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【ワシントン佐藤千矢子】イラク戦争が長期化の様相を見せる中、ブッシュ共和党政権を支える保守層内で、「伝統的保守派」と「新保守主義」(ネオ・コンサーバティブ=ネオコン)の対立が強まってきた。対イラク政策をめぐって、現ブッシュ政権の高官たちと、父親の元ブッシュ政権の高官たちの「暗闘」も指摘されている。
3月31日付の米紙ワシントン・ポストは、ブッシュ父子の側近たちの間で高まる不協和音に言及した。ブッシュ元政権の高官らは、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官の「3人組」がブッシュ大統領に対して行っている政策提言は「誤りで、米国の長期的利益にとって危険でさえある」と指摘、それを大統領に納得させようと「舞台裏の努力」を始めたというのだ。
記事では「ネオコン」の言葉は使っていないが、チェイニー副大統領ら3氏はネオコンの影響を強く受けている。ネオコンはユニラテラリズム(単独行動主義)の色彩が濃く、イラク戦争を強力に推進し、「米軍がイラクに侵攻すればイラク国民は歓迎し、短期で勝利できる」などと楽観論を強調してきた人々だ。
一方、ブッシュ元政権の高官らは比較的、国際協調を重視する伝統的保守派で、パウエル国務長官もこちらの勢力に属する。チェイニー氏もブッシュ元政権の国防長官とはいえ、いまや国際協調路線とは相入れない立場にある。
伝統的保守派は、大統領を直接、説得できるのは「父親しかいない」と認識しているが、「まだそうする時期ではない」と見ている。昨夏、ブッシュ元大統領の補佐官(国家安全保障問題担当)だったスコウクロフト氏が「同盟国の支持なくイラク攻撃に踏み切れば、対テロ戦争への支持が失われる」などと表明したところ、ホワイトハウス内では同氏の出入りを歓迎しない空気が強まった。伝統的保守派は、大統領を説得する政治的環境はまだ整っていないと考えている。
一方、「3人組」の一角、ラムズフェルド長官は、迅速な兵力展開やハイテク兵器を駆使した戦争を追求。湾岸戦争時の米統合参謀本部議長だったパウエル国務長官が「圧倒的な軍事力投入」を柱とした「パウエル・ドクトリン」を主張しているのに対し、ラムズフェルド長官は時代遅れの理論として葬り去ろうとしているという。
[毎日新聞4月1日] ( 2003-04-01-20:51 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030402k0000m030111000c.html