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【ワシントン=大内佐紀】米国防総省のクラーク報道官は26日の記者会見で、イラク戦争で米英軍をてこずらせている民兵組織・サダム挺身(ていしん)隊を「ルール知らずの殺人強盗集団」と評し、捕虜にした場合は「戦争犯罪人」として裁判にかける方針を明らかにした。挺身隊のゲリラ戦法で米英軍側に予想外の損害が出ていることに、国防総省内では、同隊の存在をみくびり対応を怠ったとのいらだちが日増しに強まっている。
報道官は、同隊が米英軍の軍服を着用し、一般イラク市民を殺害するなど、「言語道断の行動に出ている」と重ねて批判。「『民兵』と呼ばれる資格もない。省内で呼称を検討中だ」としつつ、この日は「無法な殺人強盗集団」と断じた。
27日付米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、中央情報局(CIA)など情報機関は開戦前、同隊のこうした行動を予測した報告書を作成していた。しかし、国防総省の作戦立案部門は、同隊の大半はバグダッドにとどまり、フセイン一族の最後の防衛線になると分析していたという。
イラク南部に相当数が展開する同隊は、米軍に待ち伏せなど奇襲をかけ、ナシリヤなど都市部では民間人を装いながらかく乱戦法に出ている。また、士気が低いと見られたイラク正規軍が予想外に崩れず、市民の反乱が起きないのも、同隊員が目を光らせているのが一因とされる。
同隊は湾岸戦争後の95年にフセイン大統領の長男ウダイ氏が創設し、アラビア語名称は「フェダイーン・サダム」(「サダムのために身を捨てる者」の意味)。湾岸戦争で交戦したイラク軍の精鋭部隊・共和国防衛隊とは異なり、米軍にとっては未知の敵といえる。
米情報機関はその勢力を約2万5000人と分析、さらに約3000人の“予備役”もいると指摘する。その士気については、「フセインの生死にかかわらず最後まで戦う」との見方もあるが、国防総省筋は「政権中枢が崩壊すればおのずと瓦解(がかい)する」と読む。
このため、米軍は、同隊をいたずらに深追いし、本格的な掃討作戦を行うことは避ける方針。また、市街戦に誘い込まれればイラク側の思うつぼとなる。ただ、クウェートからバグダッド近郊まで延びきった米軍の補給路へのゲリラ攻撃が続けば、再検討を迫られることになろう。
(2003/3/27/23:27 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030327i113.htm