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韓国人記者従軍ルポ
１週間前に、米記者２人が、恐怖のあまり逃げるようにして去ったと言う
エピソードや、３日午前、生物化学兵器探知機が警告サイレンを鳴らし大
騒ぎになった様子など、バグダッド南方から約170キロメートル離れた米
軍補給基地「ブッシュマスター」の雰囲気がうかがえて興味深い。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/04/03/20030403000044.html
2003.04.03(木) 19:29
【従軍ルポ】カルバラにイラク軍の姿見えず
2日午後遅く、米軍がバグダッド付近35マイルの地点まで接近したとい
う報告が入ったが、3日午前（韓国時間3日午後）、バグダッド南方から約
170キロメートル離れた米軍補給基地「ブッシュマスター」の雰囲気はま
ったく変わらなかった。
バグダッドまで遠く、険しい道程が残っているという点について、誰一
人楽観的な期待を寄せようとはしない。
バグダッド進撃を控え、最も厳しい戦闘が展開されるであろうと予想さ
れたカルバラ戦闘は、以外に簡単に終わってしまったという。2日、カル
バラを包囲した米軍第3歩兵師団が市内に進入した時、街は恐ろしいほど
までに静まり返り、「米軍が市内に進入し終わった後、生物化学兵器を使
用しようとするイラク側の術策ではないか」という推測が出回るほどだっ
たという。
2日午後、ナジャフから南方に約10キロメートル離れたイラク軍の弾薬
基地に行った。米軍第101空輸師団第1歩兵旅団が掌握した地域だ。マーク
・ウェーバー大尉は「戦闘は48時間前に終了したが、未爆発物の除去作業
がまだ終わっていないため気をつけなければならない」と注意した。
ウェーバー大尉と同乗した車の後で、機関銃を積んだ2台の車両が護衛
した。約30キロメートルを走ったところで、突然、平地より50メートルほ
ど高い高原地帯が目の前に現われた。
急な坂道に沿って高原地帯を上がると、火に焼けた車両と破壊された建
物が散在しているのが見えた。
飛行機の格納庫のような形をした弾薬倉庫が30個ほど見える。ここを警
備していたイラク軍200人余は、2日前、米軍の攻撃を受け、投降したとい
う。基地の入口にイラク軍5〜6人程度が滞在していたと見られる宿所があ
った。
汗と砂埃に汚れた枕やマットの上には、手垢のついたイラク軍の軍服が
投げ出されていた。床に転がる薬缶やスリッパー、たばこ…。
彼らがそこでどれだけ切羽詰まった瞬間を迎えたのかを垣間見させた。イ
ラク軍とは比較にならないほど優越な軍事力を誇る米軍と同行するために
持ち得る、容易い同情などではない。1日に何回も防毒マスクを付け直し
ながら生き延びようともがき、私もこのように全てを投げ出して走らなけ
ればならない状況が来るかも知れないという不安の中、生活している立場
として、彼らの状況が余りにも痛ましく思えたまでだ。
突然、私がもし、イラク軍と同行して取材する従軍記者だったなら、ど
のような記事を書いていただろうという疑問が湧いた。他国の政権と体質
を変えるとして、莫大な軍事力で攻め入る超強大国 米国を非難する記事
を書いたかも知れない。
米国が掲げたこの戦争の目的は、大量破壊兵器で米国と世界平和を脅か
し、イラク人を苦しめる独裁者 フセイン大統領を除去するということ、
そして、フセインの統治下で苦しむイラク人を解放するということだった。
「邪悪な独裁者」と「罪なきイラク人」を区分する二分法は、米国が戦
争を展開しながら主張する“道徳的正当性”の根拠となっている。しかし、
戦争の刃が、果してそのように鋭く、選択的だったのか。
2日午後、米フォックスニュース・プロデューサーのカルロスとカメラ
マンのポールがブッシュマスターに到着した。「ハイ、インソン」。ポー
ルがテントの前に立っていた私に声をかけてきた。
知らない人なのに、なぜ私の名前を知っているのだろう。ポールは「ブ
ッシュマスターで会った兵士は、みんな君のことを知っていたよ」という。
1週間前、米記者2人が恐怖のあまり、急遽ここを離れたことは、兵士たち
の笑いのネタになり、そのおかげで私は基地内の“有名人”となった。
3日午前、記事を書いていたら、またもや生物化学兵器探知機が警告サ
イレンを鳴らし、大騒ぎになった。この戦場で生き残るためにもがくこと
はこんなにも難しいのに、なぜ、そんなにいとも簡単に死んでしまうのだ
ろう。死傷者の数など聞きたくもない。
姜仁仙（カン・インソン）記者
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。