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副大臣臨時会見記録 (平成15年4月14日(月) 11:10〜 於:会見室)
イラク情勢
(茂木副大臣)今日10時から22回目のイラク緊急対策本部の会議を開催致しました。週末にかけましてパウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官はテレビのインタビュー等で幾つかの発言を行っております。戦後のイラクの問題、シリア、大量破壊兵器の廃棄の問題について主に言及しているようであります。まずパウエル国務長官でありますが、アメリカはイラクの将来の指導者もイラクの暫定統治機構の指導者も選ぶことはしない、それはイラク人及びイラクの代表の仕事である、このように述べております。シリアに関しましては、シリアがイラク前政権指導者たちの逃げ場所となることは賢い選択ではない、このように話しております。ラムズフェルド国防長官でありますが、フセイン体制は既に過去のものとなっている、シリアにつきましては、シリアがイラク戦争犯罪人やテロリストの避難場所にならないことを期待する、イラクの大量破壊兵器に関する情報を有しているイラク人の協力を得ることが優先事項の一つである、このように述べております。これに関連しまして、現地のフランクス中央軍司令官でありますが、イラク人から多くの情報提供が米軍に対して行われており、その中には幾つかのことがあるわけですが、大量破壊兵器が隠匿されている可能性のある場所は2、3千カ所はあり、その存在を確信している、このように述べております。
軍事情勢でありますが、アメリカの海兵隊は昨日13日、政権最高幹部や特別共和国防衛隊等が終結しているとされるイラク北部ティクリートへ進軍をしている模様であります。一方、アメリカの国防総省は、作戦状況の進展に伴う体制の見直しの一環としてB2ステルス爆撃機を本国に撤収し、空母も削減する方針だと発表致しております。イラク国内、バグダッドの様子でありますが、たくさんの画像が映っておりますが、市民による略奪等、無政府状態が継続をしている一方で、アメリカの海兵隊がイラク警察と共に市内の合同パトロールを計画し、一部実施し始めている模様であります。
邦人の状況でありますが、これまでのところ、邦人の被害情報は入っておりません。所在が不明でありましたフリー・ジャーナリストにつきましては、11日の夜に本邦の家族に連絡があり、本人の無事が確認されました。ヨルダンへの出国を希望しているようでありまして、出国に際しての支援要請が来ておりますので、在ヨルダン大使館が必要な措置を行う予定であります。おそらく今日中にもそういう形になっていくのではないかと思っております。「人間の盾」として活動しておりました中の6名が日本時間の12日の夜、ヨルダンに出国致しました。従いまして、「人間の盾」として配置されて未だ残っている方は5名ということになります。
今日の会議では、川口大臣のドイツ、フランス、イギリスの訪問、17日に行われましたロシア、ドイツ、フランスの3カ国首脳会談につきまして簡単な報告がございました。既に現地でもブリーフを行っているところでありますが、川口大臣の訪欧につきましては、まず我が国のイラク人道・復興5原則に対し、各国の賛同を得ることができました。各国より、戦後の日本の役割が重要であるとして強い期待が表明されました。人道・治安状況につきましては、各国より現在の人道・治安状況の悪化につき強い懸念が表明されました。現状がmessyである、そういう懸念が表明されまして、我が国としても真剣にこの問題に取り組んでいきたい旨、大臣の方から説明をされたそうであります。国連の関与につきましては、国連の関与という原則については各国の間で意見の一致があるようでありますが、タイミング等につきましては御案内のとおり様々な意見が出たようであります。更に中東和平の問題につきまして、中東地域全体の和平と安定、特に究極の課題とも言うべき中東和平の更なる進展につき、各国とも強い関心を示した、こういうことであります。
(問)バグダッドの治安の状況について強い懸念が表明されて、我が国としても真剣に取り組んでいきたいと大臣が表明されたということですが、具体的にはどのような措置を考えられているのでしょうか。
(茂木副大臣)今申し上げたのは、バグダッドの人道・治安の状況ということでありまして、なかなか我が国としてこの治安問題にすぐに取り組むというのは難しいと思っております。先程申し上げましたように、今アメリカの海兵隊が現地のイラク警察と協力しながら治安の回復を始めるということであります。その状況を見守っていきたい。一方、人道支援に関しましては、既に3月20日の時点で、我が国としての第1段の503万ドルを発表させていただきまして、また4月9日に国連のフラッシュ・アピールに対しまして2,500万ドルの我が国としての支援策、食糧であったり医療などを発表させていただきまして、枠として1億ドルということでありますから、残りが7,000万ドルということになるわけであります。今後の人道の状況であったり避難民の発生等を見ながらこの枠を機能的に使っていくことが最優先であると考えております。
(問)イラクの博物館からいろいろな歴史的な遺産が運び出されているという報道がありますが、どういうふうに受け止めているのかということと、日本としてこれについて何かできることがあるとお考えなのかどうか、その辺をお聞きしたいのですが。
(茂木副大臣)個人的には私、このメソポタミア文明、大好きでありまして、バビロニア王国も大変関心を持っております。イラクの博物館、そういった歴史的な価値を有するたくさんの遺跡があるわけでして、それが盗難にあうというのは極めて残念だなと思っております。おそらくイラクの復興を考えていく上でもそういったしっかりした歴史が残る、そういうベースの上に新しい民主化されたイラクができていく、こういうことは必要なんだと思っております。現時点で、先程申し上げたように治安の回復について日本が直接関与することは難しいかもしれませんが、今後の状況等によって、例えば博物館の復興を行う、また、盗まれた遺跡につきましても回収の作業をする、そういうことで日本が果たせる役割があったらやっていくべきだと思っております。
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http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/fuku/f_0304.html#11-A