現在地 HOME > 掲示板 > 戦争28 > 132.html ★阿修羅♪ |
|
2003年3月19日水曜日 No.467
バグダッドの土地と株は
なぜ急騰したのか
「マスコミ情報の虚実」
フセイン大統領の隠し資産は20兆円という試算がある。独裁者は世界一の大金持ちである故に、死よりも亡命を選ぶだろうと私は再三指摘した。
湾岸戦争時の100万人のイラク軍は現在は37万人に激減し、戦意が低い。10万人の親衛隊は最後まで首都を死守すると言う説もあるが、寝返り説も反乱説もある。フセインはイラン経由で陸路ロシアに亡命するという情報もある。
入り乱れる情報の中で確たる事実は、バグダッドの株価と地価の暴騰である。相場はすでに独裁政権の崩壊を織り込んでいるのだ。戦死、亡命、反乱、暗殺を問わず、フセインを排除すれば戦争は終わる。周辺国も侵略者の恐怖から解放される。イラクは世界第2位の産油国だから、首都バクダッドは中東随一の繁栄を回復するだろう。
そのとき、反戦運動をあおり立てたマスコミは、独裁者の横暴と生物化学兵器の恐怖を暴き立てるだろう。アフガニスタンでもタリバンが敗走すると、マスコミは一斉に残酷非道な前政権を非難した。
投資家がマスコミ情報の偏向に気付いたとき、悪材料は好材料に変る。
「ハードランディング論の破たん」
小泉首相と竹中大臣は、株価が下がっても金融危機は起こさせないと強弁している。冗談ではない。ハードランディング政策の結果株主は100兆円の損害を受けた。大株主の銀行、生保、年金が暴落の直撃を受けて経営危機に陥った。株価と地価の暴落こそ金融危機そのものである。
欧米でも、株価が暴落した途端に不良債権と粉飾決算と倒産が噴出し、年金、生保、銀行が窮地に陥っている。竹中大臣の金融行政を受けた銀行が不良債権を償却すればするほど株価と地価が暴落し、赤字と不良債権が増加した。株価の暴落は小泉内閣の失政の証明である。
張本人の竹中大臣は結果責任を追求されるとついに変節した。大臣が率いる金融庁は自民党に同調し、なりふり構わぬ株価対策に乗り出し、大臣自身も日銀にETF(株価指数連動型上場投信)と不動産投信の買い付けを要請している。
「質への逃避とリスクへの逃避」
水が土地の低きに流れるように、マネーが金利の高きに流れることは金融市場の大原則である。
今、欧米の金融市場で激しい「質への逃避」が起こっている。質への逃避とは、利回りの低い株式(1.8%)を売って利回りの高い国債(3.7%)や不動産投信(4.5%)に乗り換えるマネーの流れである。
世界最大の年金ファンドであるカルパースは昨年、運用資産を1兆円単位で国債から不動産投信に乗り換えて、配当と値上がりで30%の利益を稼いだ。今年も不動産投信を大幅に買い増しすると言う。
奇怪にも、日本の質への逃避はリスクへの逃避となっている。日本の配当利回りは国債(0.7%)が最も低く、株式(1.5%)がこれに次ぎ、不動産投信(5%)が断然高い。しかし日本の機関投資家は利回りが最も高い不動産投信を避け、利回りの高い株式から利回りの低い国債に乗り換えている。
昨年、カルパースが不動産投信を買ったとき、アメリカでは他の年金が続々と追随した。もし日本の年金がカルパースに追随していれば悠々と5%以上の運用益を確保できたが、現実には金融市場の原則に従って資金シフトを断行したファンドは皆無であった。
日本のマネーの流れを正常化するために、即座に不動産投信をTOPIX(東証株価指数)とベンチマーク(機関投資家の運用指標)に採用することを、私は提案したい。
日銀も超低利回りの国債買いをやめて、高利回りの不動産投信とETFを買うべきである。そうすれば日銀は国債暴落のリスクを回避するばかりか、巨額の運用益を稼ぐだろう。
コラム「畠中氏とタヒボ」
No. 466
ホーム
クラブ9ホーム 山本清治 プロフィール 最新コラム スペシャルコラム
株式新聞「クラブ9」 Q&Aフォーム Eメール:club9@kyas.com