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【アッサイリヤ空軍基地（カタール）福島良典、田中洋之】イラクの首都バグダッド攻略をめざす米英の地上軍は２４日、首都南方約８０キロのカルバラ付近に到達し、イラク精鋭部隊の共和国防衛隊と激戦を展開した。北部の石油都市キルクーク近郊でも米軍の本格的な地上攻勢が伝えられ、北部戦線も緊迫の度を深めている。米英軍は２４日中（日本時間２５日午前）にも首都近郊に達する見通しだが、フセイン・イラク大統領は２４日、テレビ演説で国民に徹底抗戦を呼び掛け、イラク南部や中部ではゲリラ戦による米英軍の犠牲者も増えるなど、予断を許さない情勢だ。
各種報道によると、米軍部隊は２４日、イスラム教シーア派の聖都カルバラ付近で、共和国防衛隊と約３時間にわたって交戦。攻撃ヘリ「アパッチ」も投入したが、イラク側はうち２機を撃墜したと主張、米側は１機が行方不明としている。
地上部隊の北上と並行して米英軍は空爆も続けたが、バグダッドでは空爆には関係しないとみられる爆発も頻発している。米中東軍のアビゼイド副司令官は２３日、特殊部隊が市内で作戦行動中だと述べ、フセイン体制の権力中枢を狙った爆破作戦が続いている可能性を示唆した。
また、米地上部隊とイラク軍との戦闘で米兵約１０人が死亡したナシリヤでは、ユーフラテス川にかかる橋をめぐる攻防で米部隊の苦戦が伝えられている。
ブレア英首相は２４日の英議会演説で、米英軍はバグダッドへの「迅速な到達」を目指していると述べ、同日会見したフランクス中東軍司令官も「散発的な抵抗に遭っているが、我々の目標に向けての前進は迅速だ」と満足の意を表明した。しかし、砂嵐などの悪天候で地上部隊の進撃ペースが落ちているとの情報もあり、２４日中に到達できるかどうかは微妙だ。
一方、米軍特殊部隊の数百人が２３日、イラク北部の飛行場に到着したとされ、北部アルビルの南方では同日、クルド人部隊が米軍の支援を受けて機関銃や大砲でイラク軍を攻撃したという。米軍は２４日、キルクーク近郊を爆撃、同市周辺でもイラク軍との地上戦が行われた。
イラクのサハフ情報相は２４日、カルバラやキルクークで「米英兵は包囲され、逃走した」と述べた。
［毎日新聞３月２５日］ ( 2003-03-25-01:28 )
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