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(回答先: 破壊や虐殺の軍事作戦と占領支配とは次元が異なります。 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 22 日 04:23:05)
激しく同意.ただ,イラクに対する今後の処理に関して,以下の点が不明確だと思う,つまりの,イラク新政権の受け皿がどのようなものとなるか,である.
1から行政機構を構築しなければならないアフガニスタンの例とは異なり,イラクにはまがりなりにも行政機構が機能していたはずだし,これを全く無視して新政権は成り立たない.と言って,バース党やフセイン一族をパージするだけで,そっくりそのままこれを継承していいのか.戦犯摘発との絡みで,これは複雑な問題である.
もちろん,イラクの政治体制を最終的に決定するのはイラク人自身だし,あるいは米英の政治的指導である.我々が何を言っても始まらない.しかし,特定の専門家はともかく,我々一般市民は,イラクの政治体制に関して,あまりに無知ではないか.実際,新聞・テレビでは,戦争ニュース以外では,トップになるべき「反政府勢力」「王権」などにばかり注目が集まっているが,現実問題として,イラクの現体制はどのような実態・機能性を持つもので,どの程度民衆の支持を受けているのか.また,諸民族の連邦体制に耐えうる組織なのか.どのような形で「体制交替」がイラクの人々に経験されるのか,また,近い過去において彼らはそれをどのように経験してきたのか.こうした点が挙げられる.こうした点を踏まえないと,単にトップを入れ換えただけで「はい,民主化完了」などという「国際社会」のまやかしに乗せられてしまうと思う.
日本やドイツの占領政策がある程度成功したのも,[道徳的・政治的には問題があったにせよ]有効な行政機構が存在し,それが協力的であったことが大きな要因の1つであったことを,マスコミ諸氏や政府関係者は知らないはずはあるまい.とすれば,それに関する情報を国民に提示することが,マスコミ・政府の最低限の義務ではないか.そうした義務を果たさず,戦争を支持せよ,支持するな,もあったものではない.また,政府は,「復興支援」を戦争協力政策の目玉に据えているが,それを円滑ならしめるには,当然戦後のイラク体制がどのようなものかを,今度こそ,「状況次第」ではなしに,分析した上で計画しなければならない.とすれば,自分たちがどのような情勢分析をしているかを国民の前ではっきりさせる義務が,やはりある.国会もまた,これを追及する義務を持つ.現在の国政を見て,こうした義務に自覚的な人を,私は知らない.
確かに,イラクの今後を考えると,さし当たっては,宗教問題や民族問題,軍備制限問題や石油等資源問題,など爆弾が数珠繋ぎ状態であることからすれば,上の問題は比較的小さな問題かもしれない.しかし,イラクの今後の安定化を考えると,少なくとも無視できる問題ではないと,私は思う.なお,最後に,これはイラクの民主化,という方向性に基本的な賛成の立場から書いているので,民主化反対の立場に立つ人からすると,根本的に無意味な立問かもしれない.