートに進軍した米海兵隊第1遠征軍は、イラク時間の13日夜から14日にかけ、大規模部隊で同市内に進駐した。
AFP通信によると、14日朝(日本時間同日午前)には、米軍戦車隊が市中心部の広場を占拠した。同行のカナダ人記者によると、進駐部隊は戦車など戦闘車両250両で構成されている。
カタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」は、イラク時間の13日、同市でイスラム教スンニ派の部族代表が投降の意思を表明し、米軍との停戦交渉を始めたと伝えた。またラムズフェルド米国防長官は、「(イラク側から)ほとんど抵抗を受けていない」と述べ、作戦の焦点は、市内に潜むフセイン政権高官の拘束と、残党掃討に移ったとの認識を示した。フランクス米中央軍司令官は、市内で残っているのは一部の「非正規軍、外国人(の自爆攻撃要員)」などと語った。
フランクス司令官は今後の軍事作戦について、米東部時間13日に放送されたFOXテレビの番組の中で、「これまで素通りしてきた町や村が多数あり、今後、これらもしらみつぶしに回り、イラク内に(フセイン派の)拠点が残らないようにする」と語った。
ラムズフェルド長官は、バグダッド陥落直後の9日、勝利のための8条件をあげたが、ティクリートが完全制圧されれば、フセイン大統領とその一族など高官拘束が最大課題になる。
(2003/4/14/12:37 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030414it02.htm