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【ワシントン中島哲夫】イラク戦争は米英地上軍の猛進撃が止まり、27日には12万人もの増派計画が明らかになって、米国内ではブッシュ政権に誤算があったとの見方が広がっている。特に先制攻撃を主張した政権内強硬派は短期間での楽勝を示唆してきただけに、今後予想される激しい地上戦で米兵やイラク民間人に多くの犠牲が出れば、反戦派からの強い批判を免れない情勢だ。
強硬派の代表格はチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官ら。米国流の価値観を普遍的な正義と考えるネオ・コンサーバティブ(新保守主義)の影響を強く受けている。
米メディアによれば、3人ともイラク攻撃の作戦計画策定段階で5万〜7万5000人程度の小規模展開による電撃作戦を提唱した。だが、結局はオーソドックスな大規模展開を望むフランクス中東軍司令官の慎重論も反映され、長期化にも対応できる形になった。12万人の増派も、早期展開が見込まれていた歩兵師団や機甲師団を含んでおり、軍事的には無理なものではない。
問題は副大統領や国防長官が、開戦への支持を広げるためか楽観的な見通しを強調し過ぎたことだ。チェイニー副大統領は開戦前の16日、米NBCテレビで自信満々の本音を語った。
「ならず者国家やテロリストの脅威に効果的に対処できる唯一の国が米国だ」「我々はイラク国民から解放者として歓迎されるだろう」
ラムズフェルド長官も1月22日の記者会見で、戦争期間を「4日か、4週間か、4カ月か」と語り、米兵の死傷は「少ない」と予測した。2月27日には「6日か、6週間か、6カ月か」と述べた。多くの米国民は「米兵の犠牲はほとんどなく、1週間以内で終わる」と期待した。
ところが、米軍はゲリラ攻撃を受けて死傷者が続出し、軍事専門家の間では、バグダッド攻略には少なくとも2カ月程度を要するとの見方が出ている。
ウルフォウィッツ副長官は24日、英BBC放送との会見で「抵抗はあるに決まっている。これが戦争だ」「(抵抗を)意外だなどと言う人は、ものが分かっていない」と述べた。「誤算」はなかったという言い分だが、米国世論に受け入れられるかどうかは不透明だ。
[毎日新聞3月28日] ( 2003-03-28-20:02 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030329k0000m030080000c.html