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●以下は、毎日新聞(2003年3月18日付け)が報じた、
米国大統領ブッシュによる「国連を無視して“対イラク多国籍リンチテロ”を
するぞ」宣言の全文です。
(これは到底「戦争」とはいえない米英その他によるリンチ的国家テロなので
“対イラク多国籍リンチテロ”と呼ばせていただきます。)
マスコミは「第二次湾岸戦争」と呼ぶにきまってますが、米国が企てて
これから行なおうとしているのは、正確には「対イラク・多国籍国家
テロリズム」(International State Terrorism Against Iraq)――略称
するなら「INSTAIQ」[インステイク]――と呼ぶべき性質の国家規模の
リンチです。)
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米大統領:イラクに最後通告 演説全文その1 [毎日新聞]
【北米総局】ブッシュ米大統領が18日行ったイラクのフセイン大統領に対する最後通告演説全文は次の通り。
イラク問題は今、最後の決断の最後の日々を迎えた。
米国とその友好国は10年以上、戦争回避に向けイラク政権に大量破壊兵器の廃棄(武装解除)を求め、誠実かつ忍耐づよく努力してきた。イラク政権は、湾岸戦争終結の条件として1991年、すべての大量破壊兵器を放棄すると誓った。
あれから12年間、各国は外交努力を続けてきた。国連安保理は10以上の決議を採択した。イラクの武装解除のため何百人もの査察官を送った。しかしわれわれの誠意は報われなかった。イラク政権は外交を時間稼ぎの道具に使っただけだった。
イラクは完全な大量破壊兵器の放棄を求める国連決議に違反した。過去数年間、国連の査察官はイラク側に脅され、盗聴を受け、構造的に欺かれた。イラクを武装解除するという平和的努力は失敗に失敗を重ねた。なぜならば、われわれは平和を求める人物を相手にしていないからだ。
各国の情報機関によれば、イラク政権がもっとも恐ろしい兵器を保持し、隠しているのは疑いがない。フセイン政権はイラク国民および隣人に対し、大量破壊兵器を使用した。
フセイン政権は中東諸国への侵略を続けてきた。米国とその友人に対し、大きな憎悪を抱き、イスラム過激派の「アルカイダ」を含むテロリストたちを支援し、訓練し、基地を提供した。
危険は明らかだ。テロリストたちは、イラクから入手した生物・化学兵器あるいは核兵器を使い、これまで表明してきた意図を達成し、米国やほかの友好国の何百、何十万人もの罪もない国民の命を奪うかもしれない。恐怖の日が来る前に、行動が遅すぎる事態となる前に、危険は取り除かなければならない。
米国は国家の安全を守るために武力行使を行う主権としての権限を持っている。軍最高司令官として、宣誓し、その宣誓を守っている私には義務がある。米国に対する脅威を認識し、米国議会も昨年、イラク攻撃を圧倒的多数で容認した。
米国は国連と協調し、この脅威を取り除こうと努力した。なぜなら我々は平和的解決を望んだからだ。われわれは国連の使命を信ずる。
国連が第二次世界大戦後に創設されたひとつの理由は、侵略的な独裁者が無実の人々を攻撃し、平和を破壊する前に、積極的かつすみやかに対決することにある。
イラクの場合、国連安保理決議が90年代初めに採択されている。678決議(90年11月の武力行使容認決議)、687決議(91年4月の湾岸戦争停戦決議)の両決議はいまだに効力があり、米国および同盟国は大量破壊兵器の武装解除のために、武力行使を行う主権としての権限がある。攻撃の正当性が問題なのではない。われわれの意思が問題だ。
昨年9月、私は国連総会で、世界各国にこの危険に終止符をうち、団結するように訴えた。国連安保理は同11月8日、全会一致で国連決議1441を採択し、イラクが即時、全面的な武装解除に応じない場合は、国連決議に対する重大な違反とみなし、深刻な結果を招くと確認した。
今日、イラクが武装解除したと主張する国などどこもない。フセイン(大統領)が政権に就いている限り武装解除は有り得ない。過去4カ月半にわたり、米国と同盟国は国連安保理の枠内で協調してきた。しかし、国連安保理の常任理事国の中には、あらゆる決議に拒否権を発動する意思を公然と表明した国がある。それらの国と脅威に対する評価は共有しているが、解決方法では一致していない。
しかし、多くの国は平和への脅威に不屈の精神で行動しようとし、幅広い連帯がこの世界的な要求を実現するために形成されつつある。
国連安保理はその責任を果たさなかった。だから我々が我々のために立ち上がるのだ。
最近、中東の何カ国かが独裁者(フセイン大統領)に公私にわたってメッセージを送り、イラクを退去すれば武装解除が平和裏に進むと促した。しかし彼は拒否した。
この十数年の欺まんと残虐は終わろうとしている。フセインとその息子たちは48時間以内に国を離れなければならない。それを拒絶すれば軍事攻撃につながり、それは我々が選ぶ時点で始まる。安全のため、外国人記者と国連査察官はすぐにイラクを離れるべきだ。
多くのイラク人が今夜ラジオでこの演説を聞いただろう。私は彼らにメッセージがある。もし我々が軍事攻撃を開始しなければならないとしても、それはあなた方の国を支配する無法者に対してであって、あなた方に対してではない。もし我々の連合が彼らを政権から追い出せば、必要な食糧や医薬品を提供する。
我々は、テロのための設備を破壊し、あなた方が豊かで自由な新しい国を建設するのを手伝う。自由なイラクにはもう近隣諸国を侵略する戦争はなく、毒物製造工場もなく、反体制派の死刑や、拷問設備や強姦(ごうかん)の部屋もない。
暴君はまもなくいなくなる。あなた方の解放の日は近い。
フセインが地位にとどまるというのはもう手遅れだ。イラク軍が、大量破壊兵器を廃棄するために、我々の連合が平和的に入国するのを認めることで名誉のために行動し、国を守ることは手遅れではない。我々はイラク軍に、攻撃と破壊を避けるためにとれる行動について明確なメッセージを送る。
イラク軍や諜報(ちょうほう)機関の全員に促す。もし戦争になれば、あなた方の命をかけるのに値しない死に体の政権のために戦うことになる。イラク軍の全員と国民は、次の警告を注意深く聞くべきだ。
どんな戦いがあっても、あなた方の運命は、あなた方の行動にかかっている。イラク国民の財産であり、富をもたらす油田を破壊するな。イラク国民を含むだれに対しても大量破壊兵器を使うどんな命令にも従うな。戦犯は訴追され、処罰される。命令に従っただけだというのは弁解にはならない。
フセインは、戦いを選んでいる。米国民は、戦争を避けるためのすべての手段と、戦争に勝利するためのすべての手段がとられたことを知っている。米国民は戦争の代価を知っている。なぜなら過去にそれを支払ってきたからだ。損害と戦期を短くするための唯一の方法は、十分な戦力と我々の軍隊の力だ。我々はそれを準備している。
もしフセインが、権力にしがみつこうとするなら、最後まで、恐ろしい敵であり続けるに違いない。絶望の中で、フセイン大統領やテログループは、米国や友好国に対するテロを行うだろう。そうした攻撃は避けられない。やはりそういう可能性はある。そうした事実によって強調されるのは、脅迫にさらされる中で生きることはできないという我々の考え方だ。フセインが武装解除されれば、米国や世界に対するテロの脅威は少なくなる。
[毎日新聞3月18日] ( 2003-03-18-13:03 )
米大統領:イラクに最後通告 演説全文その2 [毎日新聞]
米国はテロの危険に最高度の警戒であたる。イラク戦勝利を確実にするための準備と同時に、本土を守るため、さらなる行動をとる。最近、イラクの諜報機関にかかわった数人を国外追放した。他の面では、空港の安全措置を追加するよう指示し、大規模港などでの沿岸警備隊のパトロールを強化した。国土安全保障省は他の機関と緊密に協力し、全米の重要な施設で安全措置を強化している。米国を攻撃する敵は、必ずパニックで我々の注意をそらし、恐怖と戦う士気を弱めようとするだろう。
しかし、それは失敗する。どんな行為もこの国の進路を変え、決意をくじくことはできない。我が国は平和な国だが、もろくはない。暴漢や殺人者によって我々は脅されない。もし敵がそれでも攻撃してくるなら、彼らと協力者は恐るべき結末に直面する。
行動しないことの危険性が増大しているゆえに我々は行動している。すべての自由国に損害をもたらすイラク政権の力は、1年か、5年のうちに数倍にもなるだろう。フセイン大統領とテロリストの仲間は、その力が最大になったときに、死の戦いを挑むことを選ぶ。我々は、その戦いが、空や街に突然現れる前に、その脅威に向き合うことを選んだのだ。
平和を目指すなら、すべての自由国家が新しく、否定しようもない現実を理解することが求められる。20世紀には、虐殺や世界大戦を起こす殺人鬼の独裁者と妥協することを選んだ者もいる。しかし今世紀には、悪者が、化学・生物・核のテロを行う時、妥協は地球上で見たこともないような破壊をもたらす。テロリストとテロ支援国家は公式な宣言の中で正々堂々と通知して、その脅威を明らかにするようなことはない。
彼らが攻撃した後に、そうした敵に対応することは自衛ではない。それは自殺だ。世界の安全保障は、フセインの武装解除を今、必要としている。我々が世界の要求を実行する際に、米国民がそれに深くかかわることを我々はたたえる。フセインと違い、我々はイラク国民が、人間らしい自由を当然のこととして享受することができると信じる。独裁者がいなくなれば、活力のある、平和で国民が自ら政府を選ぶ中東国家の先例になりうる。
米国と他の国々は、地域の平和と自由を促進するために働く。我々の目標は一夜にしては達成されないが、やがてなしうる。人間的な自由の力とその訴えは、すべての人々やすべての国で感じとられる。自由の偉大な力は、憎しみや暴力を乗り越え、人間の創造する力を平和を追求する方向に変える。これが我々の選ぶ未来だ。
かつてそうしてきたように、自由諸国は暴力に対して結束することで、国民を守る義務がある。米国と友好国は責任を果たす。
おやすみ。引き続き米国に神のご加護がありますように。
[毎日新聞3月18日] ( 2003-03-18-13:03 )
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●ここからはジョークです。
上記の、いたるところで論理破綻を起こした、5才の駄々っ子のいいわけみたいな
愚劣な演説も、マスコミがもっともらしく伝えれば、それを真に受ける人も
でてくるでしょう。
ウソを美辞麗句で塗り固めたブッシュの演説から、この戦争猿のホンネを“抽出”すると
こんな演説が透けてみえてきた……というわけです。
(表題にある「ウソ発見器」とか「脳波解析」は、もちろんジョークですから……。)
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米大統領:イラクに最後通告 演説全文 [大統領のホンネ編]
【北米騒局】ブッシュ米大統領が18日行ったイラクのフセイン大統領に対する最後通告演説
から“脳波解析”と“ウソ発見器”をもちいて再生したブッシュのホンネは次の通り。
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えへへへへ。イラク問題をついに、最後の決断の最後の日々にもちこんだぜ、えへへ。
おれらアメリカと子分どもは10年以上、もういっぺんイラクを叩きたくて、サダムの政権に大量破壊兵器を捨てろとか武装解除とかむやみな言いがかりをつけて、しつっこくストーキングしてきたんだけどな、えへへ。サダムの政権にはパパの戦争が終わったときに、1991年だけど、すべての大量破壊兵器を放棄すると誓わせたはずなんだけどさ、へへへ。
あれから12年間、相方のイギリスと組んでイラクの爆撃もしてきたし、兵糧ぜめで何十万人もの子供に死んでもらってサダムをじゅうぶんに怖がらせたはずだったんだけどな、えへへ。国連の安保理を使って10以上の決議も出させてきたしさ。イラクをすっぱだかにするために査察官だって何百人もの送ったんだぜCIAから、えへへ。だけどサダムの野郎、強すぎるわ。おれらは失敗だったね。サダムに外交に持ち込まれたら、おれらは対応できないもん。なんせ奴らは世界一古い商人だもんな。“まけて元とる”やりかたにはかなわない。ちきしょう。
イラクは完全な大量破壊兵器の放棄を求める国連決議に違反した、という筋書きにもっていきたかったんだけどな、くそったれ。まあ国連とかのバカ役人が「大量破壊兵器の定義をしっかりしてください」とか言ってきたけど、そんなことオレが知るかよ。おれらのCIAがあっちで冒険みたいなことするから、イラクのやつらにバレそうになって脅されたり、盗聴を受けたりしたし、やつらのほうが一枚上手だったから、こっちもいろいろとだまされたじゃねえかよ、ゴッデム! とりあえず軍隊でガツンとたたかないでサダムの軍隊を丸裸にしようとしたけど、ぜんぜんダメだったな。なにせおれらの戦争でガツンとやりたいし、それがやつらに見透かされちゃってさ。レーガン先輩みたいに芝居がうまくないからダメだわ、えへへ。
イギリスのじじいどもやパキ(スタン)の土人軍隊の諜報部はいろいろとおもしろい話をでっちあげてくれてさぁ、イラク政権がもっとも恐ろしい兵器を持ってるはずだ、という話を、マスコミが煽ってくれたもんで、世界中をこわがらせることには成功したけどさぁ……。なにせレーガン先輩のときにイラクに恵んでやったパパの会社の毒ガスを、サダムのバカがあちこちに使ったもんで、これは利用できる話だからなぁ、あと100年くらいは。えっへっへ。
おれらはイギリスといっしょにアラビア世界を制覇して石油を押さえてきたけどさぁ、アラブのやつらは生意気にもおれらを憎んできただろ。おれらはイスラム過激派の「アルカイダ」とかいろいろとテロリストも育てたしさ、訓練して基地も提供したんだぜ。ビンラディンさんにはオレが新卒で石油会社を起こしたときにずいぶんカネを貸してくれたから、いちおう感謝はしてるけどさぁ、利用するなら徹底的にしゃぶりつくせというのが我がブッシュ一家の家訓だからよぉ、へへへ。ま、ウサマちゃんにはゴメンちゃいだけどさ。
「危険は明らかだ」とここで国民どもを脅かしておこうかな、えへへ。おれらはこれからいろいろと風変わりな生物化学兵器とか新型の核兵器とか使わせてもらうぜ、だってアメリカは世界の覇者だもんな。おれらの子分とか手下のチンピラも、これまでばらまいてきた兵器をつかっていろいろと暴れるだろうな。めざわりになったら叩くだけのことよ。そういやテロリストたちは、おれらから入手した生物・化学兵器とか核兵器とかを使って、おれらの国とか子分どもを脅してくるかもしれないな。「恐怖の日が来る前に、行動が遅すぎる事態となる前に、危険は取り除かなければならない」ですよっと。これでおれらの先制攻撃は正当化できましたとさ、やあオイシイ筋書きだわ、これ。
おれらは世界一強い国だから、国の安全を守るために武力行使を行なう「主権」としての権限を持っているんだわ。イラクとか北朝鮮とか、小さい国にはそんなもんないけどな、なにせヤツらは人間じゃないしさ、えへへ。おれさまはこう見えても軍の最高司令官だぜ。こんなアル中のダメ男を大統領とか軍最高司令官にしてくれた神さまには一日五回でもひざまづいて感謝しちゃうよ、まったく。そんな神さまにおれはみんなの前で誓いをたてたしな。そう、おれさまには崇高で神聖な義務があるんだよ。アメリカに対する脅威を、おれさまのこのすぐれた直感で見きわめ、敵をこっぱみじんにぶっ殺すという十字軍遂行の聖務がな。議会のバカどもにも、おれさまの直感を認知させて、きょねんはイラク攻撃を圧倒的多数で容認させたしな。
国連のクズどもにもさんざん圧力をかけて、イラクをぶっつぶしましょうや、と説得したんだけどな。なにせそれがおれらにとっての「平和的解決」なんだもん。もちろん、おれらは国連の使命を信じてるぜ。アメリカさまの露払いとか小間使いに徹するという使命をな。
おれらの先輩がそもそも国連という機関をデッチ上げたのは、こういう目的だったと思うよ、――「侵略的な独裁者が無実の人々を攻撃し、平和を破壊する前に、積極的かつすみやかに対決することにある」……。あ、やべえ、これじゃ「独裁者」っておれらのことじゃないの。だったらこう言い換えるね。「アメリカに敵対するイヤな国々がおれらの自由とか平和をおびやかすまえに、みんなでもっともらしくリンチを加えるための仕掛け」だとね。これホンネよ、えへへ。
おれらはパパの時代に、国連をひきまわしてイラクを締め上げる決議を出させてあるんだ。安保理の678号決議とか687号決議とかさ。これらはいまでも効力があるだろ、少なくともおれらが「ある」と言ってるうちは効力があるんだぜ。だからおれらと子分どもは、この決議を楯にして、イラクをすっぱだかにするために「主権としての権限」があるんだ。イラクとか北朝鮮とか、小さい国にはそんなもんないけどな、なにせヤツらは人間じゃないしさ、ああまた言っちまったぜ、えへへ。ここで格調たかくこう言っておこうか――「攻撃の正当性が問題なのではない。われわれの意思が問題だ」。ようするに正しくない攻撃でも、おれらがやるきになってたら誰もとめられねえんだよ。
去年の9月にも、同時多発テロ1周年というタイミングにぶつけて、おれさまは国連総会で大演説をぶった。同時多発テロだって仲間の仕組んだことだけど、まあそれは結果オーライってことでどうでもいいことさ。世界を見てみれ。マックバーガーつくるために一日に何千、何万というウシが殺されてるんだから、アメリカの一般市民が数年人殺されたところでおれら政府は痛くも痒くもないわな。おれらエリートの家族だけが無事であればいいのだからな。これブッシュ家の家訓よ、えへへ。……まあそれはともかく、国連のバカどももおれさまの演説にころりと乗せられて、おかげさまで11月8日に全会一致で国連決議1441号を出させることに成功したしな。つまり「イラクがすぐに武装をすべて捨ててすっぱだかをさらさなきゃ、国連決議に対する重大な違反とみなし」何十万人ぶちころしても自業自得だよっていうお墨つきを国連からとりつけたわけさ。えへへ。
とりあえず、おれらは「イラクが武装解除した」と言うつもりは絶対ないし、ほかの国だってそういう主張は絶対できないはずさ。なにしろ「武装解除」が何をさすのかは、おれらが決めてコロコロと変えれる仕掛けだからな、えっへっへ。「サダムが政権に就いている限り武装解除はありえない」と、これで百万べんでも主張できるってわけさ。あたまイイだろおれさまは。ついでに言うと、だれが政権についたって「武装解除はありえない」と言い続ける仕掛けになってるんだよこれ。これはあと百万べんでも使い回しできるわ。次の戦争でも使わせてもらおうかな、えへへ。……ところでおれらはさっさとイラクを軍事制圧できるはずだったのに、過去4ヵ月半も常任理事国のジジイどもがおれらに逆らってきた。フランスとかロシアとかな、くそったれ! おかげで冬が終わってまた猛暑がくるじゃねえかよ、戦争するこっちの身にもなってみろってんだ。シラクのくそったれ!
まああれだ。シラクとかそういう糞ったれ野郎がどんなに邪魔しようが、おれらは多くの国にドル札をばらまいてきたし、それに食いつくコジキのような国もたくさんある。幅広い連帯を、おれらの世界的な要求を実現するために、いま作っているところさ。ざまあみれ、フランス。
国連安保理はおれらの言うことをきかなかった。だからおれらは席を蹴って、おれら自身のために立ち上がるのさ。……独裁とかいうなよ、独裁なんだけどさ、えへへ。
最近、おれらの息がかかった中東の子分が、サダムに公私にわたって恫喝をしてみたんだけどさ。イラクを出ていけば、おれらの力でイラクを軍事的にすっぱだかにしてやるとな。まあ、サダムは拒否したよ、当然だけどな。おれさまがもしサダムだったら、もちろん拒否するしな。えへへ。
これからはおれらの欺瞞と残虐のパワーを思い知ってもらう時代だぜ。サダムとその息子たちは48時間以内にイラクから出て行けよ。イヤだといったら、おれらは軍事攻撃でイラクの国民をみさかいなくぶっころす! いつ火蓋を切るかは、おれらがきめるぜ。とにかくみさかいなくぶっころすから、外国人記者と国連査察官はすぐにイラクを出ていったほうがいいぜ。さもなきゃオマエらもぶっころす。
多くのイラク人が今夜ラジオでおれさまのこの演説をきくだろうから、ここで言ってやろう。もしおれらが軍事攻撃を始めることになっても、それはおれさまが、おまえらイラクの国を支配している統治者をキライだからであって、おまえら虫けらどものことなどどうでもいいってことさ。だから死んでも文句いうなよ。アラーの神がおまえらを見捨てただけなんだからよ、えへへ。もしおれらがサダムを追い出せたら、せいぜい安物のパンと抗生物質ぐらいは配ってやるさ、アフガニスタンの虫けらどもに施してやったようにさ。えへへ。
おれらはテロを使うけど、おまえらイラクの虫けらどもの軍事施設を破壊して、おまえらがアメリカの従順な子分としてやりなおすのを手伝ってやろう。ただしカネはださないよ、口はだすけどな。ひひひ。おまえらの国のことを「自由なイラク」と呼んでやるぜ、そうなったら。フレンチフライを「フリーダム・フライ」と呼びなおしたようにナ。おまえらの国はもう軍事的にすっぱだかにされるから、他国を侵略することもできなくなるし、粉ミルクとかを自力で作るような生意気なこともできなくなるし、反体制派の死刑や拷問設備や強姦は、あたらしい政府とかおれらが代わりにやってやるから心配することもないぜ。……実際、これまでとはあんまり変わらないからよぉ。えへへ。
サダムはまもなくいなくなる。おれらが暴君として乗り込んでやる。おまえらが「解放」される日は近いぞ。おまえらイラク国民はおれらの人質なんだ、これからは!
サダムが今の地位のとどまるのはもう手遅れだ。なにせ48時間もたてばイラクは人の住めるところでなくなるからな。せいぜいイラク軍はクーデタでも考えておけ。まああと2日しかないけどよ、えへへ。
イラク軍や諜報機関のやつらにも言っておこう。もし戦争になれば、おまえらはサダムのために戦って、おれらに虐殺されるんだぜ。イラクの軍人と国民は、おれさまがこれから言うことを、耳の穴かっぽじってよ〜くきいておけ。
どんな攻撃をされても、おまえらの運命は自業自得だ。くれぐれも言っておくがあとで使える油田を破壊するようなまねはするなよ。おれらが使わせてもらうんだからよ。えへへ。あと、大量破壊兵器を使えって命令されても、つかっちゃだめだぞ。おれらが一方的に攻撃できなくなるからさ。おれらが勝つから、やがておまえらは「戦犯」にして処刑だ。「命令に従っただけ」とかいう言い訳はきかないぞ。……おまえらもアメリカに生まれりゃよかったのになあ。ここでは自動小銃とかそういう大量破壊兵器も、国民ひとりひとりが持てるって憲法で保証されてるしな。うん……いい国だアメリカは、えへへ。
おれさまは戦いを望んでいる。アメリカのバカ国民どもには、戦争を避けようとあらゆる努力をして戦争に勝つためのすべての手段がとられたと、うまくマスコミ宣伝でごまかしてあるしな。アメリカ国民は戦争の対価などしらないしな。なにせおれらが外に出向いてキリングフィールドを作ってきただけだから。……とか偉そうに言ってるおれさまだって、パパにたのんでベトナム行きはまぬがれたから、戦争ってのは知らないんだけどさ、えへへ。まあとにかく、アメリカの経済をまわしていくための唯一の方法は、十分な戦力ろ我々の軍隊の力だ。おれさまはもっぱらその準備のために献身したんだ。独裁大統領とか言われたっていいぜ。アメリカは戦争でうるおうんだからな。
もしサダムが大統領で居座りたいというなら、おれらは最後まですごい剣幕で敵視したやるぞ。絶望のなかでサダムとかがおれらや子分の国々を襲うように、追い込んでやる。必要ならこっちには自作自演でテロをデッチ上げる能力や準備もあるしな。そうした攻撃は避けられない……っていうかガンガンやってやる。これは可能性とかでなく、必然性だぜ。まさに“意志の勝利”だ。これらは他国を脅迫しても、他国から脅迫されるのはまっぴらなのさ。サダムはあの人をバカにしたような目が気に入らないしな。イラクからサダムがいなくなって、すっぱだかに武装解除されれば、アメリカやイギリスとかイスラエルが何をしようが噛みつかれる恐れはないしな。
[命日新聞3月18日] ( 2003-03-18-13:03 )
米大統領:イラクに最後通告 演説全文その2 [大統領のホンネ編]
米国では「最高度の警戒」を出して、テロの危機感をガンガン盛り上げるぜ。イラクをぼろ負けさせるために準備だけでなく、お国を守るために戒厳令みたいなものをもっとエスカレートさせちゃうからな。あやしそうなアラブ人やアジア人はがしがしパクって牢獄にぶち込んで拷問かけます。それで死んでも自業自得です。米国を攻撃する敵は必ずパニックで我々の注意をそらし恐怖と戦う士気を弱めようとするだろう、とか言いながら、この際だから強力な独裁体制をかためて、服従しないやつらを絞めます。
そして最終的には、「イラクがアメリカ国内を攪乱しようとしたけど、我々の勇気と努力で阻止できた」と締めくくって大団円にもってきます。たとえそういう動きが皆無だったとしてもな。だって「敵のスパイから身を守れ」とか言って国民を怖がらせて統治するのはフランス革命以来の国民統治の原則だろ。……フランスのやつらはそれを「恐怖統治(テロリスム)」と呼んだけどさ、そんなの知ったことか! おれらの国は平和な国だぜ、国民が銃で自衛してるからな。だからもろくはない。暴漢や殺人者によって我々は脅されない。そんな連中は先制攻撃をかけてぶっころすからな。もし敵がそれでも攻撃してくるなら、その敵の家族や親戚もぜんぶぱくって牢獄に入れちまうから、こっちは強いのだ。
さきに殺らないと、殺られちまうから、おれらは行動している。おれらアメリカが息のかかった国は、みんなイラクにおびえている。1年か5年のうちに数倍になるだろう。2年目から4年目がどうなるかは、おれさまの知ったことではない。そうした予測はエライ学者がする仕事だしな。おれらの恐怖心がもっともっと膨らんだら、サダムであれ外国の毛唐どもであれ、おれらは容赦なく「テロリスト」呼ばわりして死の戦いに挑むことを選ぶ。それをはやくやっちまいたいから、いまのうちに向き合うことを選んだのだ。
平和がほしいなら、すべての自由国家が、あたらしく否定しようもない現実を理解すべきだ。つまり年がら年じゅう戦争をしてなきゃ、おれらの経済はまわっていかないのさ。20世紀には、虐殺や世界大戦を起こす殺人鬼の独裁者と妥協することを選んだ者もいる。チャーチルとかおれの爺さんとかな。そしてそれは、あとでうまく利用できたわけさ。馬鹿な独裁国をスケープゴートにして、おれらは好き勝手ができたしさ。えへへ。さて今世紀だけど、おれら以外のやつらが化学・生物・核のテロを行うことになれば、おれらにこれまでなかったような破壊をもたらすことになる。これは気に入らねえぞ。テロリストとかテロ支援国家というのは本来、公式な宣言の中で正々堂々と通知して、その脅威を明らかにしながら脅迫を行なうものだけど、おれらのようなテロリストまがいの国はそういうことをせずに生物化学兵器や核兵器を使ってきた。これが小利口なやりかたってことさ。そして、おれらのこの賢明な伝統を、ほかの国にまねされちゃ困るってわけよ。
大規模な兵器だと、先手必勝だ。反撃を待っていたら自殺行為だぜ。おれらの安全保障のためにはサダムはめざわりだ。イラクをすっぱだかに武装解除する必要があるだろ。これは世界の望みのはずだ。だけど世界はついてこないから、まずアメリカが先制攻撃をかける。これに服従してくれるアメリカ国民を、おれさまはほめてしんぜよう。サダムとちがい、イラクの国民が、マイケル・ジャクソンに夢中になるとかエロ映画を無修正で見るとか、そういう人間らしい自由を当然のものとして楽しむことができると信じている。……まあ生き残っていればな。えへへ。サダムさえ消えてくれれば、イラクは活力ある、中東世界のなかのおれらの子分の国として先例になるってことだ。イラン・イラク戦争時代にレーガン先輩やパパが軍事援助していた頃みたいにな。
おれらと子分の国々は、自分のまわりの邪魔者を始末して、自由に勝手気ままに何でもできるように働く。おれらのもくろみは一夜にしては達成できないけど、やがてはきっと実現してやる。だれだって、アメリカみたいに自由な国に住みたいと思うだろ。おれさまも色々な国にいったけど、どこでもアメリカ万歳だったしな。自由を目指せば、原爆や水爆のように人間が創造する力を、おれらの安全と邪魔者の平定のために使っていけるし、そうして出てくる憎しみや暴力だってたやすく粉砕できる。それがおれらの選ぶ未来だ。……どうだ、いいだろ。えへへ。
自由で勝手気ままが大好きなおれらと子分の国々は、これまでと同じように、異国の脅威にたいしては暴力で結集し、これを粉砕して逆らうヤツをぶっころす。おれらは国民をまもる義務がある。ベトナム復員兵が枯葉剤で苦しんでいるとか、アトミック・ソルジャーが放射能障害で苦しんでいるとか、湾岸戦争の復員兵が奇病に苦しんでいるとか、そういう話は知ったこっちゃない。それは自業自得で要領が悪かっただけだからな。おれさまみたいに戦場にいかずにすんで大統領になったヤツだっているってことさ、どうだ、ざまみろ。えへへ。 ……まあとにかく、米国とその子分は戦争をさせてもらう。
諸君、おやすみ。いい夢みろよな。
[命日新聞3月18日] ( 2003-03-18-13:03 )
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