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─【霍見芳浩のニッポンを斬る】─ 連載
▼ 米政権「ネオ・コン」の手口と危険思想 ──
◆ “コン”は「前科者」「詐欺師」の掛け言葉 ◆
ブッシュ帝国のイラク占領作戦はつまずき、「3週間の短期決戦で米国の反戦派を
黙らせる」との計算が狂っている。しかも、バグダッド市街戦の悲惨さや各地の部族
間の内乱と反米闘争継続で、戦後のイラク民主化と中東安定はホゴとなる。なにしろ、
「開戦時に圧倒的軍事力を見せつけると、イラク国民はサダムを見捨てて、米軍にな
びく」という夢物語の作戦だった。
ブッシュ作戦のつまずきは昔から傲慢な帝国主義侵略者の弱点による。帝国日本の
中国侵略のように敵を過小評価し、自分の無知を身勝手な想像で埋め合わせる。
ブッシュは、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ
国防副長官、パール前国防政策委員長などがこれまで12年間夢見てきた「アメリカ
軍事帝国」の青写真を丸のみした。ブッシュも含めて彼らはキリスト教原理主義と白
人至上主義の偏狭な国粋右翼であり、米国では「ネオ・コン」と蔑みのあだ名がある。
ネオ・コンのコンは「保守」と「前科者」また「詐欺師」との掛け言葉でもある。
拙著「アメリカのゆくえ、日本のゆくえ」でブッシュ帝国主義の暴発を警告したが、
ネオ・コンの源流は40年ほど前になる。それまでは東部の富裕な中道穏健派が共和
党の主流で、内向きの保守政治を好んでいた。しかし、その後南部や西部の石油成り
金や中小企業主の国粋保守派の白人たちに占領された。
彼らは使用人以外の有色人種を嫌い、民主的市民連帯の内外策を敵視する。民主主
義の騎士を気取るが、保守反動で言論の自由、妊娠中絶、人種平等そして国際協調を
拒否し、自分たちの偏見を「神の教え」と正当化する。ワシントン・タイムズ紙やフ
ォックス・ニューズテレビなどの御用メディアを使い反対者を潰すのには手段を選ば
ない。「テロ奇襲の後ろ盾がサダム・フセイン」とのブッシュの大ウソなどネオ・コ
ンの手口である。この大ウソを信じたのが米国民の半分と小泉首相である。
米ソ対立冷戦時代にはソ連に先制攻撃も辞さずとのぼせていた者が今はブッシュの
側近となっている。彼らは内向きの伝統的保守と違い、米国の世界的覇権拡大には軍
事力の活用を当然とする。このために、イラクに独断侵略し、大勝利で米国民のベト
ナム後遺症の厭戦気分を払拭し、大量破壊の新兵器を実験し、石油と軍事基地を確保
する。イラクの「沖縄化」である。
それなのに、日本国民よりも米国のネオ・コン政権に奉仕するのが小泉自公保与党
なのである。
(ニューヨーク市立大教授)