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以下は、木曜日、フランス在住のコリン・コバヤシさんから来た転送メールです。
広く伝えてくださいとのことです。
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アリ・イスマイル・イーデン、この汚い犯罪的戦争のシンボル
在バグダッド、マリネッラ・コッレッジアより
パトリス・ジョーンズ(Pattrice Jones (pattrice@bravebirds.org))から転送
マリネッラへの手紙はパトリスへ
アリ・イスマイル・イーデンは、イラク民衆に対するこの汚い戦争のシンボルです。
あらゆる国際法に違反する戦争。
私は今2003年4月4日午前11時にバグダッドからこれを書き送っています。私はチグリス川の近くの小さなホテルにイラク平和チーム(Iraq Peace Team)と一緒に居ります。外では私にはわかりませんがミサイル(飛来するアメリカの爆弾?) か砲撃か、何れにしろその音は昨夜のものとは違います。アメリカ軍がとても近くに居ます。
昨日から明かりがつかなくなっています。アメリカ軍が配電施設を爆撃したからです。でも、発電機からの明かりが消える前に、私が今朝会ったアリ・イスマイルの事を皆さんに話させて下さい。願わくは、この話がジャーナリストたちのどれかの衛星通信で、そして私がこれを送っているパトリスを介して広く伝わっていく事を。どうかアリという名前を広く伝えて下さい。
アリはバグダッドのアル・キンディ病院のベッドに横たわって居ます。ブッシュのミサイルが一発、民家2軒に命中し、火焔がアリの家族(母、父、兄弟全て、それに親類)12人を生きながらに焼いたのです。アリのお母さんの一人の姉妹がその場に居合わせなかったので助かっており、今アリに常時付き添っています。アリの意識は確りしています。両腕は今や無く、腹部は黒く焼け焦げています。
アリの姿を見れば、あなたはその姿を一生涯頭から消す事はできないでしょう。アリは12才です。目が大きくとても可愛らしい。それがアリに残された姿と甚だしい対照を成しています。アリの首から下は惨憺たるありさまです。もし生き長らえてもアリは一生それと付き合っていかなければならないでしょう。
わかりますか。アリの両腕は炎の中の樹の2本の枝のように焼かれました。それで肩のごく近いところで切断されたのです。アリのお腹の部分は真っ黒焦げに焼かれています。もちろんシーツを身体に触れさせてはいけないので、木で作った橋のようなものをシーツの下に入れ、シーツをアリの身体から離すようにしています。毎日お医者さん方が焼けた皮膚の一部を除去し、脚から取った皮膚と取り替えています。しかしこの治療は、細菌感染の危険が高いのです。
お医者さんたちは、私がアリを見舞ってもアリの迷惑になることは無いけれども、アリの姿を見たら私の気持ちがかき乱されるのではないか、とおっしゃたので、私はともかくアリに会いに入っていくことを選びました(それで、本当のところ、アリの姿に今常に心みだされています)。私は考えました。「私はアリを正視したい。私はアリに幾らかでも愛と元気をあげることができるだろうか?」私はそうできたとは思いません。で、会った結果、今の私の使命はアリの象徴的実例をイラクの外へ広く広く広く知らせることだと思いました。イラクに来ているアメリカ兵にアリの実例を知らせることが誰かできないものでしょうか。
私がサラーム・アレイクム(Salaam aleicum, 「平安があなたと共にありますように」との意の挨拶言葉)とアリに語りかけると、アリは穏やかに返事をしました。私はただアリを見つめました。アリが何度も無くなってしまった両腕を見やるので私は、戦争が終ったらイタリアから新しい腕、人工の腕でとても具合が良いものが来るからね、とアリに言って下さいとお医者さんに頼みました。何かの役に立ったのかどうか私はわかりませんが、アリのおばさんはインシャラー(Inshallah「アラーの思し召しのままに」の意)と言いました。ここの多くの医師同様とても素晴らしい--皆さんとても献身的であり、ブッシュの意図にとても驚いている--お医者のムフタズさんが通訳して下さり、またアリにイタリアのことを話して大変親切にアリの注意を逸らすようにしてくれました。長靴のような形をしているとか話すと、アリは、そう、イタリアのこと知っているよ、と言いました。しかし、私には子どもに人工の腕のことを話すなんてとても馬鹿げていることがわかりました。話してアリにどんな風に役に立つ? アリの置かれた状況を少しでも良くするには何をアリに話したら良いの?
アリはずうっとお母さん、お父さん、そして家族のことを聞いていました。お医者さんたちは、みんな脚を折って別の病院に入っているので今すぐには来られないんだよとアリに話しています。医師のムフタズさんは、アリは大変けな気で、自分の苦痛についてあまりぐずぐず言わないで、何時も残った両腕の動く部分や黒くなった腹を見つめている、と言います。
すくなくともお医者さん達には今のところ鎮痛剤は充分あるのですが、モルヒネのような強い鎮痛剤はまだ与えていません。将来痛みがもっと強まってきた時に使わなければならないかも知れないからです。ですが私が聞いたところでは他の市の病院では怪我人が多いために医薬品不足が既に生じています。そんな病院ではアリのような子どもたちがどんな眼に会うのか想像して下さい。
私たちが病院の廊下を歩いて行くと、ジハド・サイド・オベイドという男の人に会いました。その人はバグダッドから約180キロ離れたアル・スエラという所から 来たのでした。その人はそこの病院に親戚のものが一人入院していたのですが、その病院に3月30日に、近くの通信センターを破壊するために発射されたミサイルの破片が沢山当たりました。その人は一人がそのために亡くなったことを知っています。通信センター(軍事目標ではない)を爆撃することと、近くの病院に当たる可能性があるのに通信センターを爆撃することは、共にジュネーブ協定に違犯することです。沢山の戦争犯罪のもう一つがここにあります。
これらのこと全てが一般市民の保護のためのジュネーブ協定に違反します。私たちがアリの病室を出た丁度その時、病院の庭ので、黒ずくめのドレスを着けた老婦人が泣き叫んでいるのが見えました。私たちに付き添っているイラク人のテリブが何事で起こったのか聞きました。その婦人が泣き叫んでいたのは、数時間前にミサイルが一発ムスタンリヤ大学の近くに落下し、娘さんが殺されたためでした。その娘さんは花嫁だったのです。
マリネッラ・コッレッジア
イタリア平和活動家
イラク平和プラン
バグダッド、2003年4月4日
全地球の南に注目を(Focus on the Global South (FOCUS))
チュラロンコン大学、CUSRI気付
Tel: 662 218 7363/7364/7365/7383
Fax: 662 255 9976
E-メールアドレス:N.Bullard@focusweb.org
ウェッブページ :http://www.focusweb.org
(翻訳 寺尾光身)