現在地 HOME > 掲示板 > 戦争30 > 874.html ★阿修羅♪ |
|
りょうさん:『Re: イラク戦争:米軍の首都中心部進攻を否定 イラク情報相 [毎日新聞]』
(http://www.asyura.com/0304/war30/msg/753.html)
あっしら:『“ネオコン”とトロツキストそして「世界革命」』
(http://www.asyura.com/0304/war30/msg/800.html)
宇佐大神宮さん:『Re: “ネオコン”とトロツキストそして「世界革命」』
’http://www.asyura.com/0304/war30/msg/838.html)
に続くものです。
========================================================================================
宇佐大神宮さん、こんにちわ。
宇佐大神宮さんが書かれていることは、通説であることを私も知っているつもりです。
美辞麗句や空虚なスローガンで多数の人を騙しながら目的を達成しようとしている勢力を考えるときには、それが生み出す現実世界をできるだけ具体的にイメージして理非を判断すべきだと思っています。
>私は、マルクスやトロツキーは労働者階級による世界革命を通じて、階級支配を廃絶
>し共産主義社会を建設することを究極的目的としていたと理解しています。
「労働者階級による世界革命」とは、これまでの共産主義革命を顧みればわかるように、左翼的価値観を持った知的エリートを自認するいわゆる「前衛」政党の支配を実現するものでしかありません。
「労働者階級による世界革命」は、「国民が主権である民主的国民国家」と同じで、掛け声だけの空虚な定義です。
「労働者階級による世界革命」後の世界は、最善でも、現在の多くの国民が形式的主権者でありながら実質的には被支配者となるというものです。
>他方、ネオコンについてはアメリカの巨大な軍事力を使って、世界支配をたくらむ野
>心的ではありますが利権屋にすぎないと考えています。
>両者の共通点は、一国主義的ではない「世界革命」のみであり、目指すものはまった
>く別のもののはずです。
9・11の世界史を動かしているネオコンをたんに利権屋だと見ていると、現実を見誤ると思っています。
利権屋でありながら、世界的に普遍化すべき理念・価値観・制度・政策をきちんと持っているのがネオコンです。
そして、そのような理念・価値観・制度・政策を現実化することこそが、最大の利権になると考えているのです。
ネオコンがめざす「世界革命」と「労働者階級による世界革命」のいずれの過程であれ、その結果生み出される世界は基本的には変わりません。
政治的には知的エリートを自認するアホ(知に隷属する者)が支配し、それを支えに、国際金融家が貨幣的富の拡大を実現するというものになります。
多くの人々は、そのために仕える“道具”のままです。
産業資本は、膨大な固定資本とデフレ傾向という矛盾的破綻論理から、私的所有としては維持できなくなると見ています。
ですから、ネオコンも、産業国有化を持ち出し、それを社会主義政策だと位置づけ人々の歓心を買うはずです。
>これについては、レーニンは『帝国主義論』において、世界は以前の産業資本主義の
>時代から、産業資本と銀行資本の結合した金融資本の支配する時代に入ったという理
>解をしていたと思います(『帝国主義論』が手許に無いため正確な引用はできませんが)。
>そうであれば少なくともレーニンは(おそらくトロツキーも)「国際金融家」を脇に
>置いていたということはいえないと思います。
金融資本に対する考察は、ヒルファーディングの「金融資本論」が優れています。
そして、ヒルファーディングやカウツキーは、改良主義で現状の問題が解決できるという立場をとりました。(第二インター)
この流れは、ある意味でナチズム(国家社会主義)に通じるものです。
レーニンやトロツキーも、金融資本を無視した論考はできませんから書いてはいますが、近代が元々金融資本によって生み出されたものであり、産業資本や人々がそれに経済的に隷属しているという根源的な経済論理や利息所得の悪を提示してはいません。
理論以前に、レーニンやトロツキーの金主(パトロン)が誰らであったかを確認すれば、彼らの“素性”や“狙い”は推定できます。
レーニンやトロツキーは、ロンドンや米国に在住する反体制イラク人のような存在だったのです。
マルクス的共産主義は、論理構成が洗練されているのえ、よりいっそう危険なのです。
>ネオコンは少なくとも彼らの主観ではアメリカの世界覇権を考えていると思います。
>アメリカの覇権抜きの「世界革命」を目指しているのではないと考えます。
ネオコンをなめないほうがいいと思います。
やってることは目的のためには虐殺と破壊を辞さない愚かなもので、めざす「世界革命」も大災厄をもたらすものですが、彼らは、経済論理や世界史の流れをそれなりに理解しています。
産業が瓦解し、年間5000千億ドルの経常収支赤字を計上するようになり、6兆ドルを超える連邦債務を抱えている米国が、覇権を維持することができないくらいきちんと認識しています。
(米国の覇権を維持することを主目的にしていれば、米国経済は現状のようにはなっていません)
米国の覇権を維持するために、中東の原油を支配するのではという論もありますが、それを支配するのは私的企業であり米国連邦政府ではありません。
仮に連邦政府が支配するとしても、それで得る収入は、日本や中国などアジア諸国に対する貿易赤字を補填するものや連邦債務の履行に当てられることになります。
米国政権が、日本や中国から財を輸入するためや積み上がった債務を履行するために、「中東侵略戦争」を敢行しているとお考えですか?
ネオコンは、否応なく喪失することになる米国の覇権性を最後に活用するかたちで「中東侵略戦争」を遂行しています。
ネオコンは、米国の覇権を瓦解させることを通じて「世界革命」を達成しようとしているのです。
米国は、世界覇権を失うとしても、地域大国として存続することは間違いありません。
※ 「戦争」ボードは流れが速いので、レスは「論議」ボードにいただければ幸いです。