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[中日新聞] 2003.04.04
47歳女性が自転車の女に追われる
名古屋・北区、通り魔との関連捜査
三日午後四時四十分ごろ、名古屋市北区東水切町四の路上で、近くの新聞販売店の女性従業員(47)が、自転車に乗った女に追いかけられた。従業員は怖くなって近くの民家に駆け込み、家人が一一〇番通報。女は従業員の自転車をけり倒して南方へ逃げた。従業員にけがはなかった。愛知県警捜査一課と北署の特別捜査本部は、自転車をけり倒した器物損壊容疑で女を捜しているが、名古屋市の北区と千種区で相次いだ通り魔事件の犯人と似ている点があり、関連を調べている。
調べでは、女性従業員が自転車で南方へ向かっていたところ、二十メートルほど前方からぶつぶつ言いながら近付いてきた自転車の女にすれ違いざまに「黒い自転車だからといってじろじろ見やがって、てめえバカヤロー」とすごまれた。
女はすれちがった後も何かぶつぶつ言い、十五メートルほど過ぎてからUターンして従業員を追いかけてきた。従業員は自転車を止めて近くの民家の庭先に隠れたが、女は従業員が止めた自転車を倒し、庭先近くまで来て一−二分探し回った後に立ち去った。従業員は刃物は見ていない。
女は年齢三十−四十代で、身長は一五五−一六〇センチ。黒っぽい服装で、茶色に染めた髪を後ろで束ねていた。自転車は前かご付きで色は黒っぽかったという。
特捜本部は、この情報を基に約二十分後、現場から約一キロ西の路上で似た服装の女性を見つけ、任意で事情を聴いたが事件とは無関係だった。
騒ぎがあった現場からわずか約三十メートル北の路上では三月三十日夜、看護師菅谷悦子さん(22)が自転車の女に刺殺される事件が発生。二日後の一日には、約四キロ離れた同市千種区日進通の路上で、遠藤美里さん(22)がやはり自転車の女に刺され重傷を負った。三日、女性従業員を追いかけた女は、年齢や髪形などで両事件の犯人の女の特徴と似た点があり、慎重に関連を調べている。
現場一帯は捜査のため一時、立ち入り禁止となり、多くの報道陣も詰めかけて騒然となった。
◇
「同じ場所で、また?」。名古屋市北区で三日夕、新聞販売店の女性従業員(47)が自転車の女に追いかけられたのは、三月三十日に看護師菅谷悦子さん(22)が刺された現場のすぐ近く。供養の花束が供えられた同じ道で再び起きた騒ぎに、住民の間に不安と緊張が広がった。
現場周辺にはテレビ中継車が駆けつけ、上空を県警や報道機関のヘリコプターが数機旋回。夕暮れの住宅街は騒然とした。一時は「重要参考人の身柄確保」と全国に中継したテレビ局もあったが、やがて無関係と分かった。新聞販売店の従業員を追いかけ、自転車をけり倒して逃げたのはだれなのか。先に北区や千種区で起きた事件と関連があるのか。不安が解消されないことに住民たちは落胆した。
騒ぎのあった現場近くに住む女性(59)は「恐くて現場の道を歩けなくなった。(一時は)犯人が捕まったらしいと聞いて、安心したんだけど…」と話す。別の主婦(63)の娘は身重で、ふだんは近くの地下鉄名城線平安通駅から歩く。「一人で歩いて来ないように電話をかけました」
現場がある杉村学区では三日朝、同学区連絡協議会が全二千八百戸に注意を呼びかけるビラを配ったばかり。六日からは毎日午後七時から同九時半まで、町内会でパトロールする。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20030404/mng_____sya_____003.shtml