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【イスラマバード=新居益】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが、イラク戦争に乗じてゲリラ戦を強化している。米国がイラク戦争に集中している間に、揺さぶりをかける狙いと見られる。
アフガン南部カンダハル州のムハンマド司令官が4日、本紙の電話取材に語ったところによると、約50人のタリバンが今月1日、パキスタンとの国境近くの警官詰め所などを占拠したため、同州治安部隊600人が攻撃、3日までに奪回に成功したが、ほとんどのタリバンが逃走した。アフガン駐留米軍報道官によると、米軍は治安部隊支援のため、B1爆撃機やアパッチ攻撃ヘリなどで爆撃を行った。
アフガンのジャラリ内相は3日、首都カブールで行った記者会見で、「特に南部と東南部でテロ活動が増加している」と、懸念を表明した。
タリバンによるテロ活動は質的にも変化している。中部ウルズガン州では先月27日、エルサルバドル出身の赤十字国際委員会(ICRC)職員が移動中に射殺された。同州はタリバンの根城とされ、国営バフタル通信は3日、「犯人はタリバンに近い男」と報じた。
タリバンはこれまで外国の民間人を殺害することはなかった。このため、「タリバンは戦術を変えた。今後は地方での活動を見直さざるを得ない」(カブールの外交筋)との懸念が出始めた。
同事件の翌日、タリバンの元北部方面司令官のダドラ・アフンド師は、地元ラジオで「(タリバンは)ユダヤ教徒やキリスト教徒など外国人がいなくなるまで戦う」と語った。4日付汎(はん)アラブ紙アッシャルクルアウサトによると、国際テロ組織アル・カーイダは、イスラム原理主義者のホームページで「米国はアフガンでの失敗の代わりにイラク戦争を始めた。(首都カブールに残る)国際治安支援部隊は、タリバンとアル・カーイダの剣にまみえることになろう」と警告した。
◆タリバン=アフガニスタンのタリバン政権は2001年11月、米軍の支援を受けた北部同盟の攻撃で崩壊。しかし、タリバンは、南部や東部のパキスタンとの国境地帯を拠点とし、現在も米軍やカルザイ政権派部隊へのゲリラ戦を続けている。現兵力は推定2000人。アル・カーイダだけでなく、最近はヘクマティアル元首相派とも連携しているとの情報もある。
(2003/4/5/00:13 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030404id24.htm