現在地 HOME > 掲示板 > 戦争29 > 299.html ★阿修羅♪ |
|
【ワシントン中島哲夫】イラク戦争は26日、首都バグダッドと南部バスラでイラク軍が市外へと動き、米軍は空挺部隊の約1000人をイラク北部に投入するなど、新たな展開があった。南部から猛進撃を続けてきた米地上軍はイラク側のゲリラ戦術や補給不足に苦しみ、本格的な首都攻略作戦には大規模な増援を待ってから踏み切るべきとの見方も出ている。
イラク北部のクルド人支配地域には既に200人近い米特殊部隊が展開していたが、パラシュート降下した陸軍第173空挺旅団によって初めて本格的な陸上作戦が可能になった。
しかし本来、同地域には陸軍第4歩兵師団がトルコ経由で侵攻する計画だった。キルクークなどの油田地帯を制圧し、トルコ軍とクルド人の衝突も警戒しなければならない。1000人程度の兵力ではバグダッドへと進撃する余力はないとみられる。
北部に入り損ねた第4歩兵師団の兵士らは30日に米本土を出発し、空路クウェート入りする見込み。トルコ沖で待機していた戦車などの輸送船団がペルシャ湾に到着し、態勢を整えてイラクに展開するには2週間以上かかるとの見方もある。
一方、バグダッドまで約80キロのカルバラ近郊に進撃した米陸軍第3歩兵師団は首都を守る共和国防衛隊メディナ師団との対決を控えているが、水や食料、燃料、弾薬の補給が十分でない。東の進路で北上した米海兵隊第1遠征軍も補給部隊への奇襲で5兵士が捕虜になるなど、補給線の安全確保が不可欠だ。
しかも24日、メディナ師団の戦車を撃滅しようとした米軍の攻撃ヘリ編隊30数機がほぼすべて、軽火器による集中攻撃で予想外の被害を受け、25日にはナジャフ南西サマワでの戦闘でM1A1エイブラムズ主力戦車2両などが損傷で動けなくなった。同戦車が戦場で破壊されたのは初めてだ。
いずれも米側に戦死者はなく、イラク側は兵士多数が死亡、戦車や装甲車両多数を撃破された。しかし米軍は、91年の湾岸戦争では経験しなかったイラク側の攻撃力と戦意の高さに驚いている。バグダッドなどからのイラク軍の移動も反攻に向けた配置換えと見て警戒している。
こうした状況を背景に27日付の米紙ワシントン・ポストは、複数の米軍高官がイラク戦争は数カ月続き、米軍には相当な増援が必要だと確信していると報じた。近日中にメディナ師団の一部が壊滅し、よほど有利な展開にならない限り、首都攻撃は第4歩兵師団の到着まで待つべきだとの意見も強いという。
[毎日新聞3月27日] ( 2003-03-27-23:27 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030328k0000m030122000c.html