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【カルバラ近郊(イラク中部)3日共同=儀間朝浩】記者の約三百メートル先で、多数の砲弾を積んだ装甲輸送車から突然、火の手が上がった。「イラク軍の攻撃か」と一瞬、足がすくむ。火は次第に大きくなる。七、八分後、輸送車は大爆発、木っ端みじんになった。
イラク中部の要衝カルバラ近郊。二日未明から同市周辺への集中的な砲撃を続けた米陸軍第三歩兵師団第三旅団所属の砲兵部隊で火災が発生、砲弾を積んだ砲弾装甲輸送車M992が爆発した。
第一一○砲兵大隊第三小隊の兵士らが、市街地の建物が見渡せる砂漠で一息ついていた二日夕、突然、記者の乗る装甲車の西側約三百メートル先に止まっていた輸送車の屋根から火が噴き出した。乗員数人が車の後部から慌てて外へ飛び出した。
輸送車には自走砲用の一五五ミリ弾などが満載されており危険だ。「全員防弾チョッキを着ろ」「装甲車へ入れ」。誰かの大声が響いた。
別の車が燃える輸送車を目指し、砂煙を上げて猛スピードで走っていった。爆発の危険から乗員らを救出するためだ。
「ボン、ボン」。炎の中から鈍い音が聞こえる。砲弾が爆発する音だろうか。火はいったん小さくなったかと思った途端に、また勢いを増した。
やがて地平線にまで届くような大音響をたて、輸送車は爆発。大きな破片が回転しながら記者のいる方向へ飛んできた。後ずさりしながら、車の陰に急いで隠れた。黒煙は百メートル以上の高さに達していた。
「誰も現場へ近づくな」。部隊の兵士全員を集めて上官が注意した。原因究明のため、軍組織の上部から調査チームが派遣されるという。「誰も死ななかった。乗員が軽いけがを負っただけだ」。上官が状況を説明したが、兵士らはぼうぜんとした表情だった。
火災が起きた輸送車の乗員ら数人は、燃え続ける残がいを遠目に見ながら、肩を落としていた。
(了) 04/03
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq2/