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イラク戦争開戦から1週間余。アラブ諸国での反戦・反米行動が日を追うごとに勢いを増し、広がりをみせている。イスラムの週末にあたる27日から28日にかけて各地で行われたデモ・集会は、開戦後最大の規模になった。
■ベイルート
レバノンの首都ベイルート。4000人の子供たちが、開戦以来デモの中心となっている大学生と共に27日、反戦行進に参加した。イスラム教シーア派武装組織ヒズボラが集めた小学生だ。「ブッシュ(大統領)からイラクの子供への贈り物」と書かれたミサイルの模型を担ぎ、「米国に死を」「イスラエルに死を」と連呼した。
ヒズボラは、イスラエルが最も警戒するゲリラ組織。米国から「テロ組織」の指定を受け、「イラクの次の標的」候補とみられているだけに、今回の戦争はひとごとでなく、反戦行動にも力が入る。
イエメンの首都サヌアの反戦デモ・集会には27日、アラブでは最大規模の7万〜10万人が参加した。イスラム指導者が、「イラク国民を助けるためのジハード(聖戦)」を呼びかけると、参加者は、「ジハード、ジハード。サヌアからバグダッドへ」「米国大使館はサヌアから出ていけ」などと叫んだ。
■カイロ
イスラム教スンニ派の権威とされるカイロのアズハル・モスクでは、28日正午すぎから金曜礼拝が始まった。厳戒態勢が敷かれる中、1万人を前にタンタウィ総長が説教した。「だれもジハード(聖戦)の扉を閉じることはできない。聖戦は、我々の領土を守る唯一の手段だ。イラクとパレスチナの人々に力を」
エジプト政府はこの日の礼拝後に、モスクから1キロ先までのデモを許可。参加者数は10万人規模に膨れ上がったように見えた。機動隊が厳しく規制する中で、人々はコーランを振りかざしながら行進した。
イスラム活動家のハメドさん(32)もその一人。イスラム組織の指導者とみられる男性が、「我々の血でイラクを守れ」と呼びかけると、こぶしを振り上げて応じ、興奮した顔で、「アラブの地を侵略する米英軍と戦うため、いつでもイラクへジハードに行く」と話した。
デモ隊は機動隊が厳しく規制する中、手にしたコーランを振りかざし、「ブッシュ(大統領)は神の敵。勝利か殉教しかない」「立ち上がれ、我々も戦うのだ」などと叫びながら行進した。
■アンマン
アンマン旧市街。アルフセイン・モスクの28日の金曜礼拝は、機関銃を据えた車両や多数の警官が取り囲む中で行われた。宗教指導者は米英両国によるイラク侵攻を非難したが、人々を扇動することは避けた。
説教の後、旧市街の大通りキングタラール通りでデモが行われたが、厳戒態勢下、比較的整然と進んだ。
参加者の声を聞いた。アラブ各国指導者を痛烈に批判する人が多い。アンマンに住む工員アブドラさん(31)は「同胞が殺されているのに何もしないアラブの指導者は、どうしようもない。サダム(フセイン・イラク大統領)は支持しないが、各国指導者はサダム以下だ」と吐き捨てた。
「サルだ」「ロバだ」。米英に軍事協力するクウェートやカタールなどには特に強い批判が向けられる。「米英の後ろ盾がなければ、同胞たちはあんな政権をとっくにつぶしている」という言葉も。
イラク南部バスラから出稼ぎに来ているカーゼムさん(25)は「サダムは、アラブ支配を狙う米英に対し、立ち向かっている。この戦争はアラブ民衆にだれが本当の指導者なのかはっきりさせた」。 (03/28 23:10)
http://www.asahi.com/international/update/0328/017.html