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(回答先: ここの皆さんに戦局の具体的な展望について聞きたい 投稿者 やしがに 日時 2003 年 4 月 04 日 18:39:48)
>ベトナムのように軍事的政治的に
と言いますが、ベトナムの場合はアメリカ敗走の主要ファクターはやはりソ連製戦車の大投入という軍事要素が強いです。もちろんそれまでにアメリカがベトナムの政治宣伝に押され気味で、大統領もニクソン(これは戦後アメリカでは最高の大統領ですね)になって停戦・妥協的終戦が目の前に迫っていてアメリカ側の戦う気が失せていたという政治的条件もありますが。
政治的敗戦といえばやはりソマリアでしょう。90年代当時は軍事費が大幅に低下された時期で大統領が介入の好きな民主党でもなおざりな介入ばかり。いいかげんな介入をして死者が出たら国内世論が変わってそれで敗退、というパターンです。(この軍事費低下傾向は、現在でもラムズフェルドは比較的文民として軍事費節減タイプ攻撃を主張、パウエル等は軍側として膨大な軍事費を要求、という形で続いています。またNASAなども予算が減ったために宇宙とかの脅威を宣伝してアルマゲドンとかの映画に協力したりしており、その影響はこのサイトにもしばしばの彗星激突説などで現れているのはご存知の通り)
イラクはベトナムの勝因、そして後にはソマリアの勝因を深く研究しているようで、ベトナムの影響は
- 湾岸戦争後の劣化ウラニウムの奇形児宣伝(これは枯葉材ダイオキシンの奇形児というベトナムの宣伝に対応)
- ゲリラ戦重視(これは現在の戦争でわかるとおり)
に見られます。このパターン、つまりベトナム型の軍事的勝利のためには、ベトナムが最後のとどめを刺した戦車師団をどれくらいイランが温存できるかが勝負になるでしょう。
いっぽうソマリアの勝因については、アメリカを市街戦とかに引き込んで自国死者をいかに増やせるかが勝負になります。(必要なのはアメリカ国内の反戦世論だけで、世界その他の国の反戦世論は何の力にもなりません。)ここではイラクは自国民はいくら死んでもいいので有利です。現在の戦争でイラクが退却ばかり、というのもこの戦略による可能性があるので、アメリカがこのまま市街戦に引き込まれたらソマリアパターンでの終戦がありえます。もしこの上にイラクが戦車を温存していれば、ソマリアパターンの上に乗ったベトナムパターンの勝利も夢ではないというわけです。
従って現在の見所は、イラクが戦車(特に首都の北側にいる連中)をどのくらい温存し、アメリカをバクダッド市街に早めに引き込めるか、が焦点となると思います。
逆にアメリカがじっくりイラク戦車を潰して行ってバグダッドに目を向けない場合は、アメリカは非常に有利ということになります。
イラク側は上記の戦術を確実にとっているように見えますが、アメリカ側はわかりません。