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イラクのフセイン大統領の権力の象徴である大統領宮殿が7日朝、あっけなく米軍に制圧された。最精鋭の共和国特別防衛隊の抵抗がなかったことから、フセイン政権は抵抗の主戦場をチグリス川の東岸にある旧市街地に想定していると見られる。今後、民衆を盾にした市街戦で権力の延命を図る可能性があるが、どこまで民衆を従わせることができるかが鍵となりそうだ。
この日占拠されたチグリス川西岸の大統領宮殿は、川向こうの東岸沿いに走るアブヌワース通りから見えるが、写真を撮ることも禁じられ、長い間「絶対権力」のありかだった。その宮殿の制圧は国民にとって、身近な権力の象徴の一つが崩れたことを意味する。
米英軍がサダム国際空港を制圧して「バグダッド国際空港」に名前を変えるなどの象徴破壊の戦術は、国民の中にある絶対権力への恐怖を崩す作戦だ。大統領宮殿の素早い制圧は、国民に「フセイン体制はあとがない」との意識を植え付け、政権支持の放棄を誘う作戦と見られる。
米軍は開戦以来、「大統領の軍隊」である共和国防衛隊を武装ヘリや空爆でたたき、徹底抗戦の余地を与えない戦術をとった。防衛の最大の山場と見られたカルバラで米軍がメディナ機甲師団の防衛線を突破した時も、ほとんど抵抗はなかった。国際空港の攻防でも共和国防衛隊の抗戦は限定的だった。すでに空爆によって装備は半減していると英軍事筋は推定する。
首都内の守りは、大統領への忠誠心が高い1万5000人の共和国特別防衛隊が担う。そのため、道幅も広く、米軍の戦車部隊が動き回りやすい西岸を放棄し、抵抗の拠点を東岸に移す戦術を取る可能性がある。東岸は戦車の通れない狭い路地が迷路のように走る繁華街やバザールがあり、装備で劣るイラク側のゲリラ戦には適している。
さらに東岸の密集する住宅地が抗戦の場となれば、民間人の犠牲が大きくなるのは避けられない。 (04/07 21:37)