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イラクに侵攻した米英軍は25日、首都バグダッドに向け進撃を続けた。早ければ同日中にもバグダッドをめぐって、イラクの精鋭部隊との戦闘が本格化する見通しだ。だが、米英軍がほぼ掌握したと伝えられた南部の大都市バスラで主力部隊の英軍が激しいイラク側の抵抗に遭い後退するなど、各地で苦戦している。20日の開戦以来、米兵11人が戦死したほか、バスラで24日、英兵1人が初めて戦死した。米英軍は「首都攻防戦」で、イラク側のゲリラ戦に手こずるのは必至の情勢だ。
■精鋭部隊に激しい攻撃
【アッサイリヤ空軍基地(カタール)福島良典】米英軍は24日夜、バグダッドの南方約80キロのカルバラ付近で、イラクの精鋭部隊、共和国防衛隊に激しい攻撃を加える一方、イラク北部の戦略拠点に対する大規模空爆を実施した。米英軍は特殊部隊を含む陸空の兵力を総動員し、「首都決戦」に向けた態勢を整えつつある。
米中東軍によると、攻撃ヘリコプター「アパッチ」30〜40機が24日、バグダッド近郊の守りを固めるため、カルバラ付近に展開する共和国防衛隊に対し低空から攻撃を加えた。共和国防衛隊の中でも最強の装備と火力を誇り、フセイン大統領への忠誠心の強さで知られる「メディナ師団」が標的とされる。
しかし、シーア派が多数派を占めるイラク南部で米英軍はバスラ、ウンムカスル、ナシリヤなどでもイラク側の激しい抵抗に遭っている。英軍報道官によると、バスラ南西のアル・ズベイルでのイラク軍部隊との戦闘で英兵1人が死亡した。戦闘による英兵の死亡は初めて。
フランクス米中東軍司令官は地上部隊がバグダッドに向けての進撃にあたり、ゲリラ部隊「フェダイン・サダム」(サダム忠誠隊)などのゲリラ部隊との交戦を意図的に回避していると述べた。
主要都市をう回することで戦力消耗を強いられる市街戦を最小限にとどめ、バグダッド早期攻略を目指すとみられる。
一方、米英軍は24日夜、バグダッド、イラク北部の主要都市モスルなどに対する大規模空爆を実施した。
ブレア英首相は24日、国会で戦況報告で、バグダッドに近づいた米英軍が間もなくイラクの精鋭部隊の共和国防衛隊と戦闘に入ることを明らかにし、「きわめて重要な局面を迎えた」との認識を示した。
【ロンドン岸本卓也】英BBC放送は24日、従軍記者が英軍筋から聞いた話として、イラク南部の制圧を担当する英軍部隊が主要都市バスラや港湾都市ウンムカスルの近郊でイラク部隊の頑強な抵抗を受けていると伝えた。AP通信も同内容の情勢を伝えた。一時は掌握したと伝えられたバスラでは市を包囲していた英軍主力の第7機甲旅団が後退を余儀なくされたという。米中東軍のフランクス司令官の「バスラへ無血入城したい」という希望は遠のいている。
バスラは21日から英軍主導の英米合同軍6000人が包囲している。市内にはフセイン大統領直属の部隊が一般市民の服装で潜伏。市内に入ろうとした一部の英軍部隊にゲリラ戦を仕掛けた。イラク部隊は米英部隊を一般市民が居住する市内に引き入れてから待ち伏せ攻撃をかける作戦を展開している。
イラク部隊は対戦車用ロケット弾や手りゅう弾を所持。これに米英軍の戦車の砲撃で応戦。すでに家屋が破壊されて市民に死傷者が出ているとの情報もある。「市民の犠牲を出さない」という原則に縛られる米英軍は市街戦を避けねばならず、苦戦を強いられている。
やはり、ほぼ制圧されたと伝えられたイラク南部のウンムカスルでも精鋭部隊の共和国防衛隊幹部ら約120人が投入され、英部隊に抵抗している。
また、米英軍に対するバスラ市民の感情も歓迎されるほどではないとの情報も流れており、「米英軍は解放軍として歓迎される」というブッシュ米大統領の予想は期待外れとなる可能性が出始めた。
[毎日新聞3月25日] ( 2003-03-25-14:21 )