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[ワシントン 27日 ロイター] 米軍は、激戦が予想されるバグダッド攻略に向けて準備を進めているが、バグダッド攻略は、米軍にとって、ベトナム戦争以来の大規模な市街戦に発展する可能性がある。
米国防総省は、バグダッドをフセイン政権の「重心」と位置付けており、バグダッド制圧が、フセイン政権の崩壊や地方の抵抗減少につながる、とみている。
軍事アナリストは、この週末にも、バグダッド南方で、第3歩兵師団などの米軍部隊と、イラク共和国防衛隊の間で、大規模な戦闘があると予想している。
米軍が、共和国防衛隊を抑えた場合は、バグダッド攻略が視野に入る可能性がある。
米国防総省は、バグダッドを取り巻く防衛線を突破した後の攻略計画については、内容を明らかにしていない。
軍事アナリストの間では、第3歩兵師団による大規模な地上戦や、陸軍第101空てい師団ヘリコプター部隊、特殊部隊による攻撃といった正面攻撃を予想する声や、バグダッドの孤立化や限定的な作戦の実行といったより慎重な作戦を予想する声が出ている。
ラムズフェルド国防長官は、27日、上院公聴会で、米軍が攻撃開始から1週間でバグダッドまで80キロの地点まで進軍したことを明らかにした。
長官は、「次は、対応がさらに難しい共和国防衛隊と対決しなければならない。イラク軍が壊滅もしくは投降した後、次の段階として、バグダッドを攻略する」と発言。バグダッドでは、イスラム教シーア派など、市内にいる一部のイラク人が、米軍のバグダッド制圧を支援するとの見通しを示した。ただ具体的な作戦計画は明らかにしなかった。
レキシントン研究所のアナリスト、ローレン・トンプソン氏によると、米軍は、1968年のベトナム北部フエでの戦闘以来、大規模な市街戦を経験していない。
同氏は、「米軍は、市街戦で勝利したが、市内は破壊され、民間人にも多数の犠牲者が出たため、勝利の実感はなかった」と指摘している。
フエの市街戦は、1カ月に及び、2500人の米海兵隊が、1万人以上の敵軍を敗った。
フエの人口は14万人だったが、バグダッドの人口は、約500万人に達する。
トンプソン氏は、この週末にも、共和国防衛隊が、バグダッドに向けて進軍する米軍と交戦する可能性がある、と指摘。米軍の空からの攻撃などにより、共和国防衛隊が「ほぼ一掃される」との見方を示した。
この戦闘で、イラク軍が化学兵器を使用する可能性もあるという。
トンプソン氏は、この戦闘で生き残った共和国防衛隊の兵士が、バグダッドまで後退し、フセイン大統領に対する忠誠心が最も高い超精鋭部隊「特別共和国防衛隊」と合流、バグダッドを防衛する可能性がある、とみている。
同氏は、共和国防衛隊がバグダッド南方で米軍に敗れた場合、バグダッド制圧には、5─6日かかると予測。特に民間人に、これまでの戦闘を大幅に上回る死傷者が出る見通しという。
同氏は、「短期決戦を望むなら、民間人だけでなく、米軍側にも、死傷者が出ることを覚悟しなければならない」と指摘した。
一方、湾岸戦争で活躍した元軍人で、外交問題評議会のアナリストであるウィリアム・ナッシュ氏は、バグダッドの正面攻撃はベストな戦略ではないかもしれないとし、「バグダッドを孤立化させ、通信を遮断すれば、サダム(フセイン大統領)は、イラクの支配者ではなく、バグダッドの市長だ。成果は大きい」と述べた。