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先ほど「BBCニュース」でラムズフェルド長官とマイヤーズ統合参謀会議議長の記者会見の模様が中継で放送された。
それを見聞きした印象では、ちょうどその1時間前に『米英軍の「イラク侵略作戦」を読む − 長期化の可能性 −』( http://www.asyura.com/0304/war26/msg/497.html )という書き込みを行ったが、イラク侵略作戦は、そのとき考えていたシナリオよりもm米国政権のほうがもっと“深刻”に考えているようだ。
まず、戦争の遂行責任者であるラムズフェルド長官とマイヤーズ統合参謀本部議長がともに意気や覇気を感じさせない会見を行った。
マイヤーズ氏は戦争時の制服組トップらしくないというだけで普段とそれほど変わっているとわけではないが、ラムズフェルド氏は、語りにも力強さがなく、説明の論理も甘いものであった。
ラムズフェルド長官は、終始、今回の作戦が「イラクの解放」を達成するものであることを語り、イラク国民もイラク国軍も共和国防衛隊もそれを願っているはずだとし、フセイン政権の崩壊が間近であることは彼らもわかっているはずだから、少し考えればイラクの解放という彼らの願いに沿った行動を起こすはずだと説明した。(結局、実質これだけの説明をしただけである)
ラムズフェルド長官は、イラク軍兵士の投降や寝返りそして反フセイン政権の反乱を期待しているというか期待したと見受ける。
ひょっとしたら、最後通告を発した時点から今日の攻撃終了までの間にクーデタもしくは反政府蜂起が起きるのを期待していたのではないかと推測させるような説明だったのである。
わざわざ自分が共和国防衛隊の人間だとしたらこう考えるだろうという想定を行い、余命いくばくもない政権に忠誠をつくすのではなく、イラクの解放のためにその政権を見限るだろうと語った。
ラムズフェルド長官自身が、最後の締めくくりとして、イラク軍の兵士の投降や寝返りがなければ、今回の作戦は困難なものになり長期化するだろうとの見通しを述べた。
マイヤーズ統合参謀本部議長も、今回の軍事行動が短期で終わるという声も多いが、そんなに簡単なことではないと強調した。
● 「イラクの自由作戦」について
ラムズフェルド長官は、一部の報道機関が「イラクの自由作戦」という名称が一方的なものでしかないと言っているがそんなことはないと反論した。
これにもおやっと思った。普段のラムズフェルド長官であれば、とうとうと正当性を説明したであろうが、ただ「そんなことはない」で済ました。
● バスラでの油井15箇所の火災について
ラムズフェルド長官は油田に火を放つ行為は戦争犯罪でありイラク国民の富を奪うことであり罰を免れないと主張したが、質疑応答で記者からバスラで発生したとされる油井火災について、同盟軍の攻撃によるとされているがどうなのかという質問をされても、それを否定することなく、その件についてはいくつかの情報を入手している、3、4箇所の油井はイラク軍が火を放ったという話もあると説明しただけであった。
● ラジオ放送ジャックについて
ラムズフェルド長官は、イラク国民に外に出ず家にとどまるよう語り、ラジオ放送に耳を傾けて欲しいと説明し、その情報に従えば安全が確保できるとした。
これは、ロイターが報じたイラク国営ラジオ周波数の乗っ取りを認め、イラク国民及びイラク政権に対する情報操作を行うことを表明したことになる。
率直な感想として、ラムズフェルド長官は、けっこう本音で、米軍が軍事行動を起こせば、圧政のなかで経済的困窮を強いられてきたイラク国民とりわけイラク軍兵士が政権を見限るに違いないと考えていたようである。
そして、南部や北部でも、米軍の軍事行動に呼応したかたちで反乱蜂起が起きると期待したと思われる。
そのような予測と期待が裏切られた現実に直面して作戦の見直しを迫られているように思えた。