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手足失い傷つく若年兵 TVは戦争を美化と米医師
【ニューヨーク5日共同】「腕や足を失った兵士もいる。脳に深刻な障害を受けた人も。だがテレビは戦争の残忍さを隠し美化している」−。ドイツの米軍病院で、イラク戦争で負傷した多数の米兵の治療に当たる神経外科医ジーン・ボールズ氏(66)が、傷ついた若い兵士たちの悲惨さを訴えた。出身地米コロラド州ボールダー郡の地元紙が五日、伝えた。
ボールズ氏は特殊部隊に救出された女性兵士、ジェシカ・リンチ上等兵の治療も担当。「十九歳の少女が大きな銃を持ってあんな所まで行っていたんだ」と兵士たちの若さを強調する。
先週のある朝は、二人の兵士の頭から弾丸の破片と破壊された脳の組織を取り除く手術に三時間かけた。一人は回復に向かう見込みだが、もう一人は「一生直らない神経障害が出る」という。手りゅう弾で負傷した別の兵士は手術台の上で死んだ。「傷ついた若者の人生はすっかり変わってしまうんだ。みんなそれに気付いてないし、テレビはそんな現実は伝えない」と同氏は言う。
病院には連日数十人の負傷兵が輸送機で運ばれ仕事は増えるばかりだ。
ボールズ氏は職場では数少ない民間医の一人。どんな戦争にも反対の「平和主義者」だが、米中枢同時テロがきっかけで退職生活入りを延期し勤務を志願した。「医者だからこの仕事をしている。政治的な立場は関係ない」と話している。
(了) 04/06
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq2/news/0406-514.html