現在地 HOME > 掲示板 > 戦争27 > 193.html ★阿修羅♪ |
|
【ワシントン=伊藤俊行】米英軍はイラク時間で23日夜から24日未明にかけ、首都バグダッドに開戦以来最大級の空爆を行ったほか、北部の要衝モスルやフセイン大統領の出身地であるティクリートにも、激しい空爆を行った。地上軍は首都まで100キロに迫っており、大規模空爆は首都近郊でのイラク軍精鋭部隊との戦闘をにらみ、共和国防衛隊などイラク側の中核戦力をたたく狙いがあると見られる。米英軍側はイラク軍一般の戦意は喪失しているとの見方を強めている。
ロイター通信などによると、23日夜から24日未明の空爆では、バグダッド市内では空襲を知らせるサイレンも鳴らず、ステルス攻撃機と見られる爆撃機が低空飛行でバグダッド中心部、南西部に集中空爆を行い、大統領宮殿などを標的にした。
イラク側の対空砲火による反撃もなかったといい、バグダッドの防空能力がほぼ無力化されていることをうかがわせた。空爆標的数などは未発表だが、首都に集結しているとされるイラク軍精鋭部隊の施設などが含まれていると見られる。
地上戦の新たな展開としては、米英軍は23日、クルド人自治区のあるイラク北部への集中的な部隊展開を開始した。トルコからの地上軍進攻を断念する代わりに、輸送機で部隊を北部に空路投入。すでに自治区入りしている特殊部隊と合流し、キルクークの油田やモスルの石油関連施設確保への足掛かりを築く構えだ。また、部隊増強には、クルド人の反政府勢力、トルコ軍が入り乱れて不安定要因が増した地域ににらみを利かせる狙いもある。
ロイター通信によると、トルコ南部のイラク国境に近い村に、イラクが発射したと見られるミサイルが着弾したとの情報もある。
イラク第2の都市、南部のバスラには、米英軍の戦車が進攻しているが、イラク軍の抵抗がなお強く、米軍側は「完全制圧には至っていない」としている。
ラムズフェルド国防長官は同日、CBSテレビに出演し、「72時間という非常に短い時間で成果をあげた」としながらも、「大変な戦いであり、戦争は予見不能だ。これからどのぐらい時間がかかるかわからない」と語った。
一方、マイヤーズ米統合参謀本部議長は、米、英、豪、ポーランドの連合軍側がこれまでに約2000人のイラク兵を捕虜にしたと明らかにした。米軍は、共和国防衛隊など一部精鋭を除き、イラク兵の多くが投降する以前に戦意を喪失して部隊を離れている事例が多いとしており、実際の捕虜の数以上に、イラク軍の戦力が弱まっていると見ている。
(2003/3/24/13:54 読売新聞 無断転載禁止)