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【カイロ城島徹】米英によるイラク攻撃が本格化した21日はイスラム教徒の金曜礼拝と重なり、各地のモスク(イスラム教寺院)で抗議行動が起こった。カイロのイスラム教スンニ派最高権威機関「アズハル」のモスク周辺では、礼拝に訪れた信者ら5万人を超える市民が「ブッシュ(米大統領)に死を」と気勢を上げ、イエメンでは死者4人が出るなど、アラブ・イスラム世界は「ジハード(聖戦)」を誓う信者の怒りに包まれた。
カイロのアズハルのモスク周辺では、ヘルメット姿の警察部隊が警備に当たったが、参加者らは「我々は米国と戦う」と叫んで投石し、装甲車の放水を浴びた。
けたたましいサイレンが鳴り響く中、負傷者が続々と運ばれ、近くの土産物店主、ムハマドさん(56)は「こんなに荒れたことは過去になかった。イスラム教徒を傷つけた米国が悪い」と吐き捨てた。現場で取材に当たった地元紙記者、アハマッドさん(27)は「戦争を制止できなかったエジプト政府に対しても人々の不満は大きい」と解説した。
エジプトでは開戦した20日にも同国北部で学生らの抗議行動が起こり、治安警察との衝突で計36人が負傷(当局調べ)している。同国は米国に多額の援助を受けており、こうした抗議行動には治安警察が厳格に対処してきた。だが、パレスチナ紛争の激化により国民の間で高まっていた「米国はイスラム教徒を迫害している」との不満が、開戦で一気に噴き出した形となった。
一方、中東各地からの報道によると、イエメンの首都サヌアで21日、抗議の群衆と治安部隊が衝突、11歳の少年を含む参加者3人と警官1人が死亡し、多数の死傷者が出た。群衆はタイヤやごみを燃やして「戦争より平和を」「米国の覇権と偽善はもうたくさんだ」と叫んで米国大使館に向かい、治安部隊が発砲したという。
シリアの首都ダマスカスでも20日、イラク攻撃に抗議する1000人規模の群衆が警察部隊と衝突。「戦犯ブッシュ」と叫ぶ若者らがイラク国旗を振りかざして抗議行動を行ったが、催涙ガスを浴びせられ、数人が逮捕された。
パレスチナ自治区ガザ市では21日、イラク戦争に反対する数千人が通りに繰り出し、イラク国旗を掲げるとともに、米国旗とイスラエル国旗を燃やした。同日、イラクでも市民らが「ジハード」を叫び、礼拝で「フセイン大統領と命運をともにする」と決意を述べる姿が各モスクで見られたほか、「反戦」「反米」の動きはレバノン、サウジアラビア、イランなど中東各地に広がった。
[毎日新聞3月22日] ( 2003-03-22-00:42 )