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誤爆?続き反米感情高まる 犠牲者の映像にアラブの怒り
バグダッドの市場で28日、50人以上の犠牲者を出した爆発は米英軍のミサイル着弾の可能性が指摘されている。誤爆とみられる被害が連日のように続いていることは、イラクの人々をフセイン政権打倒に向かわせるどころか、逆に反米感情をあおり立てる結果となっている。
28日の爆発は、被害を受けた市場の生々しい模様をカタールの衛星放送アルジャジーラなどが放映。同放送は「市場近くに(攻撃の標的となる)軍事施設はない」とし、「誤爆」と伝えた。犠牲になった子供の遺体も映し出し、アラブ各国の激しい怒りも招いた。
原因については、米爆撃機が落とした爆弾説、米英のミサイル説が取りざたされる。米中央軍は29日の会見でも自らのかかわりを否定せず「調査する」と述べるにとどめた。
バグダッド市内では28日午後にも住宅街で8人が死亡したばかり。これも誤爆の可能性が指摘される。このほか26日にもバグダッドの市場で誤爆と見られる爆発があり、15人以上が死亡。この事件で米中央軍は「軍事施設が住宅地近くにあるとこのような被害は避けられないこともある」と、事実上誤爆を認める緊急声明を出したが、数時間後に撤回する迷走ぶりを示した。
様々なハイテク機器を使う米軍の空爆は開戦前は「非常に精密」とされてきた。しかし開戦すると、誤爆だけでなく友軍同士の誤射まで相次いでいる。
米英はもともと、空爆など徹底的な集中攻撃で相手の戦意をそぐ「衝撃と恐怖」戦略をとる一方、フセイン政権転覆の目標を達成するにあたって民衆蜂起も期待し、民間人の被害を極力抑える、としていた。
しかしバグダッドでは軍、政府関連施設と民家は近接している場所が多く、この戦術に無理があったことがはっきり浮かび上がった形だ。イラクからの情報を総合すると、標的への正確さを失った「衝撃と恐怖」作戦は周辺の住民に反発を与えるばかりとなっている。
もう一つの米英側の誤算は、バグダッドに残る各国メディアだ。
91年の湾岸戦争でバグダッドに残った欧米メディアは米CNNテレビ1社。空爆の具体的な被害はあまり伝わらなかった。しかし今回の戦争では、特にフランスのテレビ・主要紙の大半がバグダッドに残留。アルジャジーラなどアラブ系メディアも多数の取材陣で克明なルポを続ける。戦争の実像が映像や記事でリアルに伝えられることは、欧州などの反戦意識高揚にもつながっている。
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開戦後の誤爆・誤射とみられる事件(報道による)
3月22日 イラク北部モスル近くで、車に乗っていたヨルダン人留学生4人が空爆に遭い死亡
23日 イラク西部で米軍機発射ミサイルがバスを直撃、シリア人乗客5人が死亡
同日 巡航ミサイル・トマホーク2機がトルコ領内に着弾
同日 クウェート北部の米地対空迎撃ミサイル・パトリオットがイラク空爆から帰還中の英戦闘機を撃墜。乗員2人が死亡
26日 バグダッド・シャアブ地区の市場への空爆で少なくとも15人が死亡
28日 バグダッド・マンスールの住宅街にミサイルが着弾し、8人死亡
同日 米軍のものとみられるミサイルがトルコ領内に着弾
同日 バグダッドのアッシュウラ地区の市場でミサイル着弾とみられる爆発、50人以上死亡
(03/30 00:13)
http://www.asahi.com/international/update/0330/001.html