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【al-khawarnaq 掲示板】から[イスラム教スンナ派の主な指導者達の見解]
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/431.html
投稿者 medio 日時 2003 年 3 月 29 日 06:33:42:4YqeYfybpmgCI

1480] イスラム教スンナ派の主な指導者達の見解 投稿者:al-khawarnaq 投稿日:2003/03/28(Fri) 19:58:47 No.1480 [返信]

 今回のイラク侵略に対する、イスラム教スンナ派を代表する指導者達の見解が『クドゥス』紙に掲載されていました。
 まあ今回の侵略に対する、イスラム教サイドの公式な見解は、こういったものですよ、と判断していただいて差し支えないものです。

(1)サウジアラビア

(i) 公的な宗教機関に属さないサウジのウラマー達は、「十字軍達」へのジハードを訴え、アメリカ人、イギリス人を助ける者達は不信者である、としました。

(ii) ウサーマ・ブン・ラーディンに同情的であることで知られているシャイフ達、すなわち、

 アリー・アルハディール(?ly ak-KhDyr)、
 ナーセィル・アルファフド(naSr al-fhd)、
 アフマド・アルハーリディー(aHmd al-khaldy)、

 は、「十字軍達への援助を提供する者は皆、不信者であり、捨教者である」とのファトワーをインターネットで公開しました。

(iii) 32人の穏健なサウジのウラマー達は、今月中旬、インターネットで次のような見解を示しています。

 「直接であれ、間接であれ、アメリカ政府の侵略への協力は、個人にとっても政府にとっても、最も大きな罪の一つである」。

 ただし彼らはジハードに関しては、

 「その理由が十分に満たされなければいけない。その条件がそろっていなければいけない。さらに(ジハードに関する)考察は、学識ある重鎮達によって完全になされるのでなければならないし、またその考察は、特殊な(慣例から離れた)法判断であってはならない」。

 としています。

(iv) サウジのムフティー、
 アルシャイフ・アブド・アルアズィーズ・アルシャイフ
 は、このファトワーに支持を示し、3月23日には、イスラム教徒達に忍耐を要求し、

 「どのような情況であっても、服従が最重要事である」

 と訴えています。


(2)エジプト
 アズハルモスクのシャイフ・アルアズハル、アルシャイフ・ムハンマド・サイイド・タンターウィーは、アズハルの検閲委員会で、

 「世界各地のアラブ人、イスラム教徒に、自分自身を、そして自分自身にとって聖なるものどもを守るように備え、この侵略にひるまないよう」

 訴えましたが、後にこの発言の激しさを軽減しました。

 タンターウィー師は、

 「ジハードは、イラクを守るため、イスラム教徒達にとって、個人的な義務となるであろう」

 と確証します(「個人的」とした所がポイント)。他方「ジハードとテロ」の区別も強調しています。


(3)シリア
 シリアの高等ファトワー議長でムフティー長のアフマド・カフタール(aHmd kftarw)は木曜日、世界各地のイスラム教徒達に、

 「アメリカ、イギリス、シオニストのイラクに対する侵略を打ち負かすため、ありとあらゆる殉教的手段、作戦の使用」

 を訴えました。

『クドゥス』3月28日
http://www.alquds.co.uk/TodayPages/Quds01.pdf

 この際きちんと理解しておいて頂きたいのですが、

・スンナ派の場合、カトリックの教皇のような明確な唯一の最高権威のような人物は存在しない。よくアズハルのシャイフ(ここでのタンターウィー師)がそのような人物とされますが、このように、one of them にとどまります。これは主にサウジのプライドがあるわけです。
 ですからスンナ派世界が何らかの問題に関して単一の見解に縛られるということはあまりありません。この「ゆるい多様性」は、スンナ派が長い歴史の果てに培ってきた生活の知恵のようなものです。イスラムをリジッドなシステムと理解するのは、素朴な誤解です。

・さらに、ここに登場した権威達の影響力も相対的なものにとどまります。
 要するに、この人たちがこう発言したからといって、皆が盲目的にそれに従うということはありません。それは一般信者も、宗教界の人間も同じです。宗教組織は官僚組織ではありません。

・いわゆる過激派には、アズハルを「権力の犬」のように判断し、軽視している集団もあります。ですから過激派に対するタンターウィー発言もさほど大きな影響力を持たないでしょう。

・中東屋の中にも、半ば自らの素朴な期待を織り込んで、イスラム世界で大々的なジハードが爆発するのでは、と考える向きがありますが、その可能性は非常に低いといっていいでしょう。「反乱に対する治安維持」が植民地支配のきっかけに利用されてきた経験を持つ地域ですから、安易な反乱の愚かさを骨身にしみて理解しているはずです。
 今蜂起すれば、まさにアメリカの戦線拡大派の思う壺。この程度の見識なら、かなりの層に共有されていると思います。

http://www.azaq-net.com/bbs/bbs.cgi?aramaye
http://homepage2.nifty.com/bet-aramaye/index.html

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