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京都新聞記事
共同通信提供
イラク戦争 陰の“主役・新保守派”
政策、世論を動かす人脈
ブッシュ米政権をイラク攻撃に誘い込んだ陰の主役は「新帝国主義者」とも呼ばれる「ネオコンサーバティブ」(新保守主義者、通称ネオコン)の知識人グループだ。政権内外に張り巡らしたネットワークで政策と世論を動かすその実態に、彼ら自身の言葉で迫った。
「米国は突出した軍事力、最大の経済、普遍的な政治原則を持つ唯一のスーパーパワーだ。米国に挑戦できる競争相手国はない。この優位を長く将来にわたって維持するのが米国の戦略であるべきだ」
ネオコンの代表的若手指導者ウィリアム・クリストル氏が、ブッシュ政権発足直後の2001年3月に米下院軍事委員会で証言した際の一節だ。保守系の政治週刊誌編集長のクリストル氏を中核とするネオコン・グループは、冷戦後に唯一の超大国となった米国の外交・軍事政策が「腰が定まらない」と見て、クリントン民主党政権下の1997年、政策集団「新アメリカ世紀計画」(PNAC)を発足させた。
「米国の原理を大胆に世界に広める外交と、全地球的責任を引き受ける指導者層をつくる」
発足声明にPNACは決意をうたった。声明署名者の中からブッシュ政権のチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官といった政権幹部を何人も輩出、彼らが米国の強硬なユニラテラリズム(一方的外交)を支えてきた。
「国連という腐敗した、力のない、効果もない機関などに信頼を寄せる外交官の理想主義は、ただの間抜けだ」
ネオコンの古参実力者リチャード・パール元国防次官補が昨年11月、国連決議1441の採択後に米テレビの番組で吐いた言葉だ。パール氏は国防総省の諮問に応じる国防政策委員長として影響力を行使する。
彼らが「新」を付けて呼ばれるのは、実は元トロツキストや民主党の革新派から保守派への「転向組」だからだ。
1970年代に左派の行き過ぎに嫌気が差して右に方向転換した。クリストル氏の父親で元トロツキスト、「ネオコンの始祖」とされる評論家アービング・クリストル氏は「現実に襲い掛かられた革新派」と自分たちを定義する。「現実を見て甘い社会主義革命の理想など捨てた」という意味だ。
「世界に米国の価値観を」という主張を見るとトロツキスト的な「世界革命」の夢を捨てていないようだ。
ネオコン・グループにはニューヨーク出身のユダヤ系知識人が多い。
PNACが昨年4月にブッシュ大統領に送った書簡は「包囲された同盟国イスラエルを支援できるのは米国だけだ。中東の平和へ最も確実な道は、サダムや他の圧制者に譲歩することではなく、イスラム世界に自由と民主政治を生み出すことだ」と訴えた。ネオコンが時に「米国とイスラエルの二つを祖国とする」と、他の保守派グループから批判されるゆえんだ。(共同通信、京都新聞掲載)
記事 http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003mar/21/K20030321MKJ1Z100000007.html
記事掲載元ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/index.html
画像 http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003mar/21/007.jpg