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(回答先: 米軍はイラクの治安回復で対応に苦慮、国立博物館も襲撃される(ロイター) 投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 4 月 13 日 14:32:03)
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Yahoo海外ニュース - 4月12日(土)23時10分
<イラク情勢>略奪や放火が頻発 自警団が活動開始 バグダッド
【バグダッド福島良典、小倉孝保】「イスラムの教えに背くぞ!」。イラクのフセイン体制崩壊後、略奪や放火が頻発、治安の悪化が伝えられる首都バグダッド。イスラム教シーア派住民が多数を占める市内中心部のアルカラダ地区では、略奪した家具や生活用品などを満載した車が通るたびに、ライフルやこん棒を持った住民が取り囲む。体制崩壊前まで、街の取り締まりを担った警察に代わり、住民で結成した自警団が活動を始めた。だが、米軍はまだ、取り締まり強化の動きをみせていない。バグダッドの混とんは当分、続きそうな様相だ。
アルカラダ地区にあるモスク(イスラム礼拝堂)「ホセンセイト・アボルショガア」。政府官庁や政権幹部の自宅などから略奪した家具を満載したトラックや自家用車がモスク前を通りかかった。「さあ、みんな、降ろせ」。自警団メンバーによる検問だった。
運転手が驚いて走り出そうとした。「パン、パン、パン」。私たち(記者)の傍らで、ライフル銃を手にした男性が空に向けて威嚇射撃した。
住民は荷台に上って一斉に荷物を降ろし、モスクの入り口前に並べた。警告を無視して走りぬけようとする車には、住民自身がライフル銃を水平に構えて連射した。住民たちは略奪がイスラム教の教えに反すると判断、「盗賊狩り」を始めたのだ。
付近に住む運転手、ムハマド・ジェイシムさん(33)は「泥棒はイスラムでは厳禁だ。私たちはフセイン政権下で苦しめられたうっぷんを晴らしたい気持ちは分かるが、容認できない」と怒りをあらわにした。
モスク前に積み上げられた略奪品は冷蔵庫、ベッド、エアコン、机、消火器などさまざま。モスク関係者は持ち主が現れれば品物を返却する。現れない場合は、モスクに寄贈することを検討中という。
「イスラム的価値と道徳心にのっとって盗賊狩りをやっている。イスラムの国として恥ずかしい」。近くで薬局を営むアハマド・ムハメドさん(33)が嘆いた。
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一部のイスラム教徒が自警団発足に動き始めた背景には、バグダッドに展開する米軍が治安維持の努力を果たしていないとの住民の不満がある。駐留米軍が拠点を設ける市内中心部、パレスチナホテルの入り口前には12日昼、治安悪化に不満を抱く住民が押しかけ、米軍に抗議した。
略奪の対象になった病院の看護師のハーディ・アリさん(35)は「民間人や病院を守るのは米軍の仕事の一つのはずだ」とこぼす。
バグダッドの駐留米軍はこの日、フセイン政権時代の警察最高幹部ら数人と協議を行ったという。略奪取り締まりなどで協力を打診したとの見方が有力だ。
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フセイン政権は非宗教色の強いアラブ社会主義政党バース党が支えてきた。そのため、イラクでは酒屋が堂々と街頭に店を構え、ヘジャブ(頭髪を隠すイスラムのスカーフ)を被る女性はエジプトなどと比べると少数派だ。
独裁体制のフセイン大統領は住民の多数派が信奉するイスラムを政治利用してきた。
イスラム指導者のファデル・モフセン・サロム師(55)は今、「彼(フセイン大統領)は身内をも殺害してきた男だ。宗教指導者たちはただ政権を恐れていたのだ。次の時代を待つためには命を永らえなければならない」と弁明する。
「米軍は駐留が短期で正しい振る舞いであれば受け入れる。だが、さもなければ、私たちは米軍の前に山のように立ちはだかる」。サロム師はそう予測する。
フセイン体制が崩壊した今、イスラムが治安維持の役割を果たし始めている。(毎日新聞)
[4月12日23時10分更新]