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http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu45.htm
2003年3月31日 月曜日
およそ軍隊を運用するときの一般原則としては、軽戦車千台、皮革で装甲した重戦車千台、歩兵十万人の編成規模で、四百キロの外地に兵糧を輸送する形態の場合には、民衆と政府の出費、外国使節の接待費、皮革を接着したり塗り固めたりする膠や漆などの工作材料の購入費、戦車や甲冑の供給などの諸経費に、日ごとに千金もの莫大な金額を投じ続け、そうした念入りな準備の後に、ようやく十万の軍が出動できるようになる。
こうした外征軍が戦闘するとき、対陣中の敵に勝つまで長期持久戦をすることになれば、自軍を疲労させて鋭気を挫く結果になり、また敵の城を攻囲すれば、戦力を消耗し尽くしてしまい、また野戦も攻城もせずにいたずらに行軍や露営を繰り返して、長期に渡り軍を国外に張り付けておけば、国家経済は窮乏する。
もし、このような戦い方をして、軍が疲労して鋭気が挫かれたり、あるいは戦力が消耗しきったり、財貨を使い果たしたりする状態に陥れば、それまで中立だった諸侯も、その疲弊につけ込もうとして兵をあげる始末となる。いったんこうした窮地に立ってしまえば、いかに知謀の人でも、善後策を立てることはできない。
だから戦争には、少々まずくとも素早く切り上げるということはあっても、うまくて長引くということはない。そもそも戦争が長期化して国家の利益になったためしはない。だから、用兵につきまとう損害を徹底的に知り尽くしていない者には、用兵がもたらす利益を完全に知り尽くすこともできないのである。
「孫子の兵法」 (二)作戦篇(戦争は膨大な浪費である)より:http://maneuver.s16.xrea.com/cn/sonshi1.html
そもそも戦闘に勝利を収め、攻撃して戦果を獲得したにもかかわらず、それがもたらす戦略的成功を追求しないでだらだら戦争を続けるのは、国家の前途に対して不吉な行為である。これを、国力を浪費しながら外地でぐずぐずしている、と名付ける。そこで、先を見通す君主は、すみやかな戦争の勝利と終結を熟慮する。国を利する将軍は、戦争を勝利の中に短期決着させる戦略的成功を追求する。
◆利益にならなければ、軍事行動を起こさない。
◆勝利を獲得できなければ、軍事力を使用しない。
◆危険が迫らなければ、戦闘しない。
◆君主は、一時の怒りの感情から軍を興して戦争を始めてはならない。
◆将軍は、一時の憤激に駆られて戦闘してはならない。
国家の利益に合えば軍事力を使用する。国家の利益に合致しなければ軍事力の行使を思いとどまる。怒りの感情はやがて和らいで、また楽しみ喜ぶ心境に戻れる。憤激の情もいつしか消えて、再び快い心境に戻れる。しかし、軽はずみに戦争を始めて敗北すれば、滅んでしまった国家は決して再興できず、死んでいった者たちも二度と生き返らせることはできない。だから、先見の明を備える君主は、軽々しく戦争を起こさぬよう、慎重な態度で臨む。国家を利する将軍は、軽率に軍を戦闘に突入させないように自戒する。 これこそが、国家を安泰にし、軍隊を保全する方法なのである。
「孫子の兵法」 (十三)火攻篇(軽々しく戦争を起こすな)より:http://maneuver.s16.xrea.com/cn/sonshi4.html
ラムズフェルド国防長官と制服組との不協和音が聞かれるようになりました。イラク攻撃の戦略を見ているととてもプロの軍人が立てた作戦ではない。みすみすイラクの罠に嵌るような進撃は疑問を持たざるを得ない。湾岸戦争やアフガン攻撃に見られたような1ヶ月以上の空爆が必要だし、バクダッドまで攻め上るのなら十分な補給線を確保する必要がある。湾岸戦争時はイラク攻略の困難さがわかっていたからすぐに停戦した。
「孫子の兵法」が指摘しているように軽はずみに戦争を始めて敗北すれば、滅んでしまった国家は決して再興出来ず、死んでいった者たちも二度と生き返らせることは出来ない。おそらくイラク攻撃の敗北がアメリカの滅亡への引き金になるのだろう。イラク戦争の様子を見ていると、アメリカ軍は負けたくて戦争しているように思える。最悪の作戦で最悪のタイミングで戦争を始めてしまった。
10万の兵力増強も最悪の作戦だ。泥縄的作戦の変更は、敗北する軍隊の法則に則っている。日本の日中戦争から太平洋戦争にいたる作戦は、泥縄的作戦の連続だった。戦争では勝っていても戦略的に負けていた。日本の帝国軍人たちも、アメリカのネオコンのラムズフェルドたちも「孫子の兵法」を学んではいないのだろう。愚者は経験でしか物事を知ることが出来ないのだ。
アメリカは総勢30万の軍隊でバクダッドを包囲したところで、莫大な補給物資を消耗してしまい、植物が立ち枯れするように敗北するだろう。機械化された軍隊は一日に膨大な燃料と物資を消耗してしまう。その補給が十分でないというだけでアメリカ軍は撤退せざるを得なくなる。地政学的に海洋国家の軍隊は大陸奥深く攻め上ることは出来ない。日露戦争においても奉天までが限界である事を、軍人も政治家も知っていた。しかし日本国民は知らなかった。
もしかして、これはネオコンも計算済みなのかもしれない。アメリカ軍が劣勢となり戦死者も増大して危機が訪れた場合、イスラエル軍がイラク戦争に参戦して、米英軍を救出するというシナリオだ。その結果イラク軍は敗北して、米英とイスラエルが勝者となりイラクを統治する事になる。イスラエルは労せずしてイラクの油田と、チグリス・ユーフラテス川の水資源を得ることになる。まさに大イスラエル建設の野望は一気にかなえられることになる。
911以来の壮大なる謀略シナリオは、あともう一歩で決着しつつあるのかもしれない。米英の軍隊をイラクに引きずり込み、そのドサクサに乗じてイスラエルも参戦し、一気にイラクそのものを解体し、大イスラエルを建国するという野望だ。その為には米英軍は危機的状態にならなければイスラエルは参戦できない。だからこそアメリカのネオコンは、わざと負けるような作戦をたててイラクに攻め込んだのだ。
このような陰謀は、911から始まったのではなく、「アラビアのロレンス」の時代から始まっているのかもしれない。まずイスラエルを建国させ、世界のユダヤ人を集める。そしてパレスチナ人を追い払い、イスラエルを拡大してゆく。その為にアメリカを手足のように利用して、一気にイラクを乗っ取ってしまう。中東の「民主化」というキーワードはイスラエルのためのプロパガンダなのだ。
米軍の補給作戦の現状を追う YAHOOニュース:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030331-00000079-mai-int
制服組からラムズフェルド長官への批判 YAHOOニュース:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030331-00000053-mai-int
彼らは大イスラエル建国のための人柱だ(写真):http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu45.htm