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「十字軍を倒せ」「バグダッドを救え」−。戦闘が激化するイラク行きを志願する「イスラム義勇兵」が各地から続々とシリアに集結している。「イスラム教徒の地を侵す現代の十字軍」と敵視する米英軍にジハード(聖戦)を挑むため、毎日数百人がバグダッドを目指す。
シリアの首都ダマスカス市の中心部にある国際見本市会場。口コミでひそかに広まった義勇兵用バスの集合場所だ。午後六時ごろ、広大な敷地の一角に、夕闇に紛れて男たちが集まり始め静かに出発の時を待つ。
同市内に住むれんが職人、マフムード・ハッサンさん(35)はこの日、家出をしてきた。「父親には散髪に行くとうそをついた。親に話せば絶対に止められるから」と声を潜める。「ブッシュ(米大統領)が十字軍という言葉を使った時、怒りが込み上げイラク行きを決心した」という。
バスの旅費や滞在費をイラク政府が負担するためか、義勇兵たちの多くは手ぶら。カナダから来た三十代の男性は、「アラー(神)は偉大なり」と刻まれた刃渡り六十センチほどの大きなナイフが唯一の所持品だった。
国籍はサウジアラビアやヨルダン、レバノン、、リビアなど中東が多いが、アフガニスタンやロシア南部チェチェン共和国から来たという男性の姿も。口々に「十字軍と戦う聖戦での死は名誉の殉教」「私たちが犠牲になることが米国への強いメッセージになる」と死を覚悟の参加であることを強調する。
バスの出発時間が迫った午後七時すぎ、五百人ほどに増えた男たちに交じり白いスカーフ姿の女性の姿が見えた。息子(30)が義勇兵参加を望む同市の主婦ゼイナッブ・サレムさん(62)。最近は毎日ここに来て、息子がイラクに向かわないよう見張っているという。
「今朝、家を出た息子が戻ってこない。電話をしたら出勤していなかった。もう(イラクに)行ってしまったかも」と、涙を浮かべ消息を尋ね回っていた。(ダマスカス共同=半沢隆実)
(了) 04/04
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq2/