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米国のイラク戦争を思想的に支える右派シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所で25日、反戦グループがシンポジウム会場に入り、抗議のビラをまいて、退去させられる事件があった。彼らの標的は、シンクタンクの研究員で、批判派が「プリンス・オブ・ダークネス」(暗黒の王子)と呼ぶリチャード・パール国防政策諮問委員長。イラク戦争を正当化する新保守主義の論客だ。戦局の見通しが立たない中、戦争の是非をめぐる米社会の対立は先鋭化してきている。
この日は、戦争の現況を分析するシンポジウムが行われており、会場から「どの程度の死傷者数を想定するのか」という質問が出た直後だった。
「私がお答えしましょう」。1人の女性が聴衆席からすっくと立ち上がった。「パールさん、大事な問題をお忘れです。戦争の非合法性、不道徳性の問題です」と言ってビラを配り始めた。さらにもう1人加わった。2人はただちに会場の外に連れ出され、ビラも回収された。
ビラには、負傷したイラクの幼児の写真の上に真っ赤な手形が押してあり、「あなたの手は血塗られている」と書かれていた。パール氏は先制攻撃のイラク戦争を正当化する新保守主義の論客だが、言論の場に徹する米国のシンクタンクでは、きわめて異例の事件だ。
「どうやら、彼女は我々と意見が違うようですね」。パール氏はこう言って質疑応答に戻った。しかし、会場からの質問にはトゲがあり、厳しいやりとりもあった。
<聴衆>「イラクに民主主義をもたらすといいながら、米国がサウジアラビアなどの権威主義体制を支援するのは二重基準ではないか」
<パール氏>「民主主義にこだわるのは米国の安全保障のためだ。民主主義国家は戦争をしかけない。世界を民主化することが、米国の安全保障に役立つのだ。ただし、その途中で、より大きな悪を倒すための妥協は避けられない」
唯一の超大国となった米国の軍事力で、世界を作りかえるのだという自信にあふれていた。 (03/26 15:45)
http://www.asahi.com/international/update/0326/020.html