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[要約]昨日、米軍の第3歩兵師団に所属する戦車など40両がバグダッド市内を進撃した。この部隊は市内中心部にあるチグリス川が蛇行する地区まで進み、そこから西方のサダム国際空港に向かい、空港を制圧している第3師団の第1歩兵旅団に合流した。この戦闘で米軍のM1A2戦車1両が攻撃を受けて破損した。
[コメント]昨日は過労のためか、横になったままテレビのニュースを見ていました。このニュースが流れたとき、すぐにホームページの更新をやろうとしましたが、なかなか元気がでてきませんでした。金曜の夜はもうクタクタ状態でしたから、やはり原因は過労かと思います。しかし昨日休んだせいで、今日はなんとか元気がでてきました。
ところでこの行動ですが、明らかに米軍の示威行為です。空や陸からバグダッド市内を偵察した結果、イラク軍の防衛ラインが設定されていないので、一気に戦車部隊が首都中心に進撃し、米軍の「バグダッド参上」を宣言したのです。ですから威力偵察というより、示威行動という見方が正しいと思います。威力偵察は本格的な攻撃開始前に行なうもので、今の段階で本格的なバグダッド攻撃は考えていないからです。今、バクダッド市内は上空から米軍のP3C偵察機(オライオン)や無人偵察機で厳重に監視されています。市内にひそむ戦車の配置や、機関銃座の配置など、イラク軍の配置を監視しています。P3Cや偵察機で監視できないのは、室内など建物の中だけです。
今回は奇襲的な効果で成功しましたが、米軍はいつもこの作戦が成功するとは考えていないと思います。当然、イラク軍もそれなりの対応をしてくるでしょう。
とにかく今、イラク軍はサダム国際空港奪還に向け、共和国防衛隊の兵力を西に移しています。それを狙って、米軍は空爆を強化し奪還阻止を行なっています。イラク軍は空港を米軍に奪われ、そこに攻撃拠点を作らせると、バクダッド市街ばかりか、バクダッドとチクリット(フセインの生地)を結ぶ線を攻撃され、この地域の連系を断たれることになります。チクリットを航空地図で見ると、何本もの滑走路が整備され、バクダッドが落とされてもチクリットで立てこめるように設計されています。戦略的な要衝です。最近は米英軍の特殊部隊がバクダッド北部で活動し、バクダッドとチクリットの線を遮断していますが、もしイラク軍の戦車が進出してくると、特殊部隊と空爆だけでは阻止することが難しいと思います。
米軍はサダム国際空港をエサにして、それでイラク軍をひきつけ、そこを空爆で始末する作戦を考えています。思い出しませんか。アフガニスタンの戦争のとき、カンダハル郊外の空港を米軍海兵隊が占領し、そこを奪還しに押しかけるタリバンに、何度も何度もミンチ機にかけるように攻撃したことを。航空戦力に勝っている米軍だから、このような作戦が可能なのです。バグダッド市内を空爆で壊滅させるより、サダム空港に招き寄せて壊滅させる作戦のようです。
まだまだ米軍はバグダッド市街戦を行なわないと断言できます。イラク軍はこれからも米軍の仕掛ける心理戦の恐怖に怯える日が続くと思います。