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(回答先: 事務次官会見記録(平成15年3月17日(月) 17:00〜 於会見室)(外務省) 投稿者 中央線 日時 2003 年 3 月 19 日 17:37:53)
外務大臣会見記録(平成15年3月)
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INDEX
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外務大臣会見記録 (平成15年3月18日(火)9:30〜 於:本省会見室)
閣議・閣僚懇談会
(外務大臣)閣議での私の発言は特にございません。それから閣僚懇談会でイラクのことについて総理からご発言がありまして、それは英米両国が決議案の採択を求めないということになったものですから、イラク情勢が更に今緊迫したということをおっしゃって、それで関係の大臣、防衛庁長官等々、あとは経済の問題を担当している閣僚の方々、そういう人たちに「しっかりやってほしい」とそういうご発言がありました。
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中東地域の邦人の避難状況
(外務大臣)それで私からは、邦人の避難の状況についてお話をいたしまして、そして今イラク、クウェートの在留邦人の数は相当に減っていまして、イラクには35名、クウェートには83名の在留邦人がいるけれども、引き続き、現地及び東京で早期退避を働きかけて安全確保に全力をあげるということを申しました。それで全体として、あの地域(中東地域)にイラクも含めまして全部で3月18日現在で今5,348名います。イラク、クウェートからは大幅に減りましたけれども、近隣の諸国にその人たちが行ったという状態、ヨルダンでは242名から269名に増えているということもあります。他の地域は大体減っています。そういうことをお話しいたしました。以上です。
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イラク情勢
(問)日本政府が望ましいとしていた新しい国連決議が無いまま武力行使へ向かおうとしている状況ですが、この状況についてどうお考えかということと、それは今まで日本政府がやっていた国際協調と日米同盟の両立で武力行使を判断するという前提が国際協調という方面で崩れたということには今なりませんでしょうか。
(外務大臣)日本政府としては、今まで国連での決議が出来るということのために努力をしてきましたので、今回のこういう状態であるということについては残念に思っています。それで国際協調が崩れたということですけれども、大量破壊兵器を無くすということが重要であるということについては、これは国際協調している、一致しているわけです。それで今後の展開については、今おっしゃられたような展開がある可能性は非常に強いと思いますけれども、ブッシュ米大統領は今日スピーチをするということをおっしゃってらっしゃるので、それを待ちたいと思います。国際協調というのは、そういう意味ではちゃんと大量破壊兵器、目的についてはみんな一致をしているということです。それから日本政府はそのスピーチを聴いて判断をするということになると思いますけれども、それについては、何よりも大事なことは大量破壊兵器、これを無くすということがまさに1441、或いは一連の12年間の決議に書かれているように、それが非常に重要であるということが一番の根本にあると思っています。それからもう一つ、パウエル米国務長官が演説をして言っているように、平和的にこの状態を終わらせる、平和のままで終わらせるという可能性ということはあるということですから、イラクが今きちんと対応するということは何よりも大事だと思っています。イラクにそれを求めているということです。
(問)その中で米国のフセイン大統領の国外退去ということを強く求めているようですが、日本政府としても大統領の亡命というものを求められるお考えでしょうか。
(外務大臣)これは全てブッシュ米大統領の演説を聞いてみないとよく分からないと思います。日本政府の立場というのは前から言っていますように、この問題の根幹はイラクが持っている、懸念を持たれている大量破壊兵器を始めとする国連の今までの決議、これにイラクが従うということが重要であるという立場です。
(問)ロシアとフランスとドイツは軍事行動に反対していますけれども、日本の政府としてはこういう立場を支持しているかどうか、どうお考えですか。
(外務大臣)ブッシュ米大統領が演説をしますので、その上で武力行使についての態度は表明するということになると思います。
(問)なぜブッシュ米大統領の演説を聞いてから判断するのですか、別に日本は独立国家だから米国の意見を聞く前に日本は日本で言えば良いのではないか。
(外務大臣)パウエル米国務長官の演説にもありましたけれども、今まだイラクに対しまして平和的に、パウエル米国務長官が深刻な結果を避ける唯一の方法はフセインとその側近が国外退去し、部隊の平和的な入国によって問題ない解決を図ることであるという発言をしているわけですね、それは日本が平和的にこの問題を解決するために国際社会が一丸となってイラクにメッセージを送るということをずっと言ってきたわけですから、今この時点で米国は武力行使を今直ちにしますと言っているわけではない、そういう意味で米国の対応、何を考えているかということを見るとそういう意味で申し上げております。
(問)しかし武力行使についてはそうかもしれませんが、フセインの亡命を求めるか求めないか、米国の話を聞かなくても、日本としてはどっちですか。
(外務大臣)先程言いましたように、大量破壊兵器の廃棄とか、それから今までの国連の決議をイラクが守ることが重要であって、それを今日本がずっと求めてきているわけですね、それが日本の目的としていることなわけですね、その目的を達成するための手段、これはまさにイラクの判断にかかっているということでして、日本の政府が望んでいることというのはイラクがきちんと判断をするということを求めているということです。それはいろんな可能性があるのではないでしょうか。
(問)ブッシュ大統領の演説の前には、武力行使が正しいかどうかということに関して、日本の立場は決まることはないでしょうか。
(外務大臣)日本の立場は、これはずっと私は国会でも言ってきているんですけど、イラクによる大量破壊兵器の廃棄や、それから今までの国連決議が様々ありますよね、そういったことをきちんと守るということが大事であるということなんですね。それをどうやってやらせることができるか、日本はずっと今まで国連の決議を追求をして、それでイラクに国際社会全体として毅然として対応していくということは大事であるということを言ってきたわけですね。ですから、それが目的であるということです。それを達成するためにそれぞれの時点でどういう手段が考えられるかというのは変わってくるかも知れないけど、日本は引き続きそういう意味では、イラクが平和的な解決をするために正しい判断をするということを望んでいるということです。
(問)今回、新しい決議に向けた外交的努力を米国が打ち切ったわけですが、そのことについては大臣はどのように評価しますか。
(外務大臣)私は昨日の夜、ドビルパン外務大臣とも話をしたんですけど、そういう意味では決議が国際社会の一致する形でできなかったことについては残念に思っています。
(問)国連のアナン事務総長が、今回の事態について特に米国が武力行使をやった場合は正当性に疑念があると発言をしていますけど、この件についてどのようにお考えですか。
(外務大臣)アナン事務総長が「国連の外で」という言い方をしてらっしゃると思うんですけども、米国は、ブッシュ米大統領の話を聞かないと最終的には分かりませんけれども、パウエル米国務長官の記者会見では、1441とか687とか678とか、過去の決議によってそういうことはあり得るんだという考え方を示していると思うんですね。これは、私も国会で言いましたけども、今度の決議、求めていた決議というのは、イラクが今までの決議に違反をして、そして、687の基礎が崩れた、イラクがきちんと今までのずっとある国連決議を守ってきていないということを確認をすると、そういう性格のものであるわけですね。今度の決議自体が採択されるということが武力行使の根拠であるということでは必ずしもない、それは過去の国連の決議がありますということですから、米国はこの決議がない状況で、採択されない状況で仮に武力行使をするとしても、それは別に国連の外でやっているわけでは全然ないというふうに思います。
(問)687、678決議があるので、米英軍が武力行使したとしてもそれは国際法上問題がないと川口外務大臣もお考えになっているということですか。
(外務大臣)米国がどういうことでこの話をするのかというのは、これはブッシュ米大統領の話を聞いてみないと分かりません。ですけれども、今までの国会で言っていましたように、今までイラクがやっているということ自体が687に違反している、これは1441自体でそういうふうに決定しているわけなんですね。全会一致で。ですから、それから更に12月に報告書を出した時に省略をしたり、そらから今まで査察に対してその後報告になかったことが出てきたりということもあったわけですね。そういうことがあった、従って687の根拠が崩されている状態になっているという、従ってその結果として678に戻るということがあり得るということは、それは考えています。
(問)日本と中東諸国との関係ですが、もし米国の武力行使に支持という立場を表すことによって関係が悪化するという懸念はないのでしょうか。もしあるとすれば、日本としては何か対策など考えていますか。
(外務大臣)今後の対応については、総理とご相談をした上で、総理がご発表になりますので、わが国としては今の時点で、支持するとかしないとか、そういうことをまだ今後ご説明をしていくということです。ですから、それを離れて一般的に言いますと、アラブ諸国、中近東諸国と日本はずっと今まで良い関係を持ってきたと思います。仮に武力行使があるとしても、これは世界各国がみんなそう思っていますけども、これは大量破壊兵器を持っているイラクと国際社会の問題であって、周りの中東諸国というのはその国際社会の方に入っているということですね。ですから、決してこれはイスラム諸国対他の国という構図ではないですから、それは十分に理解をしてもらっているということです。日本としては、引き続き周辺の国々、中近東にある国々と平和的な良い関係を構築する努力をし続けるということです。もう一つ言えば、中長期的に中東地域が平和であるということを中東諸国も望んでいるし、日本も望んでいるということです。
(問)大臣は今のイラクの体制からフセイン大統領が去れば、その大量破壊兵器の脅威が無くなるという風にお考えか。
(外務大臣)先程言いましたように、大量破壊兵器、或いはイラクがそういった今までの国連の決議を守ってこなかったということをイラクに守らせるためには、幾つかの手段はあると思っています。
(問)例えば昨日のパウエル米国務長官の会見ですが、フセインに対して(イラク)出国などを求めている、それから3首脳の共同声明なんかを見るとイラクの人々に不満と抑圧からの解放ということが強調されている。それはむしろ大量破壊兵器というより、フセイン政権そのもの自体が悪であって、それを変える必要があるのかということに力点が置かれているように感じますが、そこはどうなのでしょうか。
(外務大臣)そこは決してそういうことでは無いと思うんですね、ずっとそもそも1441というのは、そういうことではないですね。イラクにどうやって守らせるかということですから、私なりに解釈すれば、そういうそのサダム・フセインの国外退去ということというのは、これは手段の一つとして位置づけているのではないかと推測はいたします。
(問)今回、結局国連がこういう事態で割れて、打ち消すというようなことの理由、原因はどこにあると大臣はお考えでしょうか。
(外務大臣)外交というのは、本当に難しいものだからと改めて思っていますけれども、やはりいろいろな複数の国が集まって動いていくときのダイナミックスと言いますか、運動の力学と言いますか、そういうことのタイミングが非常に上手く合わなかったということだろうと思います。それで私の感想としては、英国が修正案についてのノンペーパーを出しました、あれはむしろイラクにそれを守らせることによって過去の国連の決議を守りましたということを言うための大事なノンペーパーであったと思うんですね。それについて、そういう議論がなされる前に反対だという動きが片方であったわけで、そういうことは非常に残念だったと思いますね。あれは決して難しい条件ではないわけですよね、イラクは廃棄しますということをアナウンスをして、幾つかの例えば科学者を外でインタビューさせたり、応じさせるとか、他の幾つかの条件を守ればいいと、それを守ればイラクとして過去の国連決議、それを守ったとみなすと簡単に言えばそういうことでしたから、しかもその幾つかのことを守るというのは、英文でご覧いただくと現在進行形で書いてありますね、全部廃棄しなくても、要するにis yieldingと書いてあるんですけれども、それはそういう状況であればという非常に守りやすいものを出したと思うんですね。そこで合意が達成できれば良かったと私はしみじみと思っています。
(問)安保理の3カ国(ロシア、フランス、ドイツ)は、武力行使を明確に反対する状態で、日本の政府としては、武力行使を明確に支持するということは可能だと思いますか。
(外務大臣)これはこの今後、総理がきちんと国民の皆さんにご説明をなさることになると思います。ですからそれをお聞き頂きたいと思います。
(問)ブッシュ米大統領、先日の首脳会談の後の会見で、イラクが武装解除しない場合には武力を持って武装解除させるという決議に同調されたのですが、そうした米国の行動、米国等の同盟国を率いた行動があった場合には日本としてはどのようなサポートというか支援を行うお考えでしょうか。
(外務大臣)ですからこれは総理がきちんと説明をなさると思います。それをお待ち頂きたいと思います。
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外務大臣会見記録 (平成15年3月14日(金)09:23〜 於:本省会見室)
イラク情勢
(外務大臣)閣僚懇談会でまた、例によってイラクについてその後の進展について簡単に閣僚の方にお話ししました。
(問)閣議後に官房長官と総理とお話をされていたようですが、内容はどのようなものでしたか。
(外務大臣)イラクです。イラクについていろいろな動きが毎日毎日ありますので、そういったことについてお話を申しあげたということでして、外交的な努力を引き続きやるようにというお話を戴いたということです。
(問)イラク情勢を巡ってですが、イギリスのブレア首相が採決の見通しについて少し悲観的な発言をしたり、若しくはアメリカの方では、今週の採決ということについて少し先延ばしを示唆するような発言があったりしていますが、日本政府としての採決についての現状認識と、そういった米・英の発言についてはどのように受け止めていますか。
(外務大臣)米・英の発言は、それぞれ私は報道で知っているということでして、具体的に直接にお話を伺ったわけではないんです。ただ、いろいろな努力が今現在も国連の安保理で非公式会合が開かれていると承知していますけれども、纏める、国際協調するという観点で、様々な努力が今行われている最中で、私はそういった努力はこれは貴重な努力だと思っています。やはり国際協調をしていかないと、イラクに間違ったメッセージを送るということですので。それで、これも私は報道で聞いている話ですけれども、フランスがイギリスの出した案、ノンペーパーですけれども、これについて拒否をすると言ったと、これも報道ですけども、もしこれが事実であるとすれば、私はイラクに対して非常に間違ったメッセージを送ることになると思うんですね。案の定イラクが、そのイギリスのペーパーを拒否するということを言ってるわけで、国際社会が分かれているということをイラクに対してあからさまに、それを見せて、しかも如何なる案が出てきても兎に角反対だと言い切るというのは、フランスがこれを収拾する努力を本当に一生懸命にしているのだろうかと、しているとしたらば、そういう方向で、どうやって妥協するかということを、きちんとフランス自身もサポートすべきではないかというふうに思います。イラクに対して、さぼっても大丈夫だと、国際社会は一致団結をしてイラクに対応してこないというふうに思わせるメッセージ、これが一番いけないことだと私は思います。
(問)アメリカ政府の関係者は最近、かなり明確な形で、今の新しい決議案のことについて、採択されない場合でも十分に外交努力を尽くしたと、ない場合でも法的根拠は1441までの累次の安保理決議で十分であると明言していますけど、このことについて、日本政府として態度はそろそろ固まっていると思うんですけども、明確にされるのでしょうか。
(外務大臣)日本としては、平和的にこの問題が解決をするということが非常に大事だと思っていまして、そういう意味で、国際協調をして一体となってイラクに働きかけることが大事だというメッセージを、総理も私もずっと電話をしてそういうメッセージを送っています。その立場に全く変わりはないです。それから、アメリカの法的な根拠についての解釈は、今まさにそういう事態になっているわけではないので、具体的にどういうことでアメリカがそういうことを言うかということを、私共は今それについて議論をするというのは適切なタイミングだとは思っていません。
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対外経済協力関係閣僚会議
(外務大臣)ODA関係閣僚会議を今日夕方致しまして、大綱見直しの基本方針についてご議論を戴きます。昨年の12月に、決めてからもう10年経っているODAの大綱を見直すということを私は申し上げましたけれども、その後各省で見直しの基本方針について議論をしていまして、基本方針の案が固まりましたので、今日閣僚会議でそれをご議論いただくということです。その後は、ODA総合戦略会議、或いはパブリックコメンツ、それから実施機関、NGO、その他経済界の方々のご意見を戴いて検討をしていくということです。国民的な議論を充分に尽くした上で、今年の中頃を目途にODAの大綱について、またその時に再度閣僚会議にお諮りをして、最終的な結論を得たいというふうに考えています。
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日米官民会議、日米次官級対話
(外務大臣)もうひとつ日米官民会議というのがございます。これは21世紀において、日米の間の官・民で合同で会議をする。これは、21世紀の経済のいろいろな問題について忌憚のない意見交換をするということですけども、これが4月14日、15日ワシントンで開催をされます。この時に背を並べて次官級の経済対話も致します。この会議は、2001年6月に日米首脳会談があったときに立ち上げられたものでして、今経済を巡っていろいろと不透明な情勢がございますので、ここで議論をしていくということは意味があると思います。この点については、後で資料を配布します。
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拉致問題
(問)先日の家族会の方の訪問で、蓮池さんなんかが、「外務省は敵だ」とかなり厳しいご批判があったわけですが、川口大臣としてはどういうふうに受け止めていますか。
(外務大臣)外務省も政府の中で、政府一体としてこの問題に当たっているので、政府全体として全て反応しているということなんですね。ですから、どこか特定の省が家族の会の敵であるということは全く当たらないと思います。外務省も今まで、例えば家族会の方がアメリカに行かれた時も、外務省は出先のワシントンの大使館に指示をして、いいアポが取れるように一所懸命に現地で努力をしてもらったわけですね。とてもいい会合をやっていただいたと思いますけども、それも外務省が一所懸命努力している話であるわけですし、今までもできることは一所懸命にみんなやっているわけですから、そういう意味でどっかが敵だとかということではなくて、これは日本政府一体として、できるだけ今北朝鮮に言っている話ですけど、今帰ってきていらっしゃる方も、北朝鮮にいる家族の人が一刻も早く一日も早く帰ってきて欲しいと、そうなるように努力していますし、それから事実関係ですね、そういうことを早く教えるべきだということも言っているわけで、最大限の努力を外務省はしています。
(問)家族会との会談で、拉致とテロとの関係なんですが、大臣は普通に考えたらテロだけども、国際的にも決まった基準がないし、国内法もないという考えを示されましたが、普通の考えと、法的整備が一致していないということについては、今後どのように政府として取り組んでいくのですか。
(外務大臣)私が前に、或る雑誌でも書かせていただきましたけれども、そしてこれを家族会で言いましたけども、日本としてテロの問題に対して統一的にと言いますか、それぞれの異なる法律でバラバラに対応するのではなくて、纏めてひとつの法律で対応するということを考えたらいいのではないかと個人的に思っています。それで、それは雑誌にも書かせていただきましたし、テロが21世紀に大きな問題になるということを考えた時に、日本として少し前向きにテロ問題を扱うということを考えることは必要なことだと個人的には思っています。これは、政府の中でいろいろな意見があると思いますので、政府としてそういうことを決めたということを、私の立場から今申し上げられる段階ではないと思います。
(問)新しい、統一的な法律を作るときに、「拉致はテロ」ということになるのか。
(外務大臣)それはいろいろと議論をその時にしていくという話だと思いますね。今、私の口からそうすべきだとか、そのディテールに亘って申し上げるという段階ではないです。今のことは、拉致の家族の方にもお話をしましたけども。
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在日米軍基地関係
(問)普天間の代替15年使用期限問題について、国防総省の担当者が、この問題については解決を求めないということで日本政府と合意しているという内容の話をしているのですけども、事実関係と、大臣のご所見をお伺いしたいのですけども。
(外務大臣)そういう事実は全くないと思います。私自身、この前もパウエル長官にも話しましたし、「2+2」でも話をしたと思います。
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日中関係
(問)昨日、中国の武大偉大使が官邸を訪問して、福田官房長官と会談していますが、その内容について教えていただけますでしょうか。
(外務大臣)その内容について、私は聞いておりません。官房長官の記者会見でお聞きいただいた方が良いかと思います。
(問)今年は、日中友好条約の25周年の記念の年なんですけど、首相訪中の計画は立てられたんですか。中国の唐家セン外交部長も、武大使もやはり、首相訪中の条件がまだ整っていないと言われたんですけど、この条件について日本側はどのように理解していますか。一部のマスコミが、これは「内政干渉」だと指摘していますが、川口大臣自身はこの「内政干渉」についてどのように認識していますか。
(外務大臣)今年はおっしゃるように、日中平和友好条約の25周年ですので、昨年の(国交正常化)30周年と並んで日本と中国との間で要人を含めていろいろな人の交流、交換があると私は思います。特に中国で新しい政権と言いましょうか、陣容が確立をするわけですから、日本としても中国と意見交換を密にして、また様々な問題が国際社会でありますから、連携をして事に当たるということは大変に大事なことだと思います。そういう意味で、いろいろな人の交流というのは、或いは相互訪問があると思いますけれども、今の時点で具体的に、いつ誰がということが決まっているということは無いと思います。それで、唐家セン部長の発言ですけれども、私もこれは報道で読みましたけれども、直接に伺ったわけではないので、ここでそれについてコメントをすることは差し控えさせていただきます。
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外務大臣会見記録 (平成15年3月11日(火)09:00〜 於:本省会見室)
閣議
(外務大臣)閣議でテロ特措法でイタリア、オランダ、スペイン支援の書簡の交換について決定をされたということです。特に発言は閣議ではしていません。それでこの支援については、閣議で決定されましたので、それを受けて今日の午前中に各国の駐日大使との間で書簡交換を行って、その後、実際の支援開始に向けた運用面での調整を行うということです。
その後の閣僚懇談会では、前回も行ったが先週の金曜日以降のイラクの関連の情勢について私から簡単にご報告を致しました。特に質問はありませんでした。
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第3回世界水フォーラム
(外務大臣)水フォーラムが16日の日曜日から23日の日曜日までの一週間、京都府、滋賀県、大阪府の二府一県で第3回世界水フォーラムという名前ですが、それが開催されまして、その締めくくりに22日と23日に閣僚級の会談を行います。それで22日は扇国土交通大臣が議長をなさって、23日は私が議長をするということになっています。この閣僚会議で各国、或いは国際機関が実施をする貢献策をとりまとめて、水行動集として発表を致します。同時に参加国、機関の水問題への取り組みについての決意を表明をした閣僚宣言を採択する予定です。この閣僚宣言では、日本としては良いガバナンスが必要で、そのためにその国際社会が人材育成等の支援をやっていくことが必要だということ、そしてその際には、家庭とか近隣のコミュニティからの取り組みを強化するというようなことを強調をしているということです。水問題は多面的な広がりがありますので、ミレニアム開発目標でも、2015年までに清潔な水にアクセスできない人を半減するということがありまして、世界的に一致して行動をするということが非常に大事なことだと思っています。
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新安保理決議案に際する各国との電話会談
(問)昨日の夜、英国とかドイツの外相と電話会談をされましたが、雰囲気といいますか中身の方を詳しく教えて頂けないでしょうか。
(外務大臣)昨日の夜、私からドイツ、英国、それからアフリカのギニア、カメルーンと話をしました。アンゴラのミランダ外務大臣、この方は前にお会いをしていたのですが、(電話会談は)セットされていたのですが、時間がうまく合わなくなって、日本時間の夜中の12時なら良いというお話だったのですが、ちょっとそれは延ばすということで、今日恐らく(電話会談を)行うことになります。それから総理がブッシュ米国大統領とムシャラフ・パキスタン大統領、それからチリのラゴス大統領とお話になられました。こちら側から言ったのは、決議の修正案が出されて、今世界として一致団結してイラクに対応を迫るということが大事であると、そのためには意見が分かれている状態ではイラクを利するだけでありますので、そういった観点で一致団結をして対応をしてほしい、今が日本として本当に最後の努力をする状況だと考えている。我が国のポジション、そういう意味でこの決議案を支持しているということも伝えました。それで先方からは、国によって違いますが、基本的には一致して対応するということは非常に大事だということについてはみんなそう思っていると言っていた。アフリカのカメルーンとギニアについては、どっちの態度、どっちかにつくということは言いませんでした。いろいろ悩んでいる様子が伺えて、ギニアの外務大臣が今安保理の議長でもありますから、今ニューヨークにいて、ニューヨークで話をしたのですが、その後ワシントンに行って話をし、コナクリ(ギニアの首都)とまた話をする、いろいろあちらも考えているという感じでした。アフリカの国については、今フランスの外務大臣がアフリカの三カ国(ギニア、カメルーン、アンゴラ)を巡る訪問をやっていまして、その後に英国が行くということだと思いますが、各国から今電話がかかっている状態ということで、非常に態度をどうするかということについては、真剣に考え、悩んでいるということです。それから英国は、今国連の場で金曜日以降いろいろな強い外交努力をなされているということを聞きました。それからドイツは一生懸命に努力をしているけれども、非常に難しい事態であるということを、一致団結をして国連としての姿勢を示すということは難しいということを言っていました。
(問)カメルーンとギニアなんですが、これは(川口)大臣からあるいは先方の大臣から日本の経済協力についての言及はあったのでしょうか。
(外務大臣)特にしていません。向こうからもありません。
(問)カメルーンとギニアの外相からは、決議案の内容自体もしくは査察の延長だとか査察に関する内容について、意見の表明や言及はあったでしょうか。
(外務大臣)細かいそういうことは特にありませんでした。非常に一般的な話しでした。
(問)フィッシャー独外相とは査察の延長を巡って意見のやりとりがあったのでしょうか。その会談自体の雰囲気はどのようなものだったのでしょうか。
(外務大臣)非常にフレンドリーな会談をしました。フィッシャー外務大臣は当然ドイツの立場というのは査察を継続すべきだというものですから、その立場の表明がありました。それはよくこちらも分かっていることですから。私からはさっきも言いましたけれども、国際社会として大量破壊兵器の廃棄をすることが大事だというメッセージを一致して出すときに、問題がそこから焦点が移ってしまい安保理での意見の違いということが焦点になっているということは全く好ましいことではないと私は思っていますので、そういう主旨のことを言いました。
(問)昨日の(電話)会談を踏まえて、新しい決議案に9ヶ国の賛成が得られるかどうかについては、大臣はどのような感じをお持ちでしょうか。
(外務大臣)全く不透明ですね。それぞれの国が態度を昨日の時点では、独、英を別として、中間国は表明をしていない。国連の場で色々な水面下の駆け引きなり交渉が行われている状況ですから、それとの関連もあると思います。ですから、最後の最後までなかなか分からないということです。
(問)9ヶ国の賛成を獲得してそれでもなお拒否権が行使されるケースと、そもそも9ヶ国の賛成を得られず採択されなかった場合の、これら2つのケースについては国際的な正当性の面では違いがあるとお考えですか。
(外務大臣)正当性というのはどういう意味かですが、あの決議の意味は何か。あれはイラクが常に問題があるということは、安保理決議1441で決定されているわけですね。それから更なる報告書の省略とか虚偽の報告とか、そういったことについては、更なる重大な違反を構成するということも安保理決議1441で決まっているわけですね。ですから、そういったイラクが問題があるということを、基本的にあの決議は更に確認をするということであると思います。今後それを安保理でどのように位置づけるかについて議論されるので、現状でどういう票の分布だったらどうだということを言える段階ではないと思います。イラクが最後まで問題があるということを国際社会として一致してイラクに働きかけることができること、そういうことだと思います。
(問)日本が支持している決議案が国連で可決採択された場合と、されなかった場合では、今後のイラク問題に対する日本の取組には差又は違いは出てきますか。
(外務大臣)決議案が可決されないという状態というものはイラクに対して国際社会が一致してはたらきかけるということについて、まとまれなかったという意味では非常に残念、その目的に照らしてイラクに迫って廃棄をさせるという意味では、そういう風にならなかった、ということでイラクに利用されるだけの結果であったという意味では残念だと思います。採択されるべきだと思います。他方、そうならなかった場合、その結果として、日本の取組がその後の姿勢が変わるだろうかということですけれども、決議案を支持するということは、そういう姿勢として支持をしているわけですから、その後国際社会がどういう行動をとるか、そして日本がそれになるということはまだ先の話ですね。それが、ギリギリまでイラクの対応に、あるいは大量破壊兵器の問題がいかに問題があるかという問題の本質に照らし、その時点で日本として判断する話ですから、そもそも今判断をしているわけではないので、今後どういう形で判断するか、今後の展開にもよると思います。
(問)日本時間の今日の朝に国連安保理の非公式会合があって、採決が週末に延期されるのではないかということが報道でも出ていますが、そのことについてどのように把握されて受け止めておられるか。
(外務大臣)非公式会合が今、今朝から行われているということはその通りです。採決が延期されるかどうかということについては、色々な水面下の動きがありますから、そういう可能性は大いにあるだろうと思っています。ギリギリの努力をみんな各国がやって、そして国際社会として一致した姿勢を見せると言うことにつながるための努力をしているわけですから、とことんその努力をして欲しいと思います。
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外務大臣会見記録 (平成15年3月7日(金)8:55〜 於:院内控え室)
イラク情勢
(大臣)閣僚懇談会の時に、簡単に最近のイラクを巡る情勢についてお話をしました。その時にお話したことでもありますが、総理の特使を、中山、高村元外務大臣と茂木、矢野両副大臣にお願いをして行っていただいて、日本として時間がなくなりつつある中で、平和的に解決をするための外交努力をしているというお話をしました。
茂木副大臣、矢野副大臣それぞれお話になると思いますけれども、イラクに対しては、最後の翻意を促したということなんですけれども、必ずしもその面での成果は、残念ながら得られなかった訳ですが、日本としてどう考えているかはお話をし、イラクに大量破壊兵器の廃棄を強く求めたということです。他方で、他の方々、その他の国に行っていただいた中山、高村そして矢野副大臣との関係で言えば、イラクが査察に全面的に協力すべきであるということとして、その国際社会が一致して働きかけるということが大事だということについて、意見の一致を見たということです。
(問)これから7日、日本だと日付が変わってしまいますが、国連で査察の報告が週をまたいで行われますが、その報告をうけて国連安保理がどのような方向に動くか、大臣はどのような見通しを持っていますか。
(大臣)解れば仙人かなにかの類じゃないかと思いますけれども、日本としてはやはり是非国連が、意見が一致する形でイラクに迫るということが行われることが大事だと思います。
総理も昨日、シラク仏大統領と電話でお話して頂いて、イラクの問題については総理から持ち出していただいて、これは総理が今日、閣僚懇談会の際におっしゃっていましたが、働きかけやそういうこともおっしゃっていただいて、それは日本として、強く望んでいるところです。色々なことが今後あり得ると思うので、どういう展開をするのか、今色々なことが言われていますが、英の修正案の話や、米のそれに対する対応とか、そして独仏露の考え方とか色々な要素があり、交渉を自分でやると、最後の段階は色々な動きがあって動いていくということですから、そういう状況が展開するのだと思います。
(問)閣僚懇談会でイラクの問題を報告をされたということですが、これを受けてどのような議論があったのか紹介頂ければありがたいのですが。
(大臣)特に、質問もありませんでした。総理からシラク仏大統領との電話会談の話がありました。これは官房長官がお話になることなので、私から本来言う話ではありませんが。
(問)先に話をしたのは小泉総理と大臣のどちらですか。
(大臣)私です。これは今までも時々、閣僚懇で、その時々の状況をお話をするということをやっておりまして、その一環としてということです。
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北朝鮮関連
(問)北朝鮮の危機のエスカレーションについて、今後、再処理、弾道ミサイル発射ということが現実に起こるのではないかという見方が強まっていますが、そのようなことがあった場合には日本政府として、経済制裁等に踏み切るのでしょうか、どのような対応を取られるのでしょうか。
(大臣)まず北朝鮮の動きについて、色々な情報がありますけれども、今おっしゃったような、そのようなことについての情報は我々として持っていません。それから基本は平和的に解決をしていくことが大事で、そのための働きかけを引き続きやっていくということですね。それから頭の体操として、もちろん、政府は色々なことは考えなければいけないと思っていますけれども、そのようなことが仮にあったとしたら、それは国際社会が連携して対応するということで、今、国連安保理の場で例えば経済制裁を議論しましょうなどと行っている国は一つもないのですから。
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外務大臣会見記録 (平成15年3月4日(火)10:14〜 於:院内控室)
閣議
(外務大臣)今日閣議で発言をしましたが、これは実は前回閣僚懇で言ったことであるんですが、2月24日に中国新疆ウイグル(自)地区で発生した地震の被災民支援のために、資金とテント、毛布、他の援助物資合わせて総額約3千万円相当の緊急援助を行うこととしました、ということを閣議で報告をしました。
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茂木副大臣のイラク訪問
(外務大臣)茂木副大臣が今イラクに今行ってらっしゃいますけれども、アジズ副首相と2時間ほどお話になった。今日の朝の日本時間でいうと1時半頃で、現地時間の午後7時半です。それで、総理の親書を、これはフセイン大統領宛ですけれどもお渡しをして、そして、人的に或いは天然資源にイラクは非常に富んでる訳ですので、そういった国が日本と同様に大量破壊兵器から決別をして、日本と同様に繁栄をしていくということが可能であるということをお話をし、そして、イラクが大量破壊兵器のこれは国際的な疑念を持たれている訳で、それを積極的に査察に協力をして廃棄をするということが深刻な事態を招かない唯一の方法である、それはもうイラクの決断と行動にかかっているということを伝えました。
それに対して、アジズ副首相は、大量破壊兵器は持っていない、査察への協力はしている、それからアメリカに対しての色々な批判ですね、これは従来からイラクが言っていることですけれども、それを繰り返し述べて、日本は客観的に状況を判断して、米国支持が利益となるかどうか熟考すべきであるということを言ったということです。
それに対しては、茂木副大臣の方から日本の認識を再度説明をした。それに対して副首相は、事態が切迫していること、査察結果を左右するのはイラクの態度如何であるということについては理解を示したと聞いています。
(問)このアジズさん(副首相)のですねこの言い振りというか対応については、評価っていうんですか、つまり大臣御自身は、これでそのイラク側にいわゆる最後の外交努力とうふうに大臣仰っていた訳ですが、その目的が達成されたというふうにお考えですか。
(外務大臣)日本としては、言うべき事をイラクが知っていなければいけないことをきちっと伝えることが出来たと思います。私、朝、茂木副大臣と電話で話をしたんですけれども、私の印象は、やはり今安保理が二つに分かれているとイラクが思っていることが、イラクの行動に対して非常に甘い判断をさせているということではないかなという印象がありました。時間がまだあるだろうとイラクは思っちゃっている。これは一番いけないことで、私は昨日またアナン(国連)事務総長と夜遅くお話を電話でしましたけれども、その時に、私はアナン事務総長にそういうことを言いました。これは、茂木副大臣とお話をする前ですけれども、それが一番、イラクに間違ったメッセージを送るという意味では問題だと思うということを言いましたら、アナン事務総長は、安保理が結束をしている時に一番有効に国連が機能できるだということを言っていましたけれども。
(問)イラクに対して、時間はまだあると思っているとの印象を持っているようですが、更にこれから先、働き掛けをおこなっていく予定はあるのでしょうか。
(外務大臣)これは、副大臣がお帰りになりますので、またその時の感触も伺ってということだと思います。できることは何でもやるべきだと思っていますけれども、ちょっと今すぐに、これをやりますということを申し上げられる具体的なことは今の時点ではありません。
(問)先程、茂木副大臣と電話をされて、イラク側が安保理が二つに割れていることで、ちょっと甘い考えを・・・・・・。
(外務大臣)それは私の印象です。
(問)安保理の説明が茂木副大臣からあった訳じゃないんですか。アジス副首相の(見解について)。
(外務大臣)さっきもお話しましたけれども、茂木副大臣からは先方に対して、この機会、切迫をしているということを伝えて、イラクが行動をすることが深刻な事態を招かない唯一の方法だということを伝えた訳ですね。それに対してのアジズ副首相のやりとりを聞いて、それで再度茂木さん(副大臣)から切迫をしているということを伝えたということですけれども、その経過からいきましてね。時間がまだあると思っているとの印象を私が受けたということです。或いはそういうことですかという質問を茂木さん(副大臣)に言ったかもしれません。ちょっと今もうよく覚えていませんけれども。いずれにしても、そういう印象を私が持つような会話をしたということです。
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矢野副大臣のアンゴラ訪問
(外務大臣)もう一点お話をお伝えしておかなければいけないのは、今、矢野副大臣がエチオピアとケニアを訪問をしていらっしゃいますけれども、これもアンゴラが安保理の理事国ですので、働きかけをして頂くために、アンゴラにも総理の特使として行って頂くということになっています。ドス・サントス大統領、この方は私も前に去年アンゴラでお会いしましたけれども、お会いをするという方向で今日程は調整しています。安保理結束をしてイラクの問題に対応することが大事であるということをお伝えを頂く。そしてイラクに働き掛ける。やるべきことをやるということが大事なんだということを。今になっては「大事」以上ですね、「必須」だということを言って頂くということだと思います。
(問)矢野副大臣がアンゴラで働き掛けをされるんでしょうけれども、安保理結束をしてイラクに働きかけることが必要だということは、それはイコール新決議案に賛成してくれという意味なんですか。
(外務大臣)これは、安保理自体がどのように今後議論をしていくか、イラクがその前提としてどういうふうにやるかということですけれども、我が方が今言っているのは、今仰った、さっき私が言ったそういうことで、働き掛け、イラクに対して国際社会として毅然とした態度を取っていくことが大事であるということを伝えるということです。再三再四言っているように、時間がそう残っているとは我が方は思っていない。イラクが今のような態度を、査察について、もう何ヶ月も何年も前にやっていかなればいけないことを今やっているというような協力の態度については、査察の有効性に疑念無しとはしないということはもうずっと言っている訳でして、我が方としては、そういう危惧を持っているという日本の立場を伝えて、国際社会が一致団結して毅然としてイラクに査察に対して対応するということが重要である、ということを伝える、そういうふうにアンゴラも行動して欲しいというこを伝える(ということです)。
(問)矢野副大臣は何時頃行かれるんでしょうか。
(外務大臣)今の日程は5日にルワンダに、アンゴラの首都に着いて頂くという予定です。
(問)会談されるのは5日(でしょうか)。
(外務大臣)そうですね。5日乃至6日。6日にもうルワンダを発ちますので、5日についてから6日に発つ。5日よりは6日の可能性があるかもしれませんね。ルワンダ発が14時、ルワンダ着が17時20分。どこに入るかわかりません。
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在イラク邦人の保護
(問)イラクに人間の盾として残っている日本人の方が十数人いるそうですが、今後仮に戦争となった場合に、政府としては御本人の意思を尊重するのか、それとも何らかの対応を邦人保護という観点から(するのでしょうか)。
(外務大臣)政府としては、非常に懸念をしています。これは、もちろん武力行使をするということが決まった訳ではありませんけれども、やっぱり非常に危険な状況に、仮に武力行使にならないとしても、現地が非常に騒然となるという状況を考えれば、いろいろな事に巻き込まれかねない。それから、その前回の湾岸戦争の時の例を見れば、実際にイラクは人間の盾を使った訳ですね。行ってらっしゃる方の気持ちは、これはそれぞれ非常に強いお気持ちを持って、平和が大事だと思って行ってらっしゃるということだと思いますけれども、やっぱり危険であるということは政府としては申し上げざるを得ないんで、御本人それぞれ大人の方なので、説得をするということ以上のことをすることはできないですけれども、湾岸戦争の時のお話も十年以上経っている訳なので、その時に何が起こったか、その他のことをよくきちんとそれぞれ知って行って頂いているんだろうと思いますけれども、非常に心配をしています。
(問)例えば、開戦になったら、米軍(アメリカ軍)に(邦人が)どこにいるかとか、そういう情報を伝えるということはあり得るんですか。
(外務大臣)それは、何ができるか、日本としてはもちろん邦人保護、政府としては大事ですから、できることは全部やりたいと思います。ただ、そういうことにならないように、やはりその自分で、やってらっしゃる行動が招き得る結果についてもきちんと、やっぱり一番御本人の命、身体の安全ということが、これは御本人にとっても御家族にとっても大事だと思いますので、色々な可能性を十分に考えて頂きたいと思います。なかなか説得は今までもかなりしていますけれども、そこは心情の問題でもありましょうから、直ちに分かりましたということではないだろうと。
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イラクに関する国連安保理新決議案
(問)今、英、米、スペインが出している新決議案について、日本は圧力をかけるんだという意味においては精神において支持するという言い方をしているですけれども、7日にも国連査察団の報告が出る見通しですけれども、その報告を聞いて政府として新決議案についての態度をお決めになる、そういうつもりはあるんでしょうか。
(外務大臣)ぎりぎり、茂木副大臣にも一所懸命イラクに説得をしてもらった訳でして、そういったことを受けて、イラクがどう目に見える形で変わって行くかということが一つの大きな要素ですよね。それから、それが、本当にイラクが真面目に取り合うつもりがあるのかどうか、私は、一国の大統領が或いは一国のリーダーが、自分達の国民を危険に晒したくないと思ったら、(問題を)平和的に解決をするための手段は当然取るべきであると思うんですね。しかも、これは何年も前にやらなければいけなかったことで、やること自体は難しくなくって、科学者を(査察団に)どんどん会わせればいいんですよね。思うように会ってもらって何もありませんと言うことは何ら難しいことではないですよね。それを、どうしてそういう行動を今取らないのかなあ、というふうに思いますけれども、是非イラクに対してはそういうことをやって欲しい。だから、そういう色んなイラクの態度ですとか、そういったその時でのぎりぎりの情勢をみて判断をすることになると思います。非常に厳しい判断になると思いますけれど。
(問)ブリックス(委員長)の報告自体はその契機になるんじゃないんですか。
(外務大臣)それは、判断の一つのもちろん材料であります。ただ、何時判断をするかということについては、それがあった時点で判断をするとか、そういうことではない。ぎりぎり、とにかく情勢は変化(しているので)、最後の最後まで見極めて総合的に、まあどういうことで判断するかということは今まで国会なんかで色々申し上げていますけれども、大量破壊兵器が日本にとっての問題だとか、平和的に出来るだけ解決をしたいけれどイラクの態度はどうかとか、日本として国際社会の一員としてどのような考え方をするのが適切なのかとかいろいろありますよね。そういうことを考えて、そういうことを踏まえて、総合的に考えるという訳です。
(問)報告から裁決までそんなに時間があるんですか。
(外務大臣)それはないかもしれんませんね。それから、あるかもしれません。それは安保理がその時に決めることであります。ない可能性もあると思います。
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北朝鮮情勢
(問)北朝鮮の関係なんですけれども、一部報道で、北朝鮮の使用済み燃料棒の再処理の動きに関する情報がアメリカ政府から日本政府に伝えらているという話が報じられていますけれども、これは数日前にも、アメリカの新聞で報じられていますけれども、その情報について日本政府は(把握されているのでしょうか)。
(外務大臣)そういう報道があるってことは知っています。だけど、そういうふうにアメリカ政府として考えていますと、そういうようなことでは聞いていません。
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